G7開幕へーープラスチック汚染の危機に終止符を、世界中の市民がG7とグローバル企業に呼びかけ

国際環境NGOグリーンピース・インターナショナルは6月6日(ワシントンDC時間)、世界各地で行なわれたゴミ拾い活動と、それをブランド別に仕分けた調査データを元に、使い捨てプラスチックによる世界的な環境汚染を引き起こしている主原因は、グローバル企業(コカ・コーラ、ユニリーバ、ネスレ、P&Gなど)にあることを発表しました。6月8日の世界海洋デーに、主要7カ国(G7)が「G7海洋プラスチック憲章」を発表することにともない、世界で1200以上の団体が参加する新たなムーブメント『ブレイクフリープラスチック』は世界経済と巨大なグローバル企業に対し、私たちの海、河川、そして地域社会を苦しめるプラスチック汚染を止めるための行動を求めます。

グリーンピースのプラスチックキャンペーナー、グラハム・フォーブスは「世界最大級の政府や企業はプラスチックの問題について、リサイクルは解決策ではないことを認め、手遅れになる前にプラスチック汚染を阻止するべきです。世界中のあらゆる地域で市民はプラスチック汚染と戦っています。しかし、私たちが直面している危機と対峙するためには、直ちに使い捨てプラスチックから脱却する包括的な規制と企業による行動が必要です」と主張しました。

グリーンピース・アフリカは4月22日、セネガル、南アフリカ、ケニア、カメルーン、コンゴ共和国でのゴミ拾い活動とブランド調査を主導し、結果としてはコカ・コーラ製品の散乱が最も多く確認されました。

『ブレイクフリープラスチック』の構成団体であるGAIA ( GlobalAnti IncineratorAliances 、世界焼却反対連盟)は6月5日、インドの主要都市でプラスチック汚染を検証するゴミ拾い活動とブランド調査を主導し、ペプシコ・インド、ペルフェッティ・ヴァン・メレ、ヒンドゥスタン・ユニリーバが多く確認されました。

GAIAはまた、フィリピンの5都市におけるブランド調査結果を6月1日発表し、ユニリーバ、ネスレ、P&G、コルゲート・パーモリーブ、Colgate-Palmolive、PT Torabika Eka Semestaなどグローバル企業が汚染に携わっているとしました。

GAIAのアジア太平洋地域コーディネーターでGAIAフィリピン事務局長、フロリアン・グレート氏は、「ブランド調査の結果から、プラスチック汚染における企業の影響力は明らかです。企業は使い捨ての包装を含む製品を大量生産しながらも、使用後の処理は消費者にゆだねていますが、それは変わるべき時にきています。企業は同問題に責任を持ち、地球がプラスチックでいっぱいになる前に行動を起こすべきです」と呼びかけました。

『ブレイクフリープラスチック』は、世界の1200の市民グループを代表して、G7に対し、使い捨てプラスチックに法的拘束力のある削減目標や禁止の導入、リユースに基づいた新しい商品配達モデルへの投資、汚染企業の責任などを求めています。

ここ数カ月の間に、マクドナルドやスターバックス、P&G、ネスレ、コカ・コーラ、ペプシコ、ユニリーバといった企業が、自分たちの関与するプラスチック汚染による危機について声明や計画を発表しましたが、自社のプラスチック製品の大幅な削減について言及した企業はありません。

世界中の市民が企業による努力を促すために行動を起こしています。
スコットランドの村ウラプールで、学校の子どもたちが事業者や関係者に働きかけた結果、プラスチック製ストローを廃止。
メキシコ・ベラクルーズで、市民団体の声を聞き入れ、プラスチック製の袋とストローを使用禁止。

グリーンピースの活動家やWild at Heartなど市民団体による2カ月の交渉の結果、台北シティマラソンで使い捨てプラスチックの使用の削減案を台北市行政が約束。
グリーンピース・イタリアのマイクロプラスチックの海洋汚染調査で、二番目に汚染度が高かったトレミティ島で、調査結果を受けて、使い捨てプラスチック製のコップ、皿、調理器具、ストローの禁止を発表。

Notes:
欧州委員会は5月に、プラスチック汚染の削減に向けて一歩前進しました。議会での法案は特定の使い捨てプラスチックに対する規制を含み、生産者に対する責任を求めています。それによると、生産者は回収や清掃についてのコストを負担する必要があります。提案は、2025年までにペットボトルの90%回収も求めています。同時にEU加盟国に対してプラスチック消費の大幅削減を要求しています。

今週末、何千人もの人々がワシントンDCやアメリカ60カ所、23カ国で「海の行進」を行います。この行進は海底油田の掘削、プラスチック汚染の終結、海岸の保護を目的としています。

Photo and video:
For photos of actions against single-use plastics around the globe, click here.
For a wide photo and video collection of ocean plastic pollution, click here.
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