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2008/12/15 ポズナ二会議閉幕:世界の首脳はコペンハーゲンで合意を!

プレスリリース - 2008-12-15
ポズナ二会議閉幕:世界の首脳はコペンハーゲンで合意を!

2008年12月15日

会議結果に失望し、次の気候変動枠組み条約締約国会合が開かれるコペンハーゲンへ向けポズナニからヒッチハイクを開始するホッキョクグマ

【ポーランド・ポズナ二】 グリーンピースは12日のポズナニ会議閉幕にあたり、各国政府に対し来年のコペンハーゲン会議で温室効果ガス削減の次期枠組みについて合意すること、そしてこれを最重要課題として責任ある行動をとることを求めた。

「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の科学者は、危険な気候変動を避けるにはこの10年のうちに行動しなければならない、と警告している。そのためには来年、コペンハーゲン合意を採択しなければならないが、その限られた時間のなか、ポズナニ会議だけでなく今年一年がまるまる無駄になってしまった。現段階で取りうる最良の策は、今会議を踏まえ、何が可能で何をしなければならないか、今後の作業方針を定め、そしてコペンハーゲン会議までにそれらを完了することだ。

コペンハーゲンにおける包括的合意は手の届くところにある。途上国は次々と建設的な提案をし、行動の用意があることを示している。ポズナニ会議に参加した米国のジョン・ケリー上院議員とアル・ゴア氏は、オバマ次期政権は同国が気候変動防止に取り組むこと、そして2009年の批准可能な合意達成にむけて、真剣に交渉にかかわることを明らかにした。

気候変動政策において、ようやく米国が指導力を発揮してくれる見通しがたったことに世界が安堵しているそのときに、一部の国々は自らの削減義務を果たさず、逆にこの機会を台無しにしようとしている。

ポズナ二会議において、オーストラリア、カナダ、日本、ニュージーランドは、協議の進捗をことごとく妨げた。それにより先進国のさらなる大幅削減に関する実質的な交渉の開始は、来年6月に先送りとなった。また、今回の決定は昨年のバリ合意とほとんど同じ記述にとどまった。こうしてポズナ二会議は、一年前からなんら何も進展がみられないまま閉幕したのである。

「とくに日本は、中期目標にIPCCの勧告する削減幅の数値を入れることに反対しただけでなく、途上国がもっとも求めている適応のための資金を調達する仕組みにたいしても積極的でなかった。さらに自らの義務を棚上げにしたまま、途上国にも削減義務を課すような提案をしている」と、ポズナニ会議に参加したグリーンピース・インターナショナル気候変動政策コンサルタントの鮎川ゆりかは語り、「途上国も参加する国際的な取組みに合意するには、自国の中期目標をIPCCの勧告する範囲で決めること、途上国への資金移転の仕組みを提案することが先決」と強調した。 おりしも12日、欧州委員会はこれまでより後退した包括的な気候変動政策パッケージを発表した。幸い、欧州議会がこのパッケージについて近々、決議をとることになっている。その際に、いくつかの実効力のある施策が盛り込まれることを期待したい。

気候変動の危機を回避するには、世界の全面的な協力が必要だ。削減義務から逃れたり、取組みを後回しにしたりする余裕は残されていない。世界の衆目のもと、コペンハーゲン合意に向けたカウントダウンが始まった。

お問い合わせ:
特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
気候変動/エネルギー問題担当: 鈴木(真奈美)
広報: 城川