気候危機は、私たちが気がつかないあいだにも進んでいます。

地球に住めなくなる未来をつくってしまわないために、 地域と社会レベルで温室効果ガスを大幅に削減するための方法を、気候アクティビスト・モデルとして活躍する小野りりあんさんと一緒に考えました。

グラフィックレコーダーの田辺エリーさんに記録していただいたイベント内容(©️Ellie Tanabe/Greenpeace)

日常生活に迫る気候変動の被害

気候変動は私たちの未来を大きく変えてしまう可能性があります。近年すでに豪雨災害の深刻化や、猛暑日の増加など私たちの日常の中で変化を感じている人は多いのではないでしょうか。

また、日本は気候変動による海面上昇のリスクもあります。

このまま気候変動への対策が何も取られない場合、2030年に全国で浸水など、 海面上昇の影響を受ける人は600〜700万人に及ぶとも言われています。影響を受ける地域は、東京、大阪、名古屋の三大都市圏にとどまらず、 北海道、茨城県、新潟県、福岡県、佐賀県など日本各地にいたります。

このような未来を私たちの手でつくってしまわないためには気候変動の進行を抑制しなければなりません。その際、重要になるのが自然エネルギー100%の実現です。

自然エネルギー100%の実現は、自治体に声を届けるところから

東京都で自然エネルギー100%を実現することは可能だということ、ご存知でしたか?

実現のためにまず必要なのは、徹底した省エネの実現です。建物断熱を見直し、設備機器を省エネのものに変えることで、約7割エネルギー削減が可能だと試算されています。そして、残った3割のエネルギーを自然エネルギーで賄うことができます。

レポート『東京都の再生可能エネルギー100% シナリオ~グリーン・リカバリーによる脱炭素化ロードマップ~』より抜粋

しかし、各自治体に自然エネルギー100%を実践してもらうには、私たちの声を届ける必要があります。

声を届けるため、まずはお住まいの自治体のホームページをチェックして、どのような環境目標を掲げているのかを調べてみましょう。そしてお問い合わせフォームやメール、お電話などで自然エネルギー100%を求めていることを伝えてみましょう。

このアクションは、環境を想い、肉食を減らしたり、エコバッグを持ち運ぶことと同じように、誰にでもできるものです。また、行政に働きかけることで、街全体を変えられる可能性もあるため、大きな影響力があります。だからこそ、積極的に自治体に声を届けて欲しいと考えます。

とは言っても、自治体の人にお問い合わせをするのは多くの人にとってはハードルが高いかもしれません。ゼロエミッションを実現する会の  Facebookグループに参加すれば、仲間からサポートを受けながらアクションを実行することもできます。

また、選挙も自分たちの声を伝える絶好の機会です。

各候補者がどのような目標を掲げているのか調べ、実際の選挙活動中に気候変動についてどのようなビジョンを持っているのかなど、直接質問してみるのも大事なことです。

仲間を見つけることが、アクションの最初の一歩

小野りりあんさんがイベントを通して何度も口にしていたのが「仲間をみつけて、協力することの大切さ」です。実際に「ゼロエミッションを実現する会」に参加し、自治体の職員の方に自然エネルギーの実現を求めた事がある小野さん。1人で自治体に対してアクションを起こすことはすごく勇気がいるけれど、仲間と協力すればサポートがあることに加え、楽しみながら取り組めたと言います。

(イベント中お話しする、小野りりあんさん)

また、気候危機に対するアクションに関わるうちに新しい仲間との出会いも増え、自身の交友関係も広くなったそうです。そうして仲間が増えることで人と協力し、より大きなアクション、変化に繋がります。

また、小野さんは自治体などに声を届ける際、心からの想いを伝えられるように気をつけていると言います。このままでは地球が危ないということ、私たちが困るということ、なんとかしよう!という強い気持ちを伝えることが、声を届ける時に何よりも大事だと感じているそうです。

イベント後、参加者からは、

・地元の自治体とのコミュニケーションを実行しようと思います。
・社会を変えていくには、まず仲間が必要と思いました。

といった感想もいただきました。

みんなで協力すれば、気候危機はきっと乗り越えられる

私は、グリーンピース・ジャパンで、SNSインターンとして活動しています。このイベントに参加して私自身は、「一歩踏み出せば素敵な出会いがある!みんなで協力しよう!」というメッセージが響きました。どうしても気候危機はテーマが大きく、ひとりでは無力感を感じてしまうこともあります。しかし、仲間と繋がり、協力すれば、大きな変化に繋がるのだと改めて気づきました。私も地球の未来を守りたいと感じている人と繋がり、協力しあい、モチベーションを保ちながら今後も活動していこうと思います。

(参加者のみなさんと)

みなさんも、一歩を踏み出し、同じ想いを持った仲間と、行動を起こしてみませんか?

こちらに登録すると、お住まいの地域を変えるために行動する仲間と出会えるコミュニティのご案内や、地域を気候危機から守るために役立つ情報、関連イベント情報などが届きます。一緒に気候変動対策の加速を求めましょう!

学生インターン 江島恵莉

教養学部で心理学を専攻中。留学を通して気候変動に興味を持つように。

(本人提供)