国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、本日26日、日本政府が正式に国際捕鯨委員会(IWC)の脱退を表明し、日本の領海および日本の排他的経済水域(EEZ)内で商業捕鯨の再開を発表したことについて、下記の声明を発表しました。

グリーンピース・ジャパン事務局長 サム・アネスリー

「日本政府が年末のこの時期に発表を行うことで、国際メディアからの注目を逃れようとしているのは明らかですが、世界はその行動を見ています。今回の決定は、国際社会との歩調を乱し、世界の海と海洋生物が必要としている保護を与えるものではありません。グリーンピースは日本政府に対し、商業捕鯨の再開ではなく、海洋生態系の保全のための取り組みを早急に進めることを求めます。

近代的な捕鯨船技術により、日本近海や公海での乱獲が始まり、多くのクジラ類の減少につながりました。シロナガスクジラ、ナガスクジラ、イワシクジラといった大型のクジラを含め、多くのクジラ類の個体数は、現在も回復していません。

世界の海洋は、過剰漁業に加え、酸性化やプラスチック汚染などのさまざまな脅威にさらされています。四方を海で囲まれ、海洋資源に多くを頼ってきた日本の人々の暮らしにとって、海の健康を保つための働きかけを行うことは、必要不可欠です。しかし、日本はこれまで、これらの問題を解決するための努力を怠ってきました。

日本政府は、2019年G20サミットの議長国として、国際的信頼度の回復のためにも今回の脱退を撤回し、海洋保全に向けた新たな取り組みを優先すべきです。」