2013/6/17、グリーンピース東欧4カ国事務局長共同声明、協力すべきは原発ではなく自然エネルギー――安倍首相と東欧4カ国の首脳会合を受けて

プレスリリース - 2013-06-17
グリーンピース東欧4カ国事務局長共同声明、協力すべきは原発ではなく自然エネルギー――安倍首相と東欧4カ国の首脳会合を受けて

国際環境NGOグリーンピースは本日17日、安倍首相がポーランドを訪問しチェコ、スロバキア、ハンガリーを合わせた東欧4カ国の枠組み(V4)と初の首脳会合に臨み、日本からの原発輸出を働きかけ、今後の関係強化を確認する共同文書をワルシャワ時間16日に発表したことを受けて、東欧4カ国のグリーンピース事務局長による以下の共同声明を発表しました。

「日本の首相が東欧4カ国の首脳に呼びかけるべきは、原発開発ではなく、クリーンで持続可能な自然エネルギー技術とその効率的な利用実現に向けた5カ国間の協力ではないか。

安倍首相は原発輸出に向けた『トップセールス』に力を入れているが、日本のように優秀なエンジニアが大勢いる国でも原発は非常に深刻な事故を引き起こした。事故から2年半を経てはっきりしたことは、日本の原発の安全性ではなく、世界3位の経済国であっても原発なしでやっていけるということだ。

かつての日本と同じように、我々の国ではいまも『原発安全神話』が信じられている。福島第一原発事故は地震と津波により起こったもので技術や規制に問題はなく、人的被害はないと国民に伝えられている。日本では原発事故の損害賠償額に上限はないが、東欧4カ国では96億円~393億円(注)と非常に低い。原発企業を守るためのこうした優遇策が、東芝、日立、三菱重工といった日本の原子炉メーカー参入に魅力となっているのだろうか。いま世界の市民が日本に求めているのは、原発の輸出ではなく、事故の一刻も早い収束と被害者の保護である」。

注) NEA (2011), Nuclear operator liability amounts and financial security limits, as of June 2011.

Maciej Muskat – グリーンピース・ポーランド事務局長
David Murphy – グリーンピース・チェコ事務局長
Zsolt Szegfalvi – グリーンピース・ハンガリー事務局長
Juraj Rizman – グリーンピース・スロバキア事務局長

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国際環境NGO グリーンピース・ジャパン

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