こんにちは。エネルギー担当の柏木です。
もうすぐ、東京電力福島第一原発事故から5年。
電力自由化がスタートし、電力市場がオープンになる2016年。いま、日本のエネルギーは大きな分岐点にあります。これから、どの道をゆくのか?今日からブログシリーズでお伝えしていきたいと思います。

原発20−22%、自然エネルギー22−24%

2015年7月、日本政府は2030年までのエネルギーミックスを発表しました。冒頭の数字は、原発と自然エネルギーのそれぞれの割合です。グリーンピースが2011年に発表したシナリオと比べると、その差は大きいのがわかりますね。

 

 

非現実的な原発に対する見込み

2030年までに日本全体の20〜22%の電力を発電するとされている原発。この数字、実は現実的な分析に基づいたものとは言えません。
 → 詳しくはブログシリーズ(1)

 

省エネの大きなチカラ=原発◯基分


約2年間(2013年9月〜2015年8月)、日本の原発は1基も動いていませんでした。原発の停止中、夏場のピーク時の停電も心配されていましたが、そのようなこともありませんでした。
原発なしで過ごした2年間、みんなの省エネが大きな役割を果たしました。

原発事故前の2010年度、10,450億キロワット時(kWh)だった日本全体の電力消費は、2014年度には9,610億kWhにまで減少しました。減少した840億kWhは、原発16基分の発電量に相当する電力量。
 → 詳しくはブログシリーズ(2)

 

想定外」なソーラーの急成長

 


経済産業省「電力調査統計」とグリーンピース『エネルギー革命シナリオ』よりグリーンピース作成

原発がなくとも電気が足りていた立役者は、省エネの他にも自然エネルギーがいます。特に太陽光発電は2015年も大きく成長しました。そのスピードは、2011年にグリーンピースの描いたシナリオを上回るほど。
 → 詳しくはブログシリーズ(3)

 

風力発電:世界の主役が、日本では脇役

 


経済産業省「電力調査統計」とグリーンピース『エネルギー革命シナリオ』よりグリーンピース作成

グローバルでの自然エネルギーの主役は、風力発電。
でも、日本での状況は異なります。グラフから分かるように、太陽光発電に比べると、まだ微増にとどまっています。
実は、日本では太陽光が突出して成長、それ以外の自然エネルギー源はあまり増加していません。

 


→ 詳しくはブログシリーズ(4)

 

原発を再稼働したら、電気料金が安くなるのか?

4月から始まる電力自由化に向けて、関西電力は高浜原発の再稼働後、電気料金の値下げ予定を予告していました。いま、その予定は見合わせられましたが、当の電力会社ですら使用済燃料の処理費用や福島原発事故の収束にかかる費用など、原発にかかる最終的なコストは把握できていません。
→ 詳しくはブログシリーズ(5)

 

無責任な計画、進捗中

問題となるのは原発だけではありません。現在、日本では47カ所もの石炭火力発電所の計画があり、その発電所からの二酸化炭素排出量は年間1億3505トンにものぼると試算されています。(気候ネットワーク石炭発電所新設ウォッチ

電力業界も、気候変動への対策として排出量削減の目標を発表しましたが、自主目標そのものも、47カ所の石炭火力発電所が稼働したら、達成はほぼ不可能。そのツケを、またもや将来に残すのでしょうか。
→ 詳しくはブログシリーズ(6)

 

だからこそ、今大切なこと

政府や大手電力会社によれば、「安価」で「安定的」な電気と言えば、原発や石炭火力発電だという「ベースロード電源」の考え方がいまも根強く残っています。常に一定量しか発電できないベースロード電源と、出力が変動する自然エネルギーは本質的に共存は難しく、どちらかを優先すると、どちらかが犠牲にならざるをえません。
将来にツケを残す昔ながらの古いエネルギーの道をゆくか、
使用する電気の量を減らしつつ、環境にも人にも影響の少ない自然エネルギーの新しい道をゆくか。

分かれ道に立つ日本で、グリーンピースが考える必要な対策は4つ。

 

1.原発再稼働への無駄な投資をやめること

原発の再稼働のために、人的にも財政的にも、多くの資源がつぎ込まれています。一度事故を起こせば予測不能な被害をもたらす発電方法ではなく、安全で環境への影響が少ない自然エネルギーを増やしたり、原発の廃炉や使用済核燃料の処理のためにそれらの貴重な人財、資力が使われるべき。そうすることで、私たち市民の負担も長期的に少なくなるのではないでしょうか。
2.固定価格買取制度(FIT)の継続と、自然エネルギーの優先接続の実現を


太陽光発電の急成長は、適切な政策があれば、自然エネルギーが育つことを示しています。現在、伸び悩んでいる風力などの自然エネルギーが成長するように、それぞれ適切な政策が必要です。そのためには、FITの継続に加えて、自然エネルギーが優先的に送電網に接続されることが必要不可欠です。
3.コストの見える化も含め真の電力自由化を


あと一カ月も経ずに、電力自由化がスタートします。公正な競争を実現するためには、発電所の設置に必要なコスト、設置によって生じる社会的なコスト(原発の場合は自治体への補助金、風力発電の場合は近隣住民への影響など)、そして発電中に排出されるCO2や放射性廃棄物などにかかわるコストなど、それぞれの発電方法が社会や環境に与えるコストが、透明に公開されていなければなりません。また、電気の送配電の中立性が保つためにも、できるだけ早く発送電分離がされることも重要です。 
4.石炭火力発電所への投資ストップ


日本で計画されている数多くの石炭火力発電は、昨年パリで締結された歴史的な国連気候変動枠組条約に矛盾するものです。発電方法の中で、もっとも二酸化炭素を排出する石炭火力発電を容認することは、国際社会に対して、気候変動への取り組みの責任を放棄すると言っているようなものです。石炭火力発電所への投資をやめ、その分自然エネルギーにまわすべきです。 
詳しくはこちらのレポート(英語)をご覧ください。
 

わたしたちが手に入れる”選ぶ力”

4月から始まる電力自由化。一般家庭では、初めて電力会社を”選ぶ力”を手に入れます。自然エネルギーを供給する、クリーンな電力会社をみんなで選ぶことで、環境にも人にも影響の少ない電力会社を応援しませんか?
グリーンピースが開始したiSwitch(アイ・スイッチ)は、みんなの”選ぶ力”をあわせて、”クリーンな電力会社への乗り換えの波”をより大きくするオンラインアクションです。
参加は簡単。あなたのお名前やメールアドレスなどを入力するだけで完了です。下記のボタンをクリックして、30秒でiSwitchしませんか?

 

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