こんにちは。海洋生態系担当の岡田です。

悲惨なことが、南極で起こっています。今年、南極海に住むアデリーペンギン40,000羽のコロニーでは、2羽のヒナしか育っていません。その悲惨な繁殖状況はこちらのブログで詳しくお伝えしています。

【写真】南極アデリーペンギンのヒナたち

ペンギンやクジラ、その他多くの野生動物が暮らす南極で、これ以上気候変動や開発が進めば、動物たちの楽園はもう、取り返しのつかないことになってしまいます。

日本政府も参加する、南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)が先月開かれ、南極東部の海洋保護について話し合われましたが、各国の総意がえられませんでした[1]。

そこでグリーンピースは、来年開催されるCCAMLRに向けて、南極に地球上でいちばん大きい海洋保護区をつくるグローバルキャンペーンを始めます!

【写真】南極横断山脈

グリーンピースは各関係政府に来年は「より大きなビジョンと野望」を持ち、地球上でいちばん大きい海洋保護区を作るよう呼びかけていきます。この海洋保護区は、アルゼンチン南部のウェッデル海に位置するエリアに計画されており、大きさは約180万平方キロメートル、なんとドイツの約5倍になります[2]。

海は広くて大きいが・・・

【写真】アデリーペンギン
かつて海は広すぎて、人間の活動が海の環境に深刻で継続的な影響を与えることはない、と信じられていたのは、そう遠い昔のことではありません。でも近年、過剰漁業、石油やミネラルを海底から掘り出すといった直接的な人間の活動や、汚染や気候変動のような人間活動に起因する現象が、海とそこに生きる動物に深刻な被害をもたらしていることを証明する研究結果が続々と発表されています[3]。

南極はたくさんの動物のおうち


【写真】コウテイペンギン
南極は、多くの野生生物の住処です。地球に今まで生存した動物の中で最大の生物で絶滅危惧IA類であるシロナガスクジラから[3]、準絶滅危惧種のコウテイペンギン、繁殖に苦しむアデリーペンギンや、バスケットボールほどの大きさの目を持つ深海生物ダイオウホウズキイカ[4]など、多くの野生生物が南極に生息しています。そして、これらの生物の多くは既に気候変動や海にただようプラスチックなどの汚染から深刻な圧力を受けています。

【写真】カニクイアザラシ

オキアミ漁が及ぼす影響

こういった深刻な圧力の中、さらに漁船が掃除機のごとくオキアミを吸い上げ漁獲しているのです。オキアミは、エビに似た小さな甲殻類で、南極にいる多くの動物が主要な餌として食べています。日本はオキアミ漁から2011年に撤退していますが、このオキアミは、クリルオイル・サプリメントや養殖魚の餌の一部として使用され、日本でも販売されています。その製造規模は大きく、世界で第4位です[5]。水産業界が南極海でオキアミ操業域を拡大し、ペンギンやクジラからその餌を取り上げることは、さらに動物たちの生存を脅かす事につながります。

【写真】ザトウクジラ
またオックスフォード大学のロジャー教授によると、南極の生態系は炭素を貯めることができ、温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を抑制する重要な役割を果たしていることが分かってきています[6]。

地球でいちばん大きいサンクチュアリー


来年2018年10月に「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)」の年次会合が開かれます。そこでこの地球最大の海洋保護区設立計画案について、加盟国間で話し合われる事になるでしょう。日本もこの委員会の加盟国です。日本でも出来る限り、このグローバルキャンペーンを盛り上げていきましょう。そのためにも、どうぞこのブログをお友達や家族とシェアしてください。UKでは署名活動も行なっています。みんなの力で地球一おおきい海洋保護区をつくりましょう!

【参考文献】

[1]南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR) https://www.ccamlr.org/en/news/2017/36th-annual-meetings-ccamlr-conclude
[2]Greenpeace UK https://secure.greenpeace.org.uk/page/s/antarctic?source=wb&subsource=20171031ocwb01
[3]Greenpeace UK blog: We have one year to create the largest ever protected area on Earth https://www.greenpeace.org.uk/antarctic-one-year-create-largest-ever-protected-area-earth/
[4]ナショナルジオグラフィック日本語版:巨大イカ、目玉は極度の遠視http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/5790/
[5]Global Krill Oil Market 2017-2021 https://www.researchandmarkets.com/research/gtrxhx/global_krill_oil
[6]Greenpeace UK:Greenpeace launches to create ‘largest protected on Earth’-as Antarctic Nations fall short on marine protection https://www.greenpeace.org.uk/press-releases/greenpeace-launches-campaign-create-largest-protected-area-earth-antarctic-nations-fall-short-marine-protection/

こちらもおすすめ

神戸製鋼原発部品 「とめて、調べて」署名提出しました。
データ不正スキャンダルの神戸製鋼 原発の部品は本当に大丈夫?
「消費者と一緒なら、水田でのネオニコ系農薬はやめられます」
東京電力は、原発稼働の資格なし! パブコメで言っておこう
大学生からみたSDGsをめざす日本の立ち位置
40,000羽のペンギンから生き残ったヒナは、たったの2羽。南極で何が起きている?
福島のお母さんが国連に訴えた 原発事故被害者への人権侵害

海をまもりたい!

facebookグループ「OCEAN HOLIC」は、海にいなくても、24時間海を感じていたい!考えてたい!そんなOCEAN HOLICな人々のための交流と発信の場所として国際環境NGOグリーンピース・ジャパンがつくったグループです。

グリーンピースは、政府や企業からお金をもらっていません。独立した立場だからこそできる活動で、私たちの知らないところで進む環境破壊や生態系への影響を明らかにしています。寄付という形でも一緒にグリーンピースを応援していただけませんか?

寄付する

ライターについて

グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界中の300万人以上の人々からの寄付に支えられ、企業や政府、一般の人々により良い代替策を求める活動を行っています。ぜひ私たちと一緒に、行動してください。

グリーンピース・ジャパン

Comments

あなたの返答を残す

Discussion

Close