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皆さんこんにちは、食と農業担当の関根です。 
今日は、ニホンミツバチLoversの皆さん必見のお知らせです。
ニホンミツバチたちは、養蜂業で一般に飼育されているセイヨウミツバチよりも約10倍農薬に弱い、という研究結果が発表されたのです。

         [写真:ニホンミツバチとその巣 藤原由美子さん提供]

今年の3月1日に発表された、国立研究開発法人森林総合研究所など日本の研究者たちが、殺虫剤のニホンミツバチへの急性毒性の調査やアジア地域の野生ミツバチに関する検討した論文[1]によると、
❏  ニホンミツバチはセイヨウミツバチ8〜14倍も農薬(殺虫剤)に弱い
❏  セイヨウミツバチの研究では、ハチに毒性の高いネオニコ系農薬の中でも特にフィプロニルやイミダクロプリドが強い毒性をもつとされているが、ニホンミツバチに対して最も毒性が強かったのはジノテフランで、続いてチアメトキサム、フィプロニルだった。
❏ 有機リン系殺虫剤でもニホンミツバチはセイヨウミツバチより弱い
ということが新たにわかりました[2]。 
有機農業ニュースクリップ作成

       [グラフ:論文の数値に基づいて「有機農業ニュースクリップ」が作成したもの]

 上のグラフは、ネオニコ系農薬や有機リン系農薬の毒性の強さについてセイヨウミツバチとニホンミツバチを比較したもの。数字が小さい(グラフが低い)ほど毒性が強いことをあらわしています。

ミツバチに対して毒性が強いのが、棒グラフが一番低いジノテフランになるのですが、これは、日本でも最近急激に使用量が増え、現在はもっとも多く使われているネオニコチノイド系農薬です(下のグラフの下の方の明るい青の部分がジノテフラン)。

ネオニコ系農薬出荷量

        [グラフ:国立環境研究所農薬データベースより「有機農業ニュースクリップ」が作成]

ニホンミツバチは、アジアに生息する「トウヨウミツバチ」の一種で、日本にしかいない固有種。もともと野生に生息していますが、プロの養蜂家の他、個人の趣味で飼う愛好家も増えています。最近では、たとえば富士見高校(長野県)や工学院大学(東京都)など多くの高校や大学のサークルで育てられるようになっている他、コミュニティ事業(銀座ミツバチプロジェクト)など、組織や地域で人をつなぐ立役者にもなっています!
そして、ニホンミツバチたちは、さらに重要な役割を 果たしてくれています。それは…

野生のハチたちも守ってほしい

私たちの食は、野生のハチたちのもたらす恵みに大きく支えられています。
昨年、農業環境技術研究所が発表した研究によると、野生のハチなどの生物たちが授粉によって生み出す経済価値は、授粉による価値全体の7割にのぼることが示されています(下のグラフの青い部分)。
 野生送粉者の貢献

[図:農業環境技術研究所プレスリリース(2016.2.4)より]

こんなに大事なハチたちなのに、農薬の認可を申請するとき、農薬メーカーが毒性データを提出しなくてはならないのはセイヨウミツバチについてのみ。それより10倍も農薬に弱いニホンミツバチについて、毒性や影響を検討されることはありません。

農薬の認可のあり方も見直すべきときがきているのではないでしょうか。

 

日本でも…いえ、日本だからこそ規制が必要です

ニホンミツバチにもっとも毒性が強いことがわかったジノテフランは、日本では、特に水田への使用が多くなっています[3]。
農林水産省は、ネオニコ系農薬など、ハチに毒性の強い農薬をまくときは「まきますよ」ということを養蜂家に事前に通知すれば養蜂家が移動できるので被害は防げるとしていますが、野生のハチはそうはいきません。
野生の花粉媒介生物や、かれらがもたらしてくれる恵みを守るために、農薬により弱い固有種のニホンミツバチが棲む日本でこそ、早急にネオニコ系農薬などの使用規制が必要です。

Wild Asian honey bee T. Misono

     [写真:野生のニホンミツバチの巣。御園孝さん提供]

署名で、ネオニコはもうやめてという意思を伝えよう

規制と同時に大事なのが、次々と新しいネオニコチノイド系農薬の解禁をしないこと。
いま、新たに日本で導入されそうになっているネオニコ系農薬(スルホキサフロル)を止めるために、市民団体が協力して、緊急オンライン署名を立ち上げています。こちらのバナー↓をクリックして、署名にぜひ参加してください。

あなたの署名と意見で、一緒にネオニコの解禁を止めてください!
もう署名したよ、という方は、お友達にぜひシェアしてください。署名用紙もこちらからダウンロードできます。
食の恵みを支えてくれるミツバチ、そして子どもたちの未来をまもりましょう。


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[1] Insecticide Susceptibility in Asian Honey Bees (Apis cerana (Hymenoptera: Apidae)) and Implications for Wild Honey Bees in Asia (トウヨウミツバチの殺虫剤に対する脆弱性と、アジアの野生のミツバチについて示唆されること)
[2] この研究では、接触(胴体の背中側に試験対象の殺虫剤を塗る)試験で、塗ってから48時間経過した後の半数致死量を調べている。

[3] 農業環境技術研究所プレスリリース(2016.2.4)農作物の花を訪れる昆虫がもたらす豊かな実り-日本の農業における送粉サービスの経済価値を評価-

[4] 水田に、稲の穂が出る夏に農薬(殺虫剤)をまく理由は、カメムシが穂の汁を吸うと黒い跡がついたお米(斑点米)ができるので、そのカメムシを殺すため、とされています。しかし、いまではそういうお米をはじく選別機が普及しているので、農薬に頼らなくても黒いお米が混ざることはまずありません。

 


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