こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。

40歳を超えた老朽原発、関西電力高浜原発1、2号機を止める裁判の傍聴に行ってきました。(写真は第2回口頭弁論)

千葉の原告も裁判に参加できる?「原告適格」

第3回口頭弁論、この日のメインテーマは「原告適格」。

つまり、高浜原発から400キロの住民を含む17都府県の111人原告全員に、高浜原発事故で被害を受ける可能性があるのか?ということ。裁判所がその可能性が認めれば、原告として裁判に参加し続けることができます。

若き女性弁護士の大河陽子先生が、原告全員、原告適格が認められるべき、と以下のように主張しました。

  • もんじゅの判決(原告適格の判断基準):最高裁平成4年9月22日判決は、原子炉から58キロの原告も認めた。東電福島原発事故の規模を鑑み、これを拡大すべき。
  • チェルノブイリの被害:原発から300キロの住民に避難指示、600キロに移住の権利、1800キロには特典が与えられた。
  • 最悪のシナリオ:東電福島原発事故時に当時の菅直人首相が原子力委員会委員長に指示して作られた「最悪シナリオ」では被害は、250キロ圏にも及ぶ。
  • シミュレーション:瀬尾健氏(元京都大学原子炉実験所助手)の手法に基づくシミュレーションによると被害を受ける範囲は、最悪の場合日本全土に及ぶ。
  • 金沢地裁の判例:金沢地裁は志賀原発から700キロに住む原告についても被害が及ぶと認めた。

続いて、北村弁護団長が、10月にあった前回の第2回口頭弁論から12月までの3カ月間の報道の中から関連のものを紹介して、老朽原発への関心と不安が大きいこと、東電福島原発事故の費用が莫大となること、フランスで発覚した原発部品強度不足の件での原子力規制委員会の対応に疑問があること*、原発は稼働していなくても電力が足りていること、ドイツ・台湾・ベトナムで脱原発の動きなどを裁判官に伝えました。

国側の口頭での陳述はありませんでした。

国側は、原発のしくみや規制制度などの一般的な説明を書面で提出しています。関西電力の書面は訴状に対する認否が中心となっているということでした。

また、この日は最初に、原告の意見陳述がありました。

子ども6人に一人が貧困の今、原発のリスクも押し付けていいのか。

元高校教師で、教師時代、そして今も子どもの貧困問題に取り組んでいる安達さんは、 「将来を担う生徒たちが安心して吸える空気、環境を残したい」と陳述し、裁判の後の集会で、「子どもの貧困は深刻。100円、50円のお金がない。その上に、原発のリスク(コスト含め)を押し付けていいのか」と話されました。

また、ずっとチェルノブイリ救援を続けている原さんは、40回ほどチェルノブイリ被害地を訪れた経験を陳述されました。原さんは、「救援はしても、脱原発のためには力になれていない自分に、はがゆい思いをしていた。そんなおり、この裁判のことを知って、一歩前に出よう、と」原告になったそうです。

裁判の後、記者会見が開かれました(上写真)。毎日新聞、中日新聞さんなどが報道してくださいました。

住民側、国側が裁判所に提出した書面はこちらでご覧になれます。

今回も、1,607人の応援がつまったバナーを持っていきました。111人だけの裁判じゃないことを示せました。

今後も、大きな応援の輪が広がるように、この裁判のことをぜひ、広めてください。

次回、第4回口頭弁論は5月17日11時からです。

原告以外の傍聴は抽選になります。詳細は、またブログでお知らせいたしますので、ぜひ、応援をお願いします!


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* フランスで発覚した原発部品強度不足問題については以下のブログ、資料を御覧ください

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日刊SPA! 記事:日本の原発17基の「重大欠陥部品」疑惑。放置すれば破局的事故の可能性も!?

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