半世紀前に活動を始めたグリーンピース。今では世界55以上の国と地域に拠点をおき、グローバルなネットワークを活かし、地球規模で起きている環境問題の解決に取り組んでいます。

気候変動が進むと、異常気象が以前よりもさらに頻繁に起こるようになると警告される中、2021年も世界中で異常気象が多発しました。7月は世界平均気温が142年間の観測史上で最も暑い7月となり*、アメリカやカナダ、ロシアや北極圏まで記録的な熱波が発生しました。カリフォルニア、地中海、シベリアなどで深刻な森林火災が発生し、ドイツでも大規模な洪水が起こりました。オーストラリア、インド、中国でも洪水が発生、日本でも7月には豪雨によって静岡県・熱海市で土石流が発生し、8月には記録的な大雨で多くの方々が被害に遭われました*

気候危機がまさに世界規模で拡大しているのと同様に、海洋汚染は海流にのって地球全体に広がっています。環境問題には国境はありません。グリーンピースはこれからも世界規模で起きている危機に対して、世界中の人々とともに各国の政府や企業への働きかけを続けます。

2030年までに地球上の陸と海の30%を保護する国際目標に日本が初参加

地球の70%を覆う海には、CO2を吸収し、気候を安定させる働きがあります。しかし、過剰漁業や資源採掘、プラスチック汚染によりその生態系は脅かされています。グリーンピースは2030年までに公海の30%を海洋保護区とする取り組みを、2019年から世界各国で展開してきました。全世界から集まった350万人を超える人々の賛同の声を元に、各国政府への働きかけを行ってきました。グリーンピース・ジャパンでも、モデル・気候アクティビストでオーシャンアンバサダーの小野りりあんさんと共に、賛同する人々の署名(当時8,245筆)を環境省に提出しました。

そして、当初はこの保護目標を支持できずにいた日本政府が、2021年1月に、陸上と海洋の生態系のそれぞれ最低30%を保護するという目標をかかげる連合に参画し、30%の保護目標を初めて公式に支持しました。

これは極めて重要な一歩です。これから日本が、世界のリーダーの一員としての責任を果たし、2030年までに陸と海の30%を保護するための条約を実現するよう、グリーンピースの世界的なネットワークを活かし、今後も働きかけを行っていきます。

コカ・コーラなどの大手メーカーへリユースへの転換を求める

国際的な脱プラスチックネットワーク「Break Free From Plastic」が実施する調査で、45カ国の海や川を汚染するプラスチックごみをブランド別に調べた結果、4年連続で2021年もコカ・コーラのごみが最も多く見つかりました。その他にはペプシコやネスレも「世界をプラスチック汚染している企業」ランキングで、毎年トップにランクインしています。

グリーンピースは、コカ・コーラ、ペプシコ、ネスレ、ユニリーバへ「プラスチック危機の原因ではなく、解決の立役者になって」と働きかけを続けています。世界700万人がすでにこのキャンペーンに賛同して署名しており、日本からも大手メーカーに期待の声を届けるため、グリーンピース・ジャパンでは国内での働きかけを始めました。