2018/10/12 グリーンピース、東京湾の大規模石炭火力発電所計画の見直しを求め、オンライン署名「出光興産さん、九州電力さん、東京ガスさん、石炭火力より自然エネルギーを!」を開始

プレスリリース - 2018-10-12
国際環境 NGO グリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、千葉県袖ヶ浦市に東京ガス、出光興産、九州電力の三社が建設計画中の「千葉袖ケ浦火力発電所1、2号機(仮称)」の計画見直しを求めて、本日12日、オンライン署名「出光興産さん、九州電力さん、東京ガスさん、石炭火力より自然エネルギーを!」を開始しました。

今夏の西日本の豪雨災害や全国的な猛暑、また世界中で増加している猛暑や豪雨は、国連の世界気象機関などによって、地球温暖化との関連が指摘されています。石炭火力発電は、温暖化の原因となるCO2をもっとも排出する発電方法であるため、世界中で石炭火力発電プロジェクトの取りやめや、自然エネルギーへのシフトが進んでいます。

そのような中、世界の潮流に逆行して日本では石炭火力発電は拡大傾向にあり、すでに100基以上が稼働しているのに加えて35基もの新設計画があります。東京湾岸で計画されている「千葉袖ケ浦火力発電所1、2号機」は、合わせて200万Kwの最大級の石炭火力発電所で、人口密集地に近いこともあり、大気汚染による健康影響への懸念も指摘されています(注1,2)。今年の8月、東京ガスと九州電力は、本計画について石炭火力から液化天然ガス(LNG)への転換検討を表明しました(注3)。グリーンピースは市民とともに、三社に対して石炭火力発電所計画の中止と持続可能な自然エネルギー事業へのシフトを求めて、本署名を開始しました。

グリーンピース エネルギープロジェクトリーダーの高田久代は、「グリーンピースの実施した世論調査では8割の人が最近の日本の気象を心配し、温暖化との関連を感じています。一方、その主な要因である石炭火力発電を未だに推進している日本の現状は、ほとんど知られていません。この署名が、身近なところで進められる石炭火力発電所の計画を多くの人が知り、声を上げるきっかけになればと思います」と語りました。

10月8日に発表された国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)特別報告書は、熱波や豪雨の頻度、海面上昇による浸水リスクなどをある程度抑えられる1.5度未満に抑えるためには、CO2排出量を2030年までに半減する必要があると指摘しています。そのためには2030年までに石炭消費量の少なくとも3分の2を削減し、2050年までに石炭火力発電をほぼゼロにする必要があります。新たな石炭火力発電所建設の余地はもはやありません。

【署名概要】
名称:出光興産さん、九州電力さん、東京ガスさん、石炭火力より自然エネルギーを!
内容:三社に対し、東京湾に建設計画中の「千葉袖ケ浦火力発電所1、2号機」の建設計画の見直しと持続可能な自然エネルギー事業へのシフトを求める。
署名提出先:出光興産、九州電力、東京ガス
開始日:2018年10月12日
URL:https://act.gp/2yxBaPb

注1)本建設計画に対し、グリーンピースは気候ネットワークとともに、はがきキャンペーンや大気汚染シミュレーションの発表を通じて、地元住民との反対運動を進めてきた。

注2)東京湾岸には千葉県の蘇我、神奈川県の横須賀などにも、新たな石炭火力発電所の建設計画がある

注3)千葉の新設発電所、石炭火力からLNGに転換検討 東ガス・九電(日経新聞、2018年8月10日) 

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