炭鉱での抗議のためにスロバキアで拘束された活動家のための、スロバキア大使館の外での連帯の表明。 © Greenpeace

スロバキア・ブラチスラバ、12月4日(現地時間) 国際環境NGOグリーンピースは、スロバキアの石炭産業に平和的に抗議した後、146時間以上勾留されていた12人の活動家を、「勾留の根拠なし」として、解放するというスロバキア検事総長の決定を歓迎します。これにより活動家たちは帰宅することができますが、いまだ刑事責任に問われています。

グリーンピース・中欧/ 東欧の政治顧問Julia Sokolovicovaは、「12人の活動家の解放を喜んでいます。しかし、石炭産業に対する非暴力的な抗議のために、彼らが刑事責任に問われるのは不合理なことです。本当に責任があるのは、私たちの将来のために立ち上がった12人の若者たちではなく、危険な気候変動の主な原因である石炭からの移行を妨げる人々です。活動家の解放のために抗議した何百人もの市民と同様に、私たちは彼らに感謝し、ともに立ち続けます。私たちは皆、言論の自由と地球を守ることはつながっていることを知っています」と述べました。

また、Sokolovicovaは、「スロバキア政府は、自国と世界の人々が求めていることに耳を傾け、未来を見据えて石炭を段階的に廃止するという強いメッセージを、現在行われている国連気候変動会議の場で世界のリーダーに伝えることで、中欧のリーダーになる可能性を秘めています」と訴えました。

スロバキア、チェコ、フィンランド、ドイツ、ベルギー出身の12人の活動家が、スロバキアの褐炭鉱業会社の採掘塔に、石炭時代の終わりを求めるバナーを掲げました。抗議活動は、現状のまま気候変動が進んだ場合の影響を予測した国連の特別報告書の発表に続き、また、スロバキア政府と褐炭採掘とが締結したひどい取り決めに反応するものでした(注1)。活動家たちは解放されましたが、石炭採掘現場での「一般的に有益な施設・企業の業務を意図的に危険にさらした」として訴えられています。

気候について科学が示すことは明らかです。壊滅的な気候変動を防ぐために、私たちに残された時間は12年です。ポーランドで行われている国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で、世界のリーダーは厳しい現実に向き合う必要があります。複数の国々はすでに、有害な化石燃料に対して平和的に抗議している世界の人々とともに、より速い行動と責任を呼びかけています。しかし、いくつかの国では、市民が政府により進んだ約束を求めると、勾留と投獄のリスクにさらされます。これらの政府は依然として石炭産業の利益に屈しており、人々と地球の健康を守るために立ち上がった平和的な活動家を犯罪者扱いし、その重要な声をかき消そうとしています。

活動家の解放を求める市民の写真とビデオはこちら

注1)スロバキアの「褐炭の段階的廃止」計画、あるいはスロバキア政府と褐炭鉱業会社HBP間にできた政府提案LP/2018/872は、こちらから確認できます(スロバキア語)。

注2)活動家勾留に関するグリーンピース・インターナショナルのプレスリリースはこちら