Masaya Noda/Greenpeace

Market Forces
国際環境NGO350.org
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)
認定NPO法人 気候ネットワーク
国際環境NGO FoE Japan
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
Oil Change International

本日16日、国内外の環境NGO8団体は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が環境・社会ポリシーフレームワークの改定版を15日に発表し、そのなかで石炭火力発電への融資方針を強化したことを歓迎しました。

 

これは、数日前にシンガポールの3大銀行が石炭火力発電への新規融資停止を表明したことに続く動きです。世界の主要な石炭火力発電への資金提供者であるMUFGの方針転換は、金融界のエネルギー問題への取り組みにおいて大きな変化を示唆するものです。

 

今年RAN他が発表した『化石燃料ファイナンス成績表』によると、MUFGはパリ協定締結後の2016年から2018年までの3年間に35億米ドルの資金を石炭火力発電関連の主要企業に提供し、日本のメガバンクの中で最大の資金提供者でした。みずほフィナンシャルグループ(みずほ)、三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)も同様に多額の資金を提供しています。

 

レインフォレスト・アクション・ネットワークの責任ある金融シニア・キャンペーナー、ハナ・ハイネケンは、「何年にもわたる批判を経て、三菱UFJが石炭火力発電への資金提供を段階的に停止し、環境破壊を伴う山頂除去採掘方式で行う炭鉱採掘事業には融資を終了すると明確に約束したことを歓迎します。しかし、明らかな例外事項が示されている点は懸念されます」と指摘しました。

 

MUFGの方針の詳細を見ると、重大な抜け穴が存在していることが懸念されます。MUFGは、受入国の状況、OECD公的輸出信用アレンジメント(OECDセクター了解)などの国際基準、および他の実行可能な技術の使用に応じて、新設の石炭火力発電所へのファイナンスを継続する可能性があると述べています。

 

環境金融アドボカシー団体であるMarket Forcesのリサーチ・ポリシーアナリスト、Bernadette Maheandiranは、「MUFGの以前の方針は、OECDセクター了解を参考にするとしていました。それにもかかわらず、大気汚染がひどく、OECDセクター了解では認められていない旧態依然とした超臨界圧石炭火力発電事業であるベトナムのバンフォン1への融資に合意してしまいました」と批判しました。

 

今年初頭、MUFGはバンフォン1を含む5つの石炭火力発電事業(合計5.2GWの石炭火力)への融資を検討していると報じられました。MUFGの今回の方針では、「改定前よりファイナンスの検討を継続している案件」に対しては「慎重に検討」するとしています。

 

Maheandiranは「新規の石炭火力発電事業への融資をやめることは、良い取り組みのように聞こえますが、真のリーダーシップを発揮するためには、融資契約に達していないすべての石炭火力発電事業が除外されることが必要です」と続けました。

 

グリーンピース・ジャパンのエネルギー担当、ハンナ・ハッコは、「私たちはMUFGが原則として新しい石炭火力発電事業への融資をやめることを約束したことを歓迎します。しかし、これはMUFGの投融資方針改定の終わりではなく出発点として捉えられるべきです。パリ協定の目標を達成し、国際的な水準に追いつくために、MUFGは石炭火力発電事業へのプロジェクト・ファイナンスをやめるだけでなく、石炭火力を活用する電力会社など、石炭関連事業から収益を得る企業からの投融資撤退に踏み込む必要があります」と語りました。

 

日本、ベトナム、インドネシア、その他の国際NGO、および国際的な連合体であるNo Coal Japanは、5月14日のフィナンシャル・タイムズに、日本のメガバンクによる石炭火力発電への資金提供停止を呼びかける記事広告を発表しました。

 

気候ネットワークの国際ディレクター、平田仁子は「私たちは、他のメガバンクが方針をどのように変更するか注目しています。SMBCグループとみずほも石炭火力発電への融資を継続しています。すべてのメガバンクが、衰退しつつある石炭火力発電業界への経済支援に終止符を打つべきです」と述べました。

 

(参考)MUFG 「サステナブルファイナンス目標」の設定と 「MUFG 環境・社会ポリシーフレームワーク」の改定について