2020年は、気候変動に関連する異常気象や山火事、豪雨や熱波など、私たち人間のあり方を見直さなければ!と考えさせられる1年でしたね。今年、地球に起きたことを振り返ってみましょう。そして、来年以降、なにができるか考えませんか?

終わることのない大規模森林火災

熱波と干ばつが引き起こしたかつてない規模の火災

燃える北極圏 シベリア森林火災の様子

2019年9月に発生して以来、オーストラリアでは前例のない規模の山火事で1,100万ヘクタール近くが焼け、少なくとも29人、10億匹以上の動物が命を落としました。この規模の火災は3℃気温上昇した世界では当たり前になると言われています。

また、北極圏も燃え続けました。2020年6月20日、地球上で最も寒いと言われる街ベルホヤンスクで摂氏38度を観測北極圏の過去最高気温となりました。シベリアでも、森林火災が起こり、2020年の初めから7月までで、観測された森林火災で焼失した面積は1900万ヘクタールに及んでいます。これは北海道の2.3倍に相当する面積です。

カリフォルニアの森林火災 街がオレンジ色に染まりました

2020年、カリフォルニア過去最悪の規模となる山火事を経験しました。年初から10月までの時点で、焼失面積は160万ヘクタールに拡大、数千戸の住宅が破壊され、31人が死亡しました。電力供給は停止し、6万人以上に避難命令が出され、空を真っ赤に染めた森林火災は、気候変動の恐ろしさを証明するものとなりました。

カリフォルニアとは対照的に、人為的な火災も2020年は最悪な一年となってしまいました。アマゾン熱帯雨林は、2008年以来最悪の焼失面積を記録した1年となり、1日に東京ドーム650個分合計6億2,000万本の木が焼失アマゾン熱帯雨林は地球の気候を安定させる役割がありますが、全体の35%燃えてしまうと、そこから燃え広がることを止めるのは難しくなり、乾燥した草地になるという研究もあります。2019年時点で全体の20%近くが既に消失しています。

世界中で続いた豪雨や洪水

気温上昇により起きた、数々の豪雨と洪水

気温が1℃上昇するごとに、海からの水蒸気が増え、大気中の水分量が7%増えるという研究もあります。気温の上昇を止められなければ、さら豪雨や洪水は悪化します。

インドネシアの首都・ジャカルタは、世界で最も急速に地盤沈下進む都市の一つで、気候危機の脅威にさらされています。2020年1月1日、一晩で400ミリ近い豪雨が降り、ジャカルタと首都圏全域で鉄砲水が発生、主要河川が氾濫。この豪雨によって、少なくとも66人が死亡。約4万人が避難を余儀なくされました。

中国・長江流域では、過去60年近くで最大の雨量が観測され、死者・行方不明者は141人に上り、複数の省で数百万人が避難を余儀なくされました。バングラデシュでは、過去10年間で最大級の激しい雨により、なんと国土の3分の1が浸水過去最悪の洪水となりました。

そして、日本の熊本県でも、2020年7月豪雨の影響で、洪水や土砂崩れが発生し、広い範囲で甚大な被害をもたらしました。数十人と犠牲になり、100万人以上に避難勧告が出されました。

ニュージランドでは過去57年間で最悪の雨が、イギリスでは最も降水量の多い日を記録するなど、世界的に大雨に見舞われる一年となりました。

2020年は記録上2番目に暖かい年に

グリーンランドの氷は融解、各地で猛暑が記録

2020年8月、デンマーク領グリーンランドを覆う氷床の融解量が、2019年は観測史上最多となる5320億トンを記録していたとする研究報告が、学術誌「コミュニケーションズ・アース・アンド・エンバイロメントに発表されました。2020年も過去最速で融解は続きました全て解ければ地球の海面を約7.4メートル上昇させるだけの氷があります。

今年の夏、アメリカ西部では記録的な猛暑隣、ロサンゼルスでは49.4℃を記録米カリフォルニア州の国立公園デスバレーで8月16日、気温54.4度を記録しました。コロラド州デンバーもその例外ではなく熱波に襲われました。しかし33.3℃を記録していた翌日9月8日には、24時間で「33℃から1℃に」32℃気温が下がり、雪が降るという異常気象を観測しました。

日本でも30℃〜35℃以上の猛暑日が続き、観測史上最多の11日が猛暑日となり、静岡県浜松市では国内最高気温41.1℃が記録されました。

バッタの異常発生

2020年、エチオピアでは過去25年で最悪、ケニアでは過去70年で最悪のサバクトビバッタの大発生となりました。国連食糧農業機関(FAO)によると、西アフリカのモーリタニアからインドの約30カ国で被害が生まれ、2020年に東アフリカで2500万人が、イエメンでは1700万人が飢餓に陥ると警告しました。実際にパキスタンでは小麦や綿花などが食い荒らされ、約5500億円の被害が推計されています。地球温暖化で乾燥が進み、温度が上がることによってバッタの生息地は広がり、食糧危機が起きる可能性が高まります。

あなたに今できることを一歩ずつ

野菜中心の食事を増やしたり使い捨てプラスチックを減らしたりといった日々の暮らしでアクションを続けたみなさん、グリーンピースと共に声を挙げてくださったみなさんの力で、少しずつ世界は動き出しています。

今年も、グリーンピースと共に、地球環境を守り、動物と人すべての命にとって心地よい地球をつくるために活動してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

でも今のままでは間に合わないというのが現状です。

気候変動を止めるには残された時間は少なく、もうすでに着々と悪化している問題だということを2020年は強く感じたのではないでしょうか?新型コロナ感染症の拡大もあり、経済や社会システムあり方、そして私たちの暮らしのあり方に疑問を持った方も多いのではないかと思います。

2021年は、変化の年にしましょう!2021年もどうぞよろしくお願いします。

今年みなさんとグリーンピースが一緒実現したこと