グリーンピースは世界55の国と地域で活動しており、2020年も世界中にあるオフィスと連携して、地球規模で起きている環境問題の解決に取り組んできました。気候変動による災害は日本だけでなく、世界中で発生しています。2019年にオーストラリアで起きたような大規模な森林火災は、ロシアや北米でも起きています。

また、2020年6月20日、地球上で最も寒いと言われる街ベルホヤンスクで摂氏38度を観測。北極圏の過去最高気温となりました。大量のCO2を排出する石炭火力発電や、プラスチック・紙などの使い捨てに依存し続けていることは、気候変動を加速し、動物たちのすみかと命を奪い、私たちの暮らしを脅かしています。グリーンピースはこれからも、気候変動を抑えるために、世界中の人々と連携して活動を続けます。

気候危機をくいとめるために森をまもる

2019年から続くオーストラリアの山火事は、2020年に入っても止まる事を知らずにオーストラリア全土に広がりました。オーストラリアで山火事は珍しいことではありません。 しかし、 オーストラリア国立大学気候変動研究所の専門家は「気候変動が山火事をさらに深刻に、さらに頻繁にしているという証拠だ」と話しています。
グリーンピースは国際署名を開始し、オーストラリア政府に対して、山火事を気候変動の緊急事態だと認め、気候変動の最大の原因の一つである石炭の利用をやめることを求め、日本を含めカナダ、ニュージーランド、ロシア、ポーランド、チェコ、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、ベルギー、イスラエルなど世界各国の大使館に提出しました。これまで気候変動対策に消極的だったオーストラリアの政治家数人が、気候変動対策をより優先すべきだという姿勢を見せ始めました。

海の生態系を守り、回復させるために

CO2や熱を吸収し、気候を安定化させている海ですが、その生態系は、過剰漁業や資源採掘、プラスチックごみなどにより破壊が進んでいます。猛威を増す気候危機の下で、海の生態系の保護・回復は不可欠です。
2030年までに世界の海の30%を保護する(30×30)ための世界海洋条約の採択に向けて、グリーンピースは、国際署名や科学レポート発表、国際交渉でのロビー活動の他、科学者や若者たちと共に北極から南極まで船での調査とキャンペーンのツアーを実施、世界の希少な生態系や、経済活動や気候変動が海に与える脅威などを発信してきました。
署名は世界で350万筆を超え、2020年3月には日本でも国内分を環境省に提出しました。日本にとって「30×30」は高いハードルですが、海の生態系を守るためにも日本政府が参加することはとても重要なことです。

グリーンピースの船が北極海で海氷面積などを観測

グリーンピースは定期的に極地に船を派遣し、世界中の科学者たちと一緒に海氷の状態を詳しく調べる調査活動をしています。2020年も夏に北極圏での調査を行いました。北極を覆っている海氷は面積も厚さも、過去数十年にわたって一貫して縮小していることがわかりすでにその3分の2が失われたことがわかっています。
原因は地球温暖化です。北極を訪れたグリーンピースの船「アークティックサンライズ号」には、18歳の鳥類学者で環境活動家のマイア・ローズ・クレイグも乗船し、北緯82度の流氷の上で最北端の「気候ストライキ」を行いました。グリーンピースは、環境破壊をくいとめ、2021年に世界海洋条約を確実に採択させるという目標を掲げ活動を続けていきます。

ウミガメ一家が訴えかける海の危機

国際的な海洋条約によって世界の海を守るグローバルキャンペーンの一環で、「ウォレスとグルミット」や「ひつじのショーン」を手掛けてきた英国の「アードマン・アニメーションズ」とグリーンピースが短編アニメーションを共同制作しました。
「HOME 〜あるウミガメ一家の物語」は、家に帰ろうとする愛らしいウミガメ一家の物語を通して、気候危機、プラスチック汚染、石油掘削や乱獲など、海が直面する危機を伝えています。
英語で制作されたオリジナルアニメーションの日本語吹き替え版には、森星さん、NOMAさん、四角大輔さん、小橋賢児さん、MINMIさんの5人が声優として協力してくれました。
5人の著名人による協力、そして渋谷の街頭広告などを行った結果、86万回を超える再生回数となっています。

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