こんにちは、キャンペーン担当の高田です。

持続可能な未来をめざして、グリーンピースの新しい取り組みが始まりました。
世界的なブランドを巻き込んで、化学物質による水汚染をなくしていく”デトックス・ウォーター”キャンペーンです。

グリーンピース・インターナショナルは7月13日、北京と香港で記者会見を行って新しいレポートを発表し、世界的なスポーツ製品・衣料品企業と取引実績のある中国の2つの繊維加工工場(注1)の排水から、有害化学物質が検出されたことを明らかにしました。

アディダスやナイキなど世界的なスポーツ用品メーカーやH&Mやユニクロなど大手衣料品メーカーと取引実績のある、中国の繊維加工工場2か所で採取した排水サンプルから、残留性や生物濃縮性のある重金属や環境ホルモンなどの有害化学物質が検出され、人体や環境に対しての長期間にわたる影響が心配されています。

これら2施設と取引実績があり、今回のレポートに掲載されている企業は、レポート『ダーティー・ランドリー ~衣料業界の不都合な真実~』(全116ページ、英語)の38ページをご覧ください。
さらなる詳細は、こちらから(英語)。

製造工程のどこで、どんな有害化学物質が使われ排出されているかの全体像をつかむことは簡単なことではありません。でも今回、こうした企業の取引先である施設の排水が汚染源となっていることがわかりました。問題解決のためには、企業がサプライチェーン全体をとおして有害な化学物質の使用を監視・削減しながら、最終的には“排出ゼロ”、つまり使用を中止し代替していくための包括的な管理ポリシーが必要です。
そして、その第一歩は有害化学物質の排出ゼロをめざすとビジョンを発表すること。

今回のレポートには、唯一の日本企業としてユニクロ(株式会社ファーストリテイリング)が登場します。同社によると、レポートに指摘のある繊維加工施設とは短期間の取引がありましたが、現在の取引はないとこのと。同社の担当の方からはレポートの発行前から丁寧な対応をいただいています。ユニクロが先進的な化学物質管理ポリシーを打ち出し、ぜひ世界の大手メーカーをこの分野でリードすることを期待しています。

またグリーンピースは中国政府に対しても、有害化学物質の排出をなくす規制を整え、汚染物質の排出状況を市民が知ることができるしくみをつくることを求めています。

有害物質のない未来へ――先手を打つのは、アディダス?ナイキ?それともユニクロ?
これから始まるであろう熱戦に、ぜひご注目ください。

(注1)Youngor Textile City Complex社および、Well Dyeing Factory Limited社


(写真: 中国の河川と繊維加工工場 (c) Qiu Bo /Greenpeace)