2014/02/17 グリーンピース、高級ブランドの子供服からも有害化学物質を検出――新報告書で、ヨーロッパとアジアで購入した27点の調査結果を発表

プレスリリース - 2014-02-17
【イタリア】 国際環境NGOグリーンピースは、ミラノファッションウィーク開催中の本日2月17日、イタリア、フランス、中国などヨーロッパとアジアの国々で購入した27点の高級ブランドの子供服を調査した結果、ヴェルサーチ、ルイ・ヴィトン、ドルチェ&ガッバーナなどファッションショーでもおなじみの高級ブランドの服から、ファストファッションの製造過程で使用されているものと同種類の有害化学物質が検出されたと発表しました。(注1)(注2)

新報告書でまとめた調査では、8つの高級ファッションブランドの27製品を検査し(注3)、その結果16製品から1種類以上の有害化学物質――ノニルフェノールエトキシレート(以下、NPE)、フタル酸類、有機フッ素化合物(以下、PFC類)、アンチモン――が検出されました。その内8製品がイタリア製でした。PFC類が最も高濃度で検出された製品はルイ・ヴィトンのバレリーナシューズで、NPEが最も高濃度で検出されたのはヴェルサーチのジャケットでした。これらの化学物質の中には、工場や衣類自体から環境中に排出され、世界中の河川や水路に蓄積され、内分泌系に影響を及ぼし、生体に有害な影響を引き起こす可能性が指摘されている物質もあります。

グリーンピース・イタリアのキアラ・キャピオーネは、「高級ブランドは、その高級感と品質が命です。この報告書は、高級ブランドが顧客の信頼を裏切っていることを明らかにしています。有害化学物質は高級ファッションだけでなく、すべての人に影響を与えます。製品から有害物質が検出されたブランドは、自社のサプライチェーンから有害化学物質を全廃すると同時に、消費者がブランドの本質を見抜く力があることを認識する必要があります」と述べました。

さらに、「高級ブランドは今、トレンドセッターとしての評判に恥じない行動をし、有害化学物質を使わない『ファッション革命』の先頭を行くときです。ヴァレンティノやバーバリーなどのブランドは、自社のサプライチェーンから有害物質を全廃し、美しいファッションは環境に負担をかけるべきでないという姿勢を明らかにしています。ヴェルサーチ、ルイ・ヴィトン、ディオールやドルチェ&ガッバーナにも、有害化学物質の全廃を宣言することが待たれます」と続けました。

 

グリーンピースの「デトックス・キャンペーン」について
有害化学物質が河川や水質を汚染していることから、衣料品ブランドにサプライチェーンでの有害化学物質使用状況の情報公開と、2020年までの有害化学物質の全廃を求めています。これまでに大手衣料品ブランドを展開する企業20社が、有害化学物質全廃を求める「デトックス宣言」に合意しています。(注4)

注1) 新報告書「ファッショナブルな嘘の物語」(英語:A Little Story About a Fashionable Lie、グリーンピース・インターナショナル、2014年2月17日)

注2) 「クローゼットのなかのモンスターの物語」(英語:A Little Story About the Monsters in Your Closet、グリーンピース・インターナショナル、2014年1月14日)では、ファストファッションを含む12ブランド82製品で同様の調査を実施しました。

注3) Dior、 Dolce & Gabbana、 Giorgio Armani、 Hermes、 Louis Vuitton、 Marc Jacobs、 Trussardi、Versaceの8ブランド。

注4) グリーンピース「デトックス・キャンペーン」合意企業: Nike、 Adidas Puma、 H&M、 M&S、 C&A、 Li-Ning、 Zara、 Mango、 Esprit、 Levi's、 Uniqlo、 Benetton、 Victoria's Secret、 G-Star Raw、 Valentino、 Coop、 Canepa、 Burberry 、Primark。

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国際環境NGOグリーンピース

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