こんにちは、海洋生態系担当の田中です。

2013年2月に発表した「お魚・スーパーマーケットランキング vol.2」に引き続き、2013年12月「お魚・スーパーマーケットランキング vol.3」を発表しました。

前回のランキングで最下位だったイトーヨーカドーが大躍進の1位、前回3位だったダイエーが順位を落として最下位という結果になりました。

今回の調査は、2013年10月10日から11月26日にかけて大手スーパーマーケット5社(イオン、イトーヨーカドー、西友、ダイエー、ユニー)に対し、各社の魚介類の持続可能性や安全性を追求する調達方針や取り組みについてアンケート調査したものです。

 

 



2013年、「消費者の声」で企業が前進!

前回のランキングが発表された2013年2月以降、対象5社の「持続可能性に配慮した魚介類の調達」について前進がありました。

 

  •  対象4社が絶滅危惧種のヨーロッパウナギの取り扱い中止

「ワシントン条約対象種を取り扱わない」方針を持ち、もともとヨーロッパウナギの取扱いがなかった西友以外の4社(ユニー、ダイエー、イオン、イトーヨーカドー)が2013年夏以降、続々と取り扱いを中止。
対象5社全てが来年度のヨーロッパウナギ取り扱い無しを発表しました。

 

  • 西友、魚介類の調達方針を強化

2013年10月に、グリーンピースの調査によって、種を特定できないウナギ加工商品が一時西友で流通していた事実が明らかになりました。

これを受け、西友は「種 の特定ができて流通経路を追跡できる魚介類を原料とした商品のみを取り扱う」とし、調達方針とトレーサビリティの強化をグリーンピースに約束しました。

 

  • イオン・ダイエー、資源減少が懸念される太平洋クロマグロの幼魚である「メジマグロ」の取り扱い中止

太平洋クロマグロの幼魚は、「メジマグロ」または「ヨコワ」としてスーパーマーケットでも売られています。

でも、次世代を残す前(産卵前)の幼魚を獲ってしまうことは、太平洋クロマグロが増えるチャンスを奪ってしまうことにもなります。
イオンは、今回のアンケート調査でメジマグロの取り扱いについて「イオングループ全体で、販売を自粛」していることを公表しました。
イオングループであるダイエーも「2013年9月以降10kg以下のメジの取り扱いは中止」と回答しています。
太平洋クロマグロの持続可能性を考えた業界に先駆けた取り組みです。

また、ユニーも今回の調査で、メジマグロを制限付きの取り扱いにすることを公表しています。



もっともっと前進を!消費者の声を届けてください

今年、スーパーマーケット大手5社の「持続可能な魚介類の調達方針」が前進したのは、消費者の声にスーパーマーケット各社が耳を傾けた結果です。

グリーンピースでは、スーパーマーットへ持続可能性への配慮と、放射能汚染問題の取り組み強化を求める署名をオンラインで集めています。
2013年10月15日から17日にかけて、中間結果として約8000筆の署名を対象5社に手渡しで届けました。
また、各店舗の「お客様の声ボックス」に直接多くのメッセージが届けられ、店舗から企業へと届いているはず。
「消費者の声」を届け続けることによって、企業は少しずつ変わってきています。


でも、まだまだ企業の歩みは遅く、次の世代に食文化と豊かな海を残していくには不十分です。
ぜひ、「消費者の声」をスーパーマーケットに届け続けてください。

【まだまだ募集中】
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今週は、ランキングの詳しい内容について毎日ブログを更新。
「調達方針」「トレーサビリティ」などの専門的な言葉の意味や、なぜそれが必要なのか、企業の対応についてお話ししていきます。

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お魚・スーパーマーケットランキング3
詳しい回答結果とグリーンピース評価はこちら