こんにちは。エネルギー担当の柏木です。
今までみなさんにお知らせしたくて、うずうずとしていたご報告です!

自然エネルギー100%を福島から!

福島県三春町で、エスペラント語で「希望」を意味する「えすぺり」という名前のコミュニティショップを営む大河原多津子さん・伸さんの夢が、ついに実現しました。

1月6日・7日、全国のみなさんからの思いのこもった支援で、約10kWのソーラーパネルがえすぺりの屋根に設置され、「えすぺり発電所」は無事に1月9日に発電を開始。今日も順調に、電気を生み出しています。


パソコンの画面から、ソーラー発電量を見て嬉しそうな大河原さん (c) Takashi Hiramatsu / Greenpeace

お日さまエネルギーのある暮らしへ

東京電力の福島第一原発事故直後から、グリーンピースの放射線調査活動にずっと協力してくださった有機農家の大河原さんご夫婦。

ご夫婦が2013年7月にオープンしたコミュニティショップにソーラーパネルを設置する夢を実現しようと、グリーンピースと共同で「ソラライズふくしま」プロジェクトをスタートしたのは昨年10月。

事故のあと、原発のない暮らしのために何かしたいと思っている方は日本全国にたくさんいるはず。その方たちにぜひ福島のコミュニティの願いを伝えたい、そしてみんなで一緒に自然エネルギー100%への道のりを歩みたい、と、インターネットを使って少額寄付をあつめる「クラウドファンディング」を提案しました。


クラウドファンディングの画面

最初はなかなかプロジェクトが広がらず、大河原さんと「やっぱり難しいね」なんて電話のやり取りもしましたが、東京で開催したトークイベントで実際にお話したり、支援してくださった方が口コミで広げてくれたりして、徐々に支援が伸び、開始から1カ月足らずで253人の方から目標金額を超える支援をいただきました!

「福島を1つのモデルに」


記念すべき最初のソーラーパネルの前で、大河原さんと

お日さまエネルギーでの暮らしに向け一歩を踏み出した「えすぺり」。

大河原多津子さんは、屋根に設置されたソーラーパネルを前に「今回の原発事故で影響を受けなかった人はひとりもいませんし、いまだにずっと悲しい思いをしている人、苦しんでいる人はたくさんいらっしゃいます。福島県が自然エネルギー100%をめざすのは当然だと思います。だからこそ、福島県を1つのモデルとしてこんなふうに生きられるんだと、示していきたいです」と話してくれました。


「100%自然エネルギーへ」と書かれたバナーを持つ大河原さん夫婦 (c) Takashi Hiramatsu / Greenpeace

福島から広がる希望の種


「えすぺり」の前で、みんなで「やったー!」 (c) Takashi Hiramatsu / Greenpeace

1月24日には、クラウドファンディングで3000円以上の寄付をした方を招待しての「えすぺり発電所」開設パーティーが開催されました。

パーティーには、大河原さんと長く交流している方だけでなく、クラウドファンディングで初めて「えすぺり」を知った方もいらっしゃり、原発の電気を使いたくないと思っていた、福島県で生まれ育った、など、支援に込めた思いを語ってくださいました。なかには、親子連れで参加してくださった方もいました。


パーティーでは、大河原家お手製の愛情こもったお料理が振る舞われました (c) Takashi Hiramatsu / Greenpeace

えすぺり発電所は、電気だけではなく、人のつながりも、そして次の希望の種も生みだしました。設置したソーラーパネルや人のつながりを生かして、福島にもっと、自然エネルギーを広めていくことが、大河原さんの次の夢です。


大河原さんてづくりの看板。クラウドファンディングに協力してくださった方のお名前入り (c) Takashi Hiramatsu / Greenpeace

パーティーの最後に、大河原伸さんに、ソラライズふくしまプロジェクトが成功した理由を聞いたら「願いを口に出すことかなあ」と返ってきました。
「ソーラーパネルを設置したいなんてことを色んなところで言っていたら、様々なサポートを得ることができた」と。

2016年は、福島原発事故から5年。そしてチェルノブイリ原発事故から30年。
そして、4月からは一般家庭でも電力会社が選べる「電力自由化」が始まります。

自然エネルギーはすでに身近なエネルギーになり、わたしたちは、電気を「選べる」時代に生きています。

大手の電力会社も政府も、大規模発電の原発や石炭火力発電を進めようとしていますが、これからのエネルギーがどうなるのかは、私たちがどのような希望・願いを持つのかにかかっています。

電力自由化まで一カ月。
iSwitch(アイ・スイッチ)”オンラインキャンペーンに参加して、「わたしはスイッチします」と願いを口に出してみませんか?たくさんの人が表明すれば、その声は波となり、クリーンな電気を売る電力会社の背中を一歩前に後押しします。参加方法は簡単、下記の画像をクリックして20秒でできます。

あなたのご参加、お待ちしています^^

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「ソーラーパネルを設置してみたい!」という方に、 パネルが設置されるまでのプロセスを簡単にお知らせします

1)設置する大きさ(kW)を決める
基本的には、10kW未満の場合、ソーラーパネルで発電した分はその建物で利用、余った分を電力会社に売ることになります(余剰売電)。10kW以上の場合は、発電した電気は全て、電力会社に売ることになります(全量売電)。 「ソラライズふくしまプロジェクト」では、「発電した電気をえすぺりで使いたい」という目的があったので、設置する容量(kW)は10kW以下と決まっていました。現在、えすぺりには9.76kWの容量(パネル40枚)が設置されています。

2)設置会社を決めて、契約する
ソーラーパネルの設置会社は、たくさんあります。 ぜひ、設置後のメンテナンスまで考えて選んでみてください。えすぺりでは、複数の設置会社さんに見積もりをもらって実際にお会いした上で、地域の設置会社さんかどうか、自然エネルギーを増やしたいという想いを共有できるか、など複数の点を考慮して、決めていました。 設置会社が決まったら、いよいよ大枠のスケジュールが確定します。

3)固定価格買取制度(FIT)の申請をする
FIT申請はソーラーパネルの設置会社が実施しました。固定価格は申請のタイミングによって変わります。資源エネルギー庁のホームページでチェック。 申請の認可がおりるまでは約1カ月程度かかるようです。

4)設置工事
えすぺりがソーラーパネルの設置会社に設置を依頼してから約2カ月後、設置工事が行われました。40枚のパネル設置、電気工事にかかったのは2日間。設置した後に、東北電力による配線の確認などを経て、設置した2日後に、実際の発電がスタートしています。(電気が通るまでの期間は、プロジェクト毎に異なりますので、設置会社さんにお問い合わせください)

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グリーンピースの活動は、おひとりおひとりの個人の寄付で行っております。自然エネルギーをつかう毎日を実現するために、ぜひご寄付でのご支援も、よろしくお願いします。

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