こんにちは、グリーンピース・ジャパンの小松原です。海洋生態系担当として、太平洋クロマグロを絶滅から守るための活動を行っています。

正直な話、私のように「マグロを守りたい!」と熱く思っている人はなかなかいないようで…(パンダやトラと違って、マグロが食べ物だからでしょうか?)

でも、もしもマグロが絶滅したら、食べられなくなる、だけじゃないんです。

3分だけ、お時間をお時間ください!このブログを読んで、どう思ったか教えてください。一言コメントお待ちしております!

太平洋クロマグロがいなくなると…

1) 食べられなくなります

太平洋クロマグロとは、いわゆる大トロや中トロが取れる大人気のマグロです。

将来、あなたの子どもや孫など、家族や大切な人と一緒に天然の太平洋クロマグロを食べることはできなくなってしまいます。

2)海の生態系が崩れてしまいます

マグロは、生態系の頂点に君臨する魚のひとつ。もし、太平洋にクロマグロがいなくなったら…….。種が滅びるということは、捕食・被食関係にある生きものだけでなく、海の生態系全体に取り返しのつかない影響を与えてしまうということ。つまり、食卓にあがるほかの魚への影響など、回り回って私たちの生活にも影響するやもしれません。

3)日本の漁が廃れてしまいます

日本は、世界三大漁場のひとつを有する、世界が羨む漁業が盛んな国。でも、太平洋クロマグロが絶滅しかけていることで、マグロが獲れず、すでに漁場や漁師さんの生活にも変化が起き始めています。

昔から一本釣りなどの海に優しい漁で、海と一緒に生きてきた小規模の漁師さんたちは、太平洋クロマグロ復活のために、自分たちの生活を犠牲にしてまでも、産卵期に自主的な禁漁をしています。

なのに、N社などの大きな水産会社が、せっかく難を逃れた産卵期の太平洋クロマグロたち狙って、巻き網で一網打尽にしています。

すでにマグロが獲れなくなって、廃業に追い込まれている地域さえも。

これは、もうすでに起きていることなのです。

このままいったら、全国のマグロ漁が盛んな地域の漁業がどんどん廃れていくことに….。

なぜ、ここまで減ってしまったの?

1)水産庁のずさんな管理

太平洋クロマグロは、ここ数年で激減したわけではありません。そもそも、「資源崩壊」と定義づけられる10%をとっくに下回っているのに、産卵期も獲り放題な状態。しかも、30kg未満の幼魚の漁獲量も最盛期と比べて半分、つまり、獲れない近年と比べるとちょっとしか減らしていないんです!ずさんとしか言いようがない管理。残り何パーセントになったら本気になるんでしょうね? 水産庁さん、日本を太平洋クロマグロを絶滅させた国にしますか、それとも、絶滅から救った国にしますか?

2)中国や、韓国のせいにはできません

「マグロの乱獲は中国や韓国の船ですよね?」太平洋クロマグロが絶滅危惧種に、というお話をしていると、よく耳にします。

日本の国の大企業が、生態系を破壊している、乱獲をしている、とは、信じたくないかもしれません。その気持ち、わかります。でも、太平洋クロマグロの産卵場所(日本海と南西諸島沖)は日本の排他的経済水域内にあるので、乱獲しているのは日本の企業。残念ながら、これ、本当の話です。

じゃあ、何が絶滅をとめるための解決策なの?

1)産卵期の禁漁ルールを取り入れる

絶滅危惧種の同じく大西洋クロマグロは、産卵期に禁漁をするなど、厳しい管理をした結果、ようやく個体数が増えてきました。産卵場所がある日本でも同じような取り組みをしない手はないですよね?

2)養殖は解決策ではありません

マグロの養殖技術が知られるようになって、天然が絶滅しても大丈夫、と思う人も増えてきているようです。でも、ぜひ知っておいていただきたいのは、マグロ養殖は、海のに甚大な影響を与えている、ということ…。

まず、養殖といっても、小さなマグロを海から獲って、いけすにいれることからはじまります。そして、マグロの体重を1キロ増やすために、なんとイワシやイカなどの餌になる魚が20キロ以上も必要なんです。最近何かと話題の完全養殖も、最終的に出荷できるまでに育つのは、ほんのわずか…。

天然マグロを絶滅から救うことができれば、海に負担をかけることもなく、私たちはマグロをいただくことができます。そっちのが海にも人にもハッピーですよね?

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