千葉県農家小川さんのオーガニックな田んぼの稲刈り2017年9月27日 千葉県で化学農薬や合成肥料を使わずに栽培される田んぼの稲刈り。農家の小川さんは、虫やカエルなどの生きものが暮らせる田んぼを、という想いで農薬を使わないお米作りを行なっている。たわわに実り、収穫期を迎えた黄金の稲。A Yearly Harvest at Ecological Rice Farm in Japan 27 September 2017 A yearly harvest at ecological rice field in Chiba, Japan. No chemical pesticides or fertilizers are used in the field. The rice farmer Mr. Ogawa wishes to make rice fields harmonized with wildlife. A rice ready to be harvested.© Viktor Cibulka / Greenpeace

欧州連合(EU)は2018年4月、ミツバチへの毒性が強い3種類のネオニコチノイド系農薬(イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム)の屋外使用の全面禁止を決定、本年末までに実施される見通しです。


日本でも1990年代からミツバチの大量死や失踪などの被害が各地で起こるようになり、今日も続いていますが、ネオニコチノイド系殺虫剤は禁止されるどころか、新たな製品の承認や、適用範囲の拡大、残留基準の緩和などにより、使用機会はより増える方向にあります。  

 

農林水産省の調査によると、最もミツバチの被害報告が多かったのは水田で、被害と農薬の散布の因果関係も同じ調査で明らかになりました。この背景には、カメムシが出穂期に穂の汁を吸うことで生じる黒い点のある米(斑点米)の混入限度を決める国の基準が厳しく、それが買取価格にも大きく影響するため、農家がカメムシ駆除の農薬散布をやめにくい構造があります。  

 

一方、地域の水田の生物多様性と食の安全を守る活動は、住民・消費者を巻き込みながら各地で進んでいます。中でも地域購買生活協同組合(以下生協)の間では、独自の試みを展開しているところが現れています。  

 

現在、農産物検査制度の見直しが農林水産省で検討され始めています。生産者と消費者をつなぐ立場である生協が斑点米問題をどう受け止め、農薬削減やミツバチ被害にどう対応しているか事例を把握し、検査制度の見直しとミツバチ被害防止にあたって必要な要素を検討することを目的に、農産物検査法とネオニコチノイド系農薬の米(水田)への使用に関して、生協にアンケート調査を行いました。その結果を本ブリーフィングペーパーにまとめました。

 

目次

 

はじめに

アンケートについて

結果の要旨と提言

結果の詳細

 

1. 斑点米に対する消費者の反応について

2. 斑点米の、等級ごとの混入の上限を決めている着色粒規定について

3. ネオニコフリーについての取り組み全般について

詳細は、グリーンピース・ジャパン ブリーフィングペーパー「ネオニコフリーを可能にする生協の取り組み ーー斑点米に関する生協アンケート調査でわかったことをご参照ください。