国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は本日、モーリシャス沖で8月に起きた油流出事故をめぐり、傭船者の商船三井(東京都港区)と船主の長鋪汽船(岡山県笠岡市)に対し、被害に対する企業責任を果たすこと等を求める署名10,646筆と、3回目となる公開状(商船三井宛て)を提出しました(注1)。

署名は8月25日から9月23日までの約1カ月間、グリーンピースのウェブサイト上でオンラインで実施。国内外から10,646筆の署名が集まりました。

グリーンピースは、国連の世界海事機関(IMO)が制定した世界海事デーの本日24日、「二度と事故を繰り返さないために、化石燃料から早急に撤退することを求める署名」を商船三井と長鋪汽船に送付し、真摯な対応を求めました。今年の世界海事デーのテーマは「持続可能な地球のための持続可能な海運」です(注2)。海運業界が脱炭素化に向けて舵を切り、油流出事故の発生に終止符を打つとともに気候危機に適切に対処するよう、両社に要請しました。

グリーンピースは事故後、両社に対し、8月14、27日の2度にわたって公開状を送付し、(1)汚染者負担原則の完全履行と将来にわたる損害賠償(2)事故の原因と影響に関する第三者調査を完全公開で実施し、その費用を負担する(3)事故を起こした航路の使用中止の約束、(4)化石燃料に依存する事業からの撤退ーの4点を求めています。

グリーンピース・ジャパン 気候変動・エネルギー担当、関根彩子
「多くの市民の声が届き、商船三井は、汚染され傷ついたマングローブやサンゴの育成・保護の計画や、現地に事務所を設置し、地域と向き合って実施する長期計画を発表しました。これは世界的にも注目すべき対応といえます。一方、これが真に価値あるものとなるには、今回を最後の事故とすること、つまり事故が二度と起きないようビジネスモデルをシフトさせる長期的な計画が必要です。今回のような燃料重油の流出を起こさないよう、最も環境に配慮した動力へのシフトを急ぐと同時に、石油の輸送を含む化石燃料関連事業から撤退することなどが求められます。これは世界で近い将来に起こるべき変化であり、商船三井のリードに期待します」

(注1)公開状(商船三井宛て)(注2)世界海事デー