国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、本日6月16日、長野県軽井沢町で開催された主要20カ国・地域(G20)エネルギー・環境関係閣僚会合の参加各国による、海洋プラスチックごみ対策の国際的枠組み創設の合意(注1)に対して、以下の声明を発表しました。

グリーンピース・ジャパン プラスチック問題 プロジェクトリーダー 大舘弘昌

「海洋プラスチック汚染は、国境を越えて深刻化している国際問題です。各国が協調していくための国際的枠組み創設の合意は、解決に向けての一歩として評価できます。ただし、プラスチック汚染の危機を解決するためには、肝心のプラごみ削減の取り組みを各国に任せたままでは不十分です。今回の合意内容からは、削減の実効性が見えません。

 

G20参加国に求められるのは、ごみの処理能力向上など発生後の対策だけでなく、使い捨てプラスチックの発生抑制と削減を優先すると明確に宣言することです。そして、使い捨てプラスチックにも温暖化対策における『パリ協定』のような、期限付き目標を伴った法的拘束力のある国際ルールを早急に設ける必要があります。

 

具体的には、市場に出回る使い捨てプラを2025年までに50%、2030年までに80%削減するための目標や規制、および拡大生産者責任の導入により、そもそも使い捨てに頼らないリユースと詰め替えのシステムを構築することです。

 

特に日本政府は、リサイクルの取り組みに終始し、国レベルの使い捨てプラ規制がありません。世界が使い捨てプラスチックの禁止に向けて動き出す中、2020年のレジ袋有料化で世界を牽引することはできないでしょう。海洋汚染、廃プラ国際取引、気候変動という多くの課題を抱える使い捨てプラ問題に、世界に真のリーダシップを示していくためには、まず足元を整えることが大切です。」

 

注1)日経新聞「廃プラ削減へ国際枠組み合意 G20環境相会合閉幕」(2019年6月16日)