周辺で複数のホットスポットが確認された福島県のJヴィレッジ Christian Aslund/Greenpeace

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、本日4日、2019年10月にJヴィレッジ(福島県広野町・楢葉町)周辺で行った放射線調査で、複数のホットスポットが確認され、最大で地表面接触で毎時71マイクロシーベルト、高さ1メートルで1.7マイクロシーベルトにのぼる放射線量が計測されたことを公表しました。グリーンピースはすでに、小泉進次郎環境大臣にこの調査結果を通知し、定期的放射線モニタリングと除染を実施するよう提言しています(注)。

◾︎グリーンピース・ジャパン、エネルギー担当鈴木かずえ

「今回確認されたいくつかのホットスポットは、2011年以降のグリーンピースの放射線調査で発見されたホットスポットの中でも、非常に高いレベルの放射線量でした。これらのホットスポットはすでに除染が行われた場所に存在し、現在、一般の人々が行き来する場所であるため、健康への影響が憂慮されます。また、この付近は来年の東京五輪の聖火リレーの開始地点にもなっています。これは、これまでの除染活動の有効性に疑問を投げかけるものです。グリーンピースは、11月18日付で環境大臣宛てに書簡を送り、定期的放射線モニタリングと除染を提言しました」

◾︎グリーンピースの提言概要

  1. Jヴィレッジ周辺の公共エリアおよび周辺のオリンピック/パラリンピック会場の即時かつ広範囲の放射線調査およびホットスポット調査の実施。市民が頻繁にアクセスするエリアの高いレベルの汚染の除去を、それらが再汚染を引き起こす前に実施すること
  2. 今回特定されたホットスポットだけでなく、公共エリアのより広い範囲の土壌(草、森林)の除染
  3. 公共エリア除染後の定期的モニタリング、そのフォローアップとしての除染

◾︎Jヴィレッジ周辺での放射線調査結果

グリーンピースの調査チームは10月26日、Jヴィレッジで約2時間調査を行い、複数のホットスポットを発見しました。特に、トレーニングセンター近くの駐車場は、放射線量が地表面で毎時71マイクロシーベルトに上り、これは、除染の目安である毎時0.23マイクロシーベルトの308.7倍、2011年3月に発生した東電福島原発事故前のレベル(毎時0.04マイクロシーベルト)の1,775倍になります。

◾︎経緯
2019年10月16日 福島県内で放射線調査を開始(11月5日まで)
10月26日 Jヴィレッジ周辺で地表の放射能レベルを測定。一部で毎時71マイクロシーベルトの高い放射線量を確認。
11月18日付で小泉進次郎環境大臣に情報提供と要請の書簡を送付したほか、国際オリンピック委員会(IOC)トーマス・バッハ会長、日本オリンピック委員会(JOC)山下泰裕会長、福島県知事でJヴィレッジ代表取締役社長の内堀雅雄氏などにも同書簡のコピーを送付。

※10月16日〜11月5日に実施した福島市、浪江町、大熊町、飯舘村などでの調査の結果は、2020年春までに報告書として公表予定

(注)「Jヴィレッジ(福島県)周辺で検知されたホットスポットについての緊急の情報提供と要請」