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もうすぐ3月11日。
多くの人が家を、故郷を追われ、それまでの暮らしを手放さざるを得なくなった未曾有の大災害から、8年になります。
あの地震の揺れ、押し寄せる津波の恐ろしさ、そのあと起きてしまった事故によって始まった長く厳しい不安の連続。

山形県米沢市、津波被害や原発事故からの避難者が集まる避難所。2011年3月。

それから8年の間に、どんなことがあったでしょう。

日本だけでなくあらゆる国と地域で、被害にあった人を支えよう、危険な原発はやめようという人々が立ち上がり、声をあげ始めました。
事故当時全国に54基あった原発は再稼動できなくなり、18基の廃炉が決定。
事故前は日本の消費電力の約3割を占めていた原発は、現在わずか数%。
日本政府が海外に建設しようとした原発は、事業利益がみこめなくなるなどしてすべて計画中止になっています。
ドイツや韓国、台湾など明確に脱原発を宣言する国や地域も現れました。

オランダ、原発建設計画中止を求める人々。2011年12月。

自然エネルギー分野は世界中で飛躍的な発展を遂げ、人権を侵害し環境を破壊する原発や化石燃料ではなく、気候変動を助長しない持続可能なエネルギーへの移行が、着実に進んでいます。
日本国内でも、節電や省エネルギーがさらに進み、消費電力は2010年度から2015年度で11.5%*1減少、政府は2030年までに2012年と比べて35%*2の省エネを目指しています。自然エネルギーは全発電量の15%*3超に増え、持続可能な形でのさらなる導入拡大が見込まれます。

福島県の風力発電所。2016年8月。

ところがその一方で、日本はまだ原発を再稼働させようとしています。
そのために、復興の名のもとに帰還困難区域でも大規模な除染を行い、より線量の高い地域でも避難指示を解除し、避難者への賠償や住宅供与なども次々にうちきりになっています。
いま誰が何をしても、起こった事故は決してなかったことにはならないのに。

いま私たちにできるのは環境と人権をまもること

グリーンピースでは事故直後からチェルノブイリでの調査経験を持つ専門家を招聘した放射能調査を続け、昨年秋には29回目の測定調査を実施しました。
ご寄付でこの調査を応援してくださっている皆さまに、改めて厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。

福島県での放射能調査。2011年3月。

継続調査によって判明したのは、のべ3000万人もの労働者を動員し約2兆6000億円の税金を費やすほどの除染*4をしても、住民が安心して暮らせるレベルの効果が見られないという事実でした。
調査を実施した飯舘村や浪江町は全面積の7割が森林です。宅地や道路などの生活域をどんなに除染しても、除染されないエリアからの再汚染のリスクは免れません。

事故の被害にあって苦しむ人々に対して安全に住める保証もない地域への帰還を実質的に強制することが人権侵害なら、十分な情報共有も安全対策も保障もなく労働者を搾取する除染も人権侵害です。除染作業員には、社会的・経済的な弱者が多いともいいます。
実際に、国連人権機関からは日本政府に対し、住民や労働者の人権を侵害する政策を見直すべきだという指摘が再三なされています。*5

福島県浪江町で作業する労働者。2018年10月。

このまま除染を続け、避難の権利をまもらない政策が続く限り、原発事故の被害は収束するどころか拡大するばかりです。
なぜなら、グリーンピースの調査で高濃度の汚染が確認された地点でも除染が行われ、そこで作業する労働者の健康は現に危険にさらされているからです。
再汚染のリスクのある地域に帰還する住民ももちろん、同じ危険にさらされます。
その危険は来世紀まで、続くのです。

グリーンピースの29回目の放射能調査。2018年10月。福島県浪江町。

グリーンピースは2019年も放射能調査を続け、さらに精度の高い調査のための技術開発も行っています。
こうして明らかにした事実に基づいた政府や電力会社、国際社会へのはたらきかけによって、原発のない社会を目指します。

気候変動や環境汚染につながるエネルギーではなく、人にも環境にも優しい自然エネルギーと省エネルギーで、持続可能な社会へ。
できることは、たくさんあります。
ひとつずつ、やっていきましょう。

グリーンピース・ジャパン事務局長
サム・アネスリー

 

寄付でグリーンピースの活動に参加

福島放射能調査最新報告書「原発事故の最前線:労働者と子どもへのリスクと人権侵害━福島県 浪江町と飯館村における放射線調査」

 

*1 エネルギー経済・財務分析研究所「Japan: Greater Energy Security Through Renewables Electricity Transformation in a Post-Nuclear Economy」

*2 The Carbon Brief Profile: Japan

*3 環境エネルギー政策研究所「2017年暦年の国内の全発電量に占める自然エネルギーの割合(速報)」より

*4 平成29年環境省発表「除染・中間貯蔵施設・放射性物質汚染 廃棄物処理の現状、成果及び見通し」より

*5 2018 年3 月採択 国連人権理事会加盟国による人権状況審査で区域外避難者の支援継続や年間1ミリシーベルト遵守の勧告など
2018 年10 月25 日 国連特別報告者から日本政府に女性や子どもの避難者の放射線の高い地域への帰還政策をやめるよう声明
2019 年1 月 国連・子どもの権利委員会より福島原発事故被災地の子どもたち健康診断の実施などを勧告 ほか