国際環境 NGO グリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、東京電力が再稼働を予定している柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市/刈羽村)の30キロ圏の住民1000人を対象にインターネットによる意識調査(注1)を行い、調査結果を本日2月14日に発表しました(注)。結果は、新潟県にも提出し、県政に活かすよう要望しました。

 

調査結果では、新潟県に設置された「福島第一原発の事故原因の検証」、「原発事故が健康と生活に及ぼす影響の検証」、「万一原発事故が起こった場合の安全な避難方法の検証」を行う3つの委員会の存在を6〜8割弱(それぞれ、59.8%、73.1%、76.8%)が、知らないことがわかりました。ただ、検証委員会の設置については、約7割近くが賛成しており、同委員会が30キロ圏内住民にとって、重要な取り組みであることが、改めて確認できるものとなりました。

福島原発事故の原因については未解明と考える人が過半数、年間1ミリシーベルト規定について理解していない人が8割強にのぼり、8割以上が計画通りに避難できると思わない、もしくは分からないとしています。また、再稼働をするには事前に自治体の了解を必要とする「再稼働事前了解権」については、約6割が柏崎刈羽原発の再稼働に際しても望んでいます。

グリーンピース・ジャパン、エネルギー担当の鈴木かずえは、「検証委員会への賛成は、住民が東電の原発について検証してほしい、という、裏返せば東電の原発への不安の表れだと思います。しかし、認知度は低いので、検証委員会の存在はもとより、議論が住民ともっと共有されることが重要です」と語りました。

また、来日中のグリーンピース・ドイツの核問題シニア・スペシャリストのショーン・バー二ーは、「日本政府においては、東電福島原発事故を検証する包括的な取り組みに乏しく、新潟の検証委員会の取り組みは、最も重要な事故の検証の一つです。汚染水、原因の解明、溶けた燃料についてなどについては国際社会でも憂慮されており、東電福島第一原発には未解決の問題が山積しています。原子力規制委員会だけに頼ることなく検証をすることは、住民の命を預かる自治体の正当な権利といえます。事前了解権についても、6割の住民が持ちたいとしてますが、それも当然です。最初に被害を受けるのは30キロ圏の人々、新潟県の人々なのですから。グリーンピースは、新潟県の事故検証の取り組みを支持し、継続的に情報提供をしていきたい」と述べました。

 

注)新潟県柏崎刈羽原発 30キロ圏 1000人意識調査

グリーンピースが、楽天インサイト株式会社に委託して実施したオンラインアンケート調査
調査期間:2018年12月19日~21日
回答者:18歳から81歳の男女 合計1000人(女性412人、男性588人)
対象:刈羽村、柏崎市、上越市、長岡市、十日町市、燕市、出雲崎町、小千谷市、見附市の住民