© Christian Åslund/Greenpeace

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、1月31日、東京電力福島第一原発の放射能汚染水(処理水)の処理をめぐり、経済産業省の「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(ALPS小委員会)」が同日、100万トン以上の処理水の海洋放出または水蒸気放出の2案に絞り込み、政府への提案についての議論を終えたことに対し、「大量の放射能を環境中に拡散させることになり、人も環境も守れない」として以下の声明を発表しました。

グリーンピース・ジャパン エネルギー問題担当、鈴木かずえ

「2018年に開かれた公聴会では海洋放出への反対が大多数を占め、『陸上保管案』について小委員会で検討することになりました。小委員会では、委員たちがタンクの増設のスペース確保や敷地外での保管が可能であると確認したにもかかわらず、今回の取りまとめでは『陸上保管案』が排除されてしまいました。タンク内にはトリチウムだけでなく、ストロンチウムなど危険な放射性物質が基準以上に含まれています。放出時には薄めて基準値以下にするといいますが、放出される総量は変わりません大量の放射能を環境中に拡散させることになり、この取りまとめでは、人も環境も守れません

とはいえ、これで環境放出が決定したわけではありません。今後、提言を受けた政府は、地元の意見を聞いて対応を決定することになりますが、福島県漁業協同組合連合会を含め、福島県の多くの人々は環境中への排出、とくに海洋放出に反対しています(注)。環境への負荷が最も低い陸上保管について、選択肢や技術について議論をすべきです」

グリーンピースは2019年12月24日、汚染水処理対策委員会宛に、汚染水を意図的に放出せず、並行してトリチウム分離技術の開発・適用を求める署名4万1521筆を提出しました。

(注)グリーンピース・ジャパン「東電福島第一原発の汚染水に関する意識調査結果」2019.10
https://www.greenpeace.org/static/planet4-japan-stateless/2019/12/9cc574ff-pollresults_contaminatedwater_jpn.pdf

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