こんにちは。エネルギー担当の柏木です。
4月から始まった電力自由化で、どれくらいの人が電力会社を乗り換えたでしょう?
その数、2%。50世帯に1世帯が乗り換えていることになりますね。
生活の基盤となる電気だからこそ、新しい電力会社に乗り換えるのはちょっと不安・・という方も多いと思います。
そんなみなさんにかわって、直接電力会社に会って、お話を聞いてくる電力会社レポートをスタートします。
ソーラーパネルを初期費用ゼロで設置し、かつ電力会社のスイッチが同時ユニークな「じぶん電力」を展開する「日本エコシステム」を訪問し、お話を伺ってきました。
お話を伺ったのは、「じぶん電力」担当の石原さん、種帰さんと中元さん。「ソーラーを日本に広めたい」という思いを感じました。

 

まず、気になる電源構成は?

画像:日本エコシステムウェブサイトより

「じぶん電力」は、自宅の屋根にソーラーパネルを無償で設置、そのパネルで発電した電気を使い、発電しない時間帯は日本エコシステムと提携した「エネット」の電気を使うサービスを提供しています。
太陽光パネルで発電した電気は、その由来が明らかですが、気になるのは「エネット」の電源構成。
エネットは、もっとも供給実績の大きい新電力会社で、信頼性のある電力会社だからこそ、パートナーとして選択したそうです。2016年度の計画値が、日本エコシステムのウェブサイトに掲載されていました。
このなかでもっとも気になるのは、12%の石炭火力発電
また、原発についても気になる点が・・・。エネットの武田社長は昨年、政府の審議会の中で「原子力発電所にきちんとアクセスできる、あるいは電気をきちんと使えるような仕組み、そういう仕組みを整備してほしい」と要望しており、将来的にエネットの電源構成に原発が入る可能性もあります。また、政府に原発の電気を要望するって、再稼働に反対する市民の声に聞く耳を持っていない、ということですよね(詳しくは、議事録の22ページ目参照)。
そこで、エネットに対し、原発の電気を使わないようパートナーとして働きかけてほしい、と日本エコシステムに伝えてきました。
太陽光発電とエネットの電気を組み合わせた、全体の電源構成も気になるところ。現在、双方をあわせたグラフがウェブサイトに掲載されていない理由を聞いたところ、「電源構成は非常に厳密な数字が求められる。現在の表示も、経済産業省に相談しながら、OKをもらっている」とのこと。それでも、消費者にわかりやすい表示を検討するよう、提案しました。(あくまでも参照ですが、太陽光発電とエネットの電源構成をあわせると、下のグラフのような形になるとのこと)

画像:6月21日発表の同社プレスリリースより

 

太陽光パネルをタダで設置?その仕組みは?

「じぶん電力」では、設置に必要な初期費用は日本エコシステムが負担するため、負担ゼロで太陽光パネルを設置できます。その代わり、パネルは20年間、日本エコシステムの持ち物になります。

画像:日本エコシステムのウェブサイトより
  • 太陽光パネルが発電する昼間:太陽光パネルで発電した電気を使います。もしも、発電する量が、使う量を上回ると、その電気は電力会社に販売されます(売電収入は、日本エコシステムのお財布に入ります)
  • 曇りの日で発電量が少なかったり、太陽光発電が使えない夜間:日本エコシステムが提携する「エネット」の電気を使います。

 

気になる料金と「契約しばり」は・・?

ユニークな「じぶん電力」の仕組み。電気料金の仕組みも、一般の電力会社とは異なります。自宅屋根に設置した太陽光発電の電気を使うときと、エネットの電気を使うときの料金が異なるんです。

  • 太陽光発電の電気:27円/kWh
  • エネットの電気:従量制(18.93〜28.43円/kWh)
  • 基本料金:1,335円

同社の資料では、東京電力エリアで、従量電灯50Aの契約、1カ月の電気使用量が450kWhの場合、年間8,500円お得になるとしていますが、これは電気使用量が多い家庭の場合ですね。また、太陽光発電の電気の方が価格が高いため、昼間にたくさん電気を使う場合は、お得度はかなり減るはずです。
電気使用量が少ない家庭の場合、電気代が高くなる可能性もありますよね?とお聞きしたところ、「そうです」とのお答えが返ってきました。
また、多くの方からご質問をいただく契約の期間は、どの電力会社よりも長い20年間。長い契約期間のため、太陽光パネルを設置する建物の築年数や、契約者の年齢といった条件もあります。(詳しくはこちらを)

 

日本初「ソーラー+スイッチ」システム

  
もともと日本エコシステムは、1997年に設立された会社で、太陽光発電の販売、設置、発電事業をメインとした会社。20年間で37,000棟以上の販売実績があるとのこと。
同社は、もともと「屋根貸し(※)」という方法を活用して、初期費用ゼロで太陽光パネルを設置できるというビジネスを行っていました。
2016年4月に家庭向けの電力販売が自由化されたことをきっかけに、「屋根貸し」の仕組みと、太陽が照らない間の電力供給をセットにしたサービスをスタートしました。

画像:SolarCityウェブサイトのトップページ

実はこれ、2006年にアメリカで創業した「SolarCity」という電力会社がとった仕組み。日本では日本エコシステムが初めて採用しています。
(※)屋根貸しとは、自宅などの屋根に太陽光パネルを設置するスペースを、発電会社などに貸し出すことです。パネルの設置費用は発電会社などが負担するため、パネルは発電会社のものになります。

 

「じぶん電力」のメリット・デメリット

初期費用ゼロで太陽光パネルが設置できること、直接太陽光の電気が使えることを売りにしている「じぶん電力」。日本初のユニークな仕組みで、太陽光発電設置へのハードルが下がることが期待されます。20年間、メンテナンスを日本エコシステムが担当することも、メリットの一つだと思います。
一方で、契約期間が長いことで、引っ越しなどがしにくい、といったデメリットも。「契約期間中であっても残存期間に応じた価格で太陽光発電システムを買い取ることもできます」とありますが、契約の前に、よくよく考える必要あり、です。
また、設置するソーラーパネルのメーカーは、ソーラーフロンティア(昭和シェル石油の子会社)のものと決まっているようです。
また、電気の使用状況、太陽光発電量によっては、自分で費用を負担して太陽光パネルを設置した方が安くつく、というケースもあると思います。幅広く検討することをオススメします。(なお、現時点で家庭用の太陽光発電の買取費用は33円、買取期間は10年間です。詳しくはこちら


<基本情報>
会社名:株式会社日本エコシステム(東京)
従業員数:299名
主要株主:日本コムシス株式会社
家庭への電力販売:あり(2016年4月〜)
供給エリア:次のエリアを除く全国(北海道、青森、秋田、岩手、山形、新潟、富山、石川、福井、沖縄)
ホームページ:http://www.jibunden.com/
パワーシフトでの紹介:http://power-shift.org/jibun-denryoku/
※グリーンピースは財政的・政治的に独立し、キャンペーンを展開しています。日本エコシステムとの利益関係はありません。


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他の電力会社のレポートも、これからお伝えしていきます!お楽しみに!

 

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