[Next100 PROJECT – スタッフVoice vol.6]
グリーンピース・ジャパンのスタッフ、一人ひとりの考えや今までの背景を紐解き、新たなビジョンとして策定した「地球の恵みを、100年先の子どもたちに届ける。」への思いをご紹介します。6回目は、グリーンピース・ジャパンのオンラインコンテンツコーディネーターを担当している林恵美のインタビューです。暮らしと環境問題の密接な関わりを、彼女はみつめています。

情報発信という小さな種を撒き続ける。心に落ちた種がいつか花咲くように。

環境問題の解決に必要なのは、政府や企業やNGOだけではありません。私たち一人ひとりの環境問題に対する意識と行動も欠かすことができないのです。グリーンピースには、たくさんの人たちと一緒に環境問題に取り組むために、「エンゲージメント」(引き込む、参加させる)を担うスタッフがいます。

林恵美さんはオンラインコンテンツコーディネーターとして、環境問題やグリーンピースの活動に関するSNSでの発信やホームページの企画や運営を担当しています。オンラインツールを使用して、多くの人が環境問題について知ったり、考えたり、解決のために行動を起こすのを促すのが目的です。それはグリーンピースが、人々が集まることで生まれる力(ピープルパワー)の価値を信じ、役割に期待しているからです。

ですから情報を発信するときも、「環境問題について解説して終わり、ではなく、この問題にどう関われるか、一緒に解決に向かう方法を必ず伝えるようにしています」と、ただ知らせるだけでは終わりません。

同時に、一人でも多くの人に情報を届けることが求められます。ただし、えみさんがやりがいを感じるのは、SNSに届く「いいね」の数だけではありません。情報を受け取った一人ひとりの行動の変化に触れたときです。

「関わったコンテンツをたくさんの人に読んでいただけたらすごく嬉しいですけど、やりがいを感じるのは、誰かの行動の変化につながったと実感するときですね。日々の発信はきっかけの種なんです。そこから、行動につながっていけばと思っています」

近年、環境問題への関心が社会全体で高まっていることもあり、グリーンピースのSNSをはじめとした情報発信もこれまで以上に注目を集めるようになってきました。グリーンピース・ジャパンのTwitter、Facebook、Instagramの総フォロワー数は、およそ26万人(2022年7月現在)。またグリーンピース以外にも、環境問題について情報発信をするアカウントは増える傾向にあります。「これまでは、サステナブルな暮らしのための工夫といった情報を多く発信してきたんですが、これからはその一歩先を行くような、根本的な解決をめざすために必要なことや、表面的なニュースだけではわからない環境問題に関する事実などを伝えていきたいです。そういったことが伝えられるのは、グリーンピースだからこそです

環境問題を生み出すのも、解決するのも、私たちの暮らし

グリーンピースに入職して7年の間、役職は変わりながらも、ずっとエンゲージメントを担当してきたえみさん。小学生のときから、将来は環境問題に取り組む仕事に就きたいと思っていた彼女ですが、大学卒業後は教育関係の民間企業に就職しました。

「自分で考えて行動する人が増えていかないと環境問題は解決しないし、子どもたちに対して環境について考えるきっかけが必要だ」と考えたうえでの教育業界の選択でした。そうは言っても、新入社員がすぐにやりたい仕事ができるはずもなく、高校生向けの進路情報誌の編集を担当することに。その当時の仕事が、意外にも現在の業務に役立っているといいます。

「受験や進路など、高校生にとってあんまり考えたくないことや身近でないことを、どういう風に記事にすれば興味を持って読んでもらえるのか、それを考えるところが今の業務とすごく似ていますね。当時の経験が生かせていると思います」

仕事は充実していましたが、環境問題とは関わりの薄い期間を経て、退職してから約2年間、ヨーロッパで暮らしたことが、えみさんに環境問題に対する新たな気づきをもたらしました。

「当時の日本では、まだオーガニックのものはあまり売ってなかったんですね。でもヨーロッパでは、オーガニックとそうではないものが並んでいるのが普通だったんです。値段以外にも、環境にいいからといった理由で品物を選べるんですね。そういう選択肢が暮らしの中にあるのがすごくいいと思いました」

そして帰国後、グリーンピース・ジャパンに加わりました。今年から就いた現職はスピード感が求められるうえ、目まぐるしい社会の動きに合わせた発信が必要です。そんなえみさんが100年先を考えたら、どんな未来を思い描くでしょうか。

「私は何よりも食べることが好きなのですが(笑)、環境問題の多くは食べることにつながっていますよね。遠く離れた場所で栽培・加工された食べものを、飛行機で輸入して手に入れるのではなく、生産者と繋がって、または自分で生産に片足を置きながら、なるべく自分の近くで採れたものをいただくことが当たり前になったらいいと思います。都会で働いている人でも週末は農家に手伝いに行くような、そういう社会になるといいですよね

日本では、遠い海を越えて届いた野菜や果物を食べなくても、目を向け手を伸ばしさえすれば、身近なところに自然の恵みはあふれています。それらを一人ひとりが選び取る暮らしは実現不可能ではないでしょう。えみさんが発信するひとつひとつの言葉は、「あなたが望む100年先の未来の姿」へとつながっているのです。

【プロフィール】
林恵美
オンラインコンテンツコーディネーター

幼い頃から環境問題に関心が高く、大学時代には子どもに教育支援をする国際NGOでインターンを経験。大学卒業後、教育関連の企業に就職。約2年間のヨーロッパ生活で、環境に配慮した選択肢がある暮らしに触れたことが転機となる。そのような社会の在り方を目指したいと、帰国後、グリーンピース・ジャパンに入職。

[Next100 PROJECT – スタッフVoice]
vol.1グリーンピース・ジャパン事務局長、サム・アネスリー
vol.2コミュニティアウトリーチ担当、儀同千弥
vol.3気候変動・エネルギー担当、ダニエル・リード
vol.4プラスチックキャンペーンプロジェクトリード、大館弘昌
vol.5気候変動・エネルギー担当、鈴木かずえ
vol.6オンラインコンテンツコーディネーター、林恵美
vol.7プログラム部長 高田久代

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