こんにちは。食と農業担当の石原です。
知っていましたか?少しずつだけど、日本でもオーガニックの波が広がっていること。その立役者は、環境や健康への安全安心を願う農家さんたちです。

安全安心な野菜やお米を届けるために、農薬から土や生きものをまもるために、農家が立ち上がっています。

有機農家の数は全国で1万2,000戸*1。

さらに2人に1人の農家が、販路など条件が整ったらオーガニックにしたい!と望んでいます*2。
有機農業が増えたら農家や消費者にとってどんなメリットがあるのでしょうか。

オーガニックにしたい5つの理由

理由1:残留農薬を体にとり込まなくていい

普段の食事や生活でも、野菜に残った農薬や、洗っても落ちない農薬が体に取り込まれています。

グリーンピースが昨年実施した調査では、普段の食事を通して日本の家族の尿から残留農薬が見つかりました。しかし、10日間オーガニックの食事に切り替た後ではその数値は劇的に減りました。

食事をオーガニックにすることで残留農薬を体に取り込むことを避けることができます。

理由2:胎児や子どもは農薬の悪影響に敏感

子どもは、脳などの器官が発達中にあり有害物質の影響により敏感です。

体が小さいため、体重あたりの農薬摂取量が高いにも関わらず、国が決める農薬摂取量は、子どもが基準になっていません

一方で、農薬は、流産や早産、発達障害、がん、パーキンソン病などとの関連性も指摘されています*4。

子どもを農薬から守るために、食事をオーガニックにすることは有効です。

理由3:農薬による中毒やアレルギーから開放される

農薬の一番の被害を受けているのは、農薬を使っている農家さん自身。
農家さんも、できれば農薬は使いたくありません。

農薬散布によって、農家や住民が吐き気や意識喪失などを引き起こす農薬中毒になったり、重度の花粉症などのアレルギーを発症したりしています。
2015年4月には、農薬散布により、通学路で子どもが農薬を浴び、眼と喉に痛みが生じる被害がありました*5。

化学農薬や化学肥料を使わない有機農業はこういった被害を軽減することができます。

理由4:豊かな自然をまもり、水や土を汚さない

すでに明らかな被害を受けているミツバチを始め、農薬が虫や小鳥にも影響して生態系を壊しています。
ミツバチがいなければ受粉ができなくなり、農薬を使い続けることが、将来の農業も危うくしています。

これからもずっと農業を続けていくためには、農薬への依存から脱却することが必要です。

理由5 日本の有機農業は0.2%、イタリアは11.7%

イタリアなどのオーガニック先進国は、有機農業の面積が10%を超えています*6。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、選手村で世界の一流選手に食を提供することになります。そして、海外から多くの旅行者も迎えます。
すべての人が気軽にオーガニックを購入できる・食べられる環境が求められています。

農家と消費者で力を合わせて、スーパーに声を伝えよう

たくさんの農家さんがオーガニックにしたいと思っているなか、日本の有機農業はどうしたらもっと広がるのでしょうか。

鍵となるのは、スーパーや生協などの小売店が、積極的に国産オーガニックの商品をとりいれること。

農家さんは、食べる人の健康や自然を農薬から守るためにオーガニックにしたくても、作った野菜を買ってくれる販路がなければ、オーガニックに転換することは難しいんです。
そして、スーパーがオーガニックを取り入れるためには、消費者の声が必要です。
昨年1万2千人が参加した「GOオーガニック署名」では、消費者の声を受けて、大手スーパー3社がオーガニックの取り扱いを増やすと回答しました。

子どもたちの食の安全ために、農家・消費者・売り手が一緒になって、日本の食を守りましょう!

署名して、スーパーに、国産オーガニックの野菜やお米の常設コーナーをつくるように伝えてください。

「国産オーガニックの野菜やお米を全店舗に」署名する >


*1 農林水産省「有機農業の推進について」2015年2月発表
*2    農林水産省「有機農業をはじめとする環境保全型農業に関する意識・意向調査結果」
*3    グリーンピース「農薬と健康」2015年6月発表 (P16)
*4    農林水産省 「中毒発生時の状況や防止策などの詳細情報」
*5 FIBL&IFOAM “The world of organic agriculture – statics and emerging trends 2017”


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