こんにちは、グリーンピース・ジャパン、エネルギーチームのケンドラです。

東京電力福島第一原発事故という、もっとも深刻なレベルの原子力事故を経験した日本。 地震大国であり、長期的な放射能被害に苦んでいる日本が、その教訓から学んでいないのは本当に皮肉なことです。

この5年間、日本は原発なし、もしくは数基の原発しか動かさずに電力需要をまかなってきました。そのうち約2年の間は、原発はゼロ。全く稼働していなかったのです。

その事実を打ち消すように、安倍政権と電力会社は「福島第一原発事故は収束した」「原発は必要」と市民を欺き、再稼働を推し進めてきました。

しかし、安倍政権と電力会社の原発再稼働に向けた努力にもかかわらず、再稼働できたのはほんの数基にすぎません。東京電力福島第一原発事故前の最盛期には54基が稼働していましたが、現在は2基。そして、日本の過半数の人々は原発の利用に反対しています。

なぜ今、関西地方?

関西地方ほど、原発推進勢力と反対する市民の軋轢が明らかな地域はありません。日本一原発が集中している福井県には、関西電力の原発が11基が林立しています。

グリーンピースが、キャンペーン船・虹の戦士号を福井県沖に派遣したのもこのためです。3.11前は、50%の電源を原発に頼っていた関西地方。関西電力の原発に日本中、世界中の注目を集め、関西地方を原発から、省エネルギーと自然エネルギーへのシフトを加速するモデル地域にすることを、地元の皆さんと一緒にめざしていきます。

2016年3月9日、隣県の滋賀県で、数十人の市民が関西電力を相手取り訴訟を起こし、歴史的勝利を得ました。

安全性についての説明がないままでの再稼働は、人格権が侵害される恐れがあるとして、大津地裁が関西電力の高浜原発3,4号機の運転を禁じたのです。すでに再稼働されていた3号機は、運転中に止められました。運転中の原発が裁判所により止められるのは、日本の歴史上初めて。私の知る限り世界でも初めてです。

しかし関西電力は、もし抗告で勝利したら、原告に損害賠償を請求すると住民を恫喝しました。関西電力は、住民訴訟を抑制するための発言であることを否定してはいますが、それが目的であるのは明らかです。

さらに、政治に対し非常に大きな影響力を持つ関西の経済団体(関経連)は、法律でこういうことが起こらないようにすべきだ、なとども述べています。今や、日本の民主主義の領域が脅かされているように思えます。

関西電力の原発、事故のリスクは甚大

関西電力の原子炉は、琵琶湖から30kmから50kmしか離れていません。琵琶湖は、大阪や京都などの1450万人に飲料水を提供しているだけでなく、2009年、国際的に重要な湿地として登録され、60以上の固有の種の住処でもあります。琵琶湖が放射能に汚染された場合の影響ははかりしれません。生態系の観点からだけでなく、文化面から言っても、被害は甚大になるでしょう。

生態系を”循環する”放射能

関西地域の深い森や山々へも、深刻な被害が心配されます。

東京電力福島第一原発事故では、大量の放射性セシウムとストロンチウムが放出されました。それらは、森や河川の生態系のなかで、長期に渡って循環し続けます

福島県とよく似て山々に囲まれている福井県。もし事故が起きてしまば、東京電力福島第一原発事故の教訓からも明らかなように、完全な除染は不可能、そして長期的な生活・生態系への被害は続きます。

安倍政権と関西電力は、東京電力福島第一原発事故の現実にしっかりと向き合い、エネルギー政策にその教訓を反映しなければいけません。

震災前は50%の電源を原発に頼っていた関西電力。関西電力と関西地方が卒原発・自然エネルギーへシフトすることは、日本の原子力産業に大きく影響を与えます。

4月から始まった電力自由化では、関西地方でも、自然エネルギーの供給をめざす会社へ乗り換える、乗り換えの波が必要です。みなさんもオンラインアクション「iSwitch」に参加して、乗り換えの波を広げてください。

「iSwitch」に参加してくれた方には、グリーンピースが独自に電力会社に調査を行って作っている『電力会社クリーン乗り換えガイド』をプレゼント。あなたの電力会社選びと乗り換えをサポートします。
グローバル・シニア・エネルギー担当 ケンドラ・ウルリッチ

アメリカ出身。反原発活動を学生時代から続ける。アメリカのサンオノフレ原発を止めるキャンペーンでは、廃炉に持ち込んだ。Friends of the Earth、Greenpeace Internationalを経て、去年からグリーンピース・ジャパンのエネルギーチームで活動しています。

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