企業が使い捨てプラスチックからの移行を迫られる中、米大手飲料メーカーのコカ・コーラとペプシコが、プラスチック使用禁止の動きに強く反対している米プラスチック工業団体(Plastics Industry Association)の会員から外れる方向であることを、国際環境NGOグリーンピースUSAに通知しました。今年初め、グリーンピースは、プラスチック産業や米国立法交流評議会(ALEC)などの団体が「脱使い捨てプラスチックの禁止」を主張した条例案を推し進め、米国全体のプラスチック汚染対策の弱体化に加担したことを報告していました(注)。

 

グリーンピースUSAの海洋キャンペーン部長、ジョン・ホセバーは、次のように述べています。「企業は、使い捨てプラスチックへの依存を継続するためにロビーイングを行う団体に財政援助を続けている一方で、プラスチック汚染を改善したいと公言することは矛盾していると自ら認識しています。今回の件は、コカ・コーラとペプシコに有言実行となるように資金を使い、プラスチック工業団体にプラスチック削減への取り組み阻止を止めるよう働きかけてきた皆さんの勝利です」

 

グリーンピースは、ウォルデン・アセット・マネジメント、シエラクラブやザ・ラスト・ビーチ・クリーンアップなどの投資家や団体とともに、コカ・コーラやペプシコなどの企業に、プラスチック工業団体のプラスチック禁止に対する秘密裏のロビー活動を拒否するよう強く求めてきました。 プラスチック工業団体は、米国立法交流評議会(ALEC)などと協力して、州議会議員にプラスチック禁止を妨げるよう働きかけています。 これまでのところ、合計8800万の人口を有する15の州が脱使い捨てプラスチックの動きを阻害する条例案に賛成してしまっています。

 

ザ・ラスト・ビーチ・クリーンアップの創設者であるジャン・デル氏は、次のように語りました。「地域社会は、企業に邪魔されることなくそれぞれの環境を保護し、維持する権利があります。プラスチック汚染を減らすことに関心があると主張している企業は、今こそ立ち止まって、プラスチック製の袋や容器の使用禁止に関する地元の条例を阻止するプラスチック工業団体のロビー活動に抗議すべきです」

 

ホセバーは、「ここ数年の間に、米国立法交流評議会(ALEC)を見限る企業を複数目にしてきました。企業側が自らの価値観を守るために立ち上がるとき、これらの団体は地元のロビー活動に対する影響力を大きく失うことになります。使い捨てプラスチックへの逆風が激しくなっていることを地方政府や企業は認識しているため、プラスチック工業団体は必死です」 と付け加えました。

グリーンピースは、使い捨てプラスチックを削減し、最終的には廃止するよう企業に求めています。 コカ・コーラとペプシコは、プラスチックによる環境負荷低減の方針を示しましたが、両社ともまだ包括的な削減戦略を出していません。

 

(注)Chemical and plastics industry and ALEC conspiring to block communities from acting on plastic pollution crisis

※本リリースは、7月23日(現地時間)発表「Industry giants Coca-Cola and PepsiCo ditching pro-plastics lobbying association」の日本語版です。