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2010/05/12 太平洋クロマグロの保護に向けた第一歩―水産庁がクロマグロの資源管理強化を発表

プレスリリース - 2010-05-12
太平洋クロマグロの保護に向けた第一歩 ――水産庁がクロマグロの資源管理強化を発表

グリーンピース・プレスアドバイザリー

2010年5月12日

世界最大のマグロ消費国である日本の資源管理に対する姿勢が世界から問われているなか、水産庁は11日、太平洋クロマグロの資源回復計画を本年度中に策定し、2011年度からの実施をめざすと発表しました (注1)。太平洋クロマグロの総漁獲量の約70%を漁獲し、約80%を消費する日本が本格的な漁業規制を主導することを、グリーンピースはマグロの保護に向けた第一歩と評価すると同時に、確実に資源回復につなげるために、このたび策定される計画に含めるべき6つの要素を挙げます。

  • 予防原則にもとづいた生物学的管理基準値とTAC(漁獲可能量)の設定
  • 産卵海域など生態系にとってとくに重要な海域を海洋保護区に指定し管理
  • 産卵時期(6~8月ごろ)を休漁とする
  • 産卵経験のない1~3歳魚の漁獲を禁止
  • 全漁船にVMS(衛星通信漁船管理)システムの搭載を義務づけ、監視・管理体制を確立
  • 魚群発見のためのセスナやヘリコプターなどの利用を禁止

太平洋クロマグロの漁業規制の必要性を訴えてきたグリーンピースは、同種の漁業規制への取り組みを評価しつつ、水産産業の利益が優先され保護策が骨抜きとならないよう、TACをはじめとする具体的な数字や時期などの詳細に注意を払い、海の生物多様性の保護と持続可能な漁業をめざしして活動を続けます。

日本は今年10月に名古屋で開催される生物多様性条約(CBD)締約国会議のホスト国です。CBDは海の生物多様性の保護措置として、海洋保護区の設置とグローバルネットワークの設立を2012年の目標に据えています。世界規模で進む過剰・違法漁業が各海域で海の生物多様性を破壊し、将来の漁業と魚食を脅かす現在、グリーンピースはその解決策として、世界の海の40%を海洋保護区にすることを主張しています。

(1) 水産庁プレスリリース:「太平洋クロマグロの管理強化についての対応」について http://www.jfa.maff.go.jp/j/kokusai/kanri_kyouka/

お問い合わせ:グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当: 花岡和佳男
広報担当: 成澤薫