こんにちは。食と農業担当の関根です。
新たなネオニコ系農薬のスルホキサフロルを承認しないよう求める緊急署名(7818筆)を7月11日に環境省に提出してきました。そのときの話し合いの模様と、そのあと届いたグッドニュースをお知らせします。 

 [写真:署名呼びかけ団体のダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、日本有機農業研究会と一緒に、環境省の農薬環境管理室の小笠原室長へ、署名を提出しました]

環境省には、魚や水草といった、水環境に生息し人が利用する動植物を農薬による被害から守るために、農薬に対する基準値を定める役割があります(水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準〈注1〉)。

一方、野生のハチなど花粉を運ぶ生物をはじめ、陸上の生物に対しては、今のところ農薬の被害を防ぐための基準が全くありません。
また、実際の環境ではいろんな農薬が使われますし、1つの製品の中に殺菌剤と殺虫剤がミックスになっている商品もあります。でも、こうした農薬の複合的な影響は、まだ充分把握されていません。そうしている間に、ネオニコ系農薬による野生のハチやチョウ、鳥などへの影響について科学的な証拠が次々出てきています〈注2〉。
私たちは、市民の関心はとても高く、新たな科学的証拠も集まってきているのだから、環境を守る政府機関として慎重に判断をしてほしいと要望しました。それに対して環境省は…

環境省の答えは、
「昆虫など陸上の生態系を農薬から守る仕組みは必要だと考えている」
というもので、
「現在の第四次環境基本計画に、水産動植物以外の生物等についての知見を集積する」
とされているとのこと。また
「野生のハチへの影響の調査は今年度から3年間予算をとっている」、「実態を把握することが目的だが、必要となれば、3年の終わりを待たずに対応する」
そうです。私たちは、早期の対応を重ねて要望しました。なお、
「陸上の生物への影響を防ぐための基準をつくるには、法律改正が必要」
ということでした。
この、陸上の生物への影響を防ぐための基準」について、この二日後にグッド・ニュースが届きました。
 

「陸上生態系を守るために農薬の基準を作る」方針が決定

環境省から、「国民の生活環境の保全に寄与する観点から、保護の対象を拡大し、陸生生物にも農薬登録保留基準を設定する方向で検討を始める」という方針が7 月12日に開かれた専門家の会議*で、承認されたというお知らせがありました。   (*環境省の諮問機関の中央環境審議会農薬小委員会)
つまり、野生のハチやチョウ、鳥など陸上の野生生物などを農薬からの被害を守るための基準が作られるというのです。こうした基準はこれまでなかったので、方針が決まっただけでもとても大きな前進です。(環境省の資料はこちら
生態系への影響が指摘され、じわじわと環境に広がっているネオニコ系農薬の汚染に対しても、対策を打つ方向がやっと見えてきました。
今後、環境省が基準作りをすすめめていく上で、皆さんの署名や意見は大きな後押しになっていくはずです。
環境省が農薬の害から生態系を守る仕組みをすこしでも早く作り、それが本当に効果あるものとなるよう、さらに背中を押していきましょう!

 

今、あなたにできること

スーパーに私たちの声を届ける

「お店に並ぶ野菜やお米がオーガニックに変わる」ということも、じつはネオニコ系農薬の使用に規制を掛けていく後押しになります。
なぜなら、スーパーや生協など小売店が新たなネオニコを使った農産物は扱いませんと決めたり、「農薬に頼らない有機農産物をもっと売ります」といった方針を示したりすることは、農薬に頼らない農業を支援し、新たなネオニコ系農薬の国内での使用を防ぐ力になるからです。
このバナーをクリックして、スーパーに、国産オーガニックの野菜やの常設コーナーをつくるように伝える署名に参加してください。 

「国産オーガニックを全国に!」いますぐ署名する >

 

〈注1〉基準を決めるためには、魚や虫の幼虫などで実験をしますが、実験する生き物によって、影響の出るレベル(濃度)は大きく変化します。いま、日本で解禁されそうな新たなネオニコ系農薬スルホキサフロルについて、環境省は、最初、影響を受けにくい生物で実験して高い濃度で基準をつくっていましたが、その後、もっと影響を受けやすい生物(ユスリカの幼虫)での実験にもとづいて、濃度を約1/1000に大幅に下げた(厳しくした)基準案を出しています。このように科学的な結論に基づいて基準が厳しくなることはとても重要です。一方、複数の農薬との複合的な影響など、わかっていないことも考慮すれば、さらに厳しいものが求められます。

〈注2〉ブログ:ミツバチだけでなく、蝶や鳥にも…ネオニコ系農薬の環境へのリスクが明らかに で、最近グリーンピースで発表したレポートの概要をご覧になれます

 

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