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もし家にごみ箱がなかったら、どんな暮らしになるでしょう?

いらなくなったものを捨てる場所がなくなって困る?だって、ものを買えばパッケージに入っているし、古くなれば捨てるし、生ゴミだって毎日出るのに。

でも、”捨てるもの”がなかったらどうでしょう?お菓子もスーパーの食品も、無駄なビニールに入っていなければ。使わなくなったものは全て再生マテリアルとして返却できたら。出るごみが全て堆肥化(コンポスト)できたら。

ごみ箱のいらない、ものが巡っていく暮らし。それがサーキュラーエコノミー=循環型経済です。

サーキュラーエコノミーを愛してやまない2人

4月14日に、世界や日本のグッドケースを紹介しながら、サーキュラーエコノミーの実現に必要なことを話すトークイベントを開催しました。

ゲストは、ドイツに拠点を置き、ご自身が監修するウェブマガジンEarthackers(アース・ハッカーズ)でサーキュラーエコノミーの最新情報を日本語で発信する安居昭博さん。そしてロンドンを中心に世界中で活躍するアップサイクルデザイナーの谷公美子さん。

サーキュラーエコノミー

©Chihiro Hashimoto/Greenpeace

身につけているものからサーキュラーエコノミーを体現しているお二人は、プレゼン資料など何もなくてもサーキュラーエコノミーについて話ができてしまうほど。

谷さん「例えばこのスカートは、テーブルクロスでできているんです。このバッグは、インドの伝統工芸の刺し子で作られているアップサイクルブランドのもの」

安居さん「この服はリサイクル素材でできています。Pure Waste “100%ごみ”って書いてあるんです。笑」

そのこだわりと愛を語り始めると、止まりません。(本当に。笑)

サーキュラーエコノミーって何?

「産業革命が始まる1760年代、世界の人口はどれくらいだったと思いますか?」

トークは、安居さんのこんな問いかけから始まりました。

「今の世界の人口は70億人。この半分くらいだったと思いますか?それとも半分より少なかったでしょうか?」

サーキュラーエコノミー

(c) Chihiro Hashimoto / Greenpeace

正解は、7億人。今の10分の1だったのです。こんなに人口が増えているのに、いまだに資源が無限にあるかのように「短期間で捨てること」を前提に消費経済が進んでいるんですね。

「サーキュラーエコノミーは、こうした従来型の経済のオルタナティブです」

続いて安居さんは、サーキュラーエコノミーのビジネスやサービスの例を紹介してくれました。

まずは、安居さんが当日身につけていたジーンズ。

「このジーンズ、実は買っていないんです」

スペインで作られているMUD Jeansは、購入する代わりに、毎月800円”リース料”を払って使うことができるというジーンズです。ほつれたりして履けなくなれば、返却して、素材がそのままリサイクルされて、ジーンズに生まれ変わるのだそうです。

そして、自分で分解してパーツを交換できるスマートフォン「フェアフォン」。

「このように子どもでも簡単に分解できるようにデザインされています」

おお、スマホの中はこうなっているのか!と参加者の方も興味津々。例えば新しい機種が販売されても、変わったのはカメラの性能だけ、という場合もありますよね。フェアフォンなら、カメラのパーツだけを新しいものに交換できて、古いパーツは送り返してリサイクルに回すことができます。長く使うことを前提にデザインされているんですね。

他にも、まだ食べられる賞味期限切れの食品を、普通のスーパーと変わらない、むしろおしゃれなお店で販売するビジネスや、使用済みの漁網でできたサングラスなど、世界各地で起きているサーキュラーエコノミーの事例を続々紹介いただきました。

サーキュラーエコノミー

(c) Chihiro Hashimoto / Greenpeace

楽しくなきゃ広まらない!

「サーキュラーエコノミーには、おもしろい、かわいい、使いやすい、心地いい、美味しいが欠かせないと思います」

谷さんは、ペットボトルや新聞、お菓子のパッケージなど、ゴミになるものを使ったインパクト大のドレスを発表するアーティスト。さらに、廃ペットボトルの再生マテリアルや古い着物を使ったグッズも販売しています。

サーキュラーエコノミー

(c) Chihiro Hashimoto / Greenpeace

誰も見たことのないようなアートで、ごみを出していることにハッと気づかせる。

再生マテリアルと気づかなくても、デザインの力でみんなの暮らしに溶け込む。

谷さんの作品やグッズは、環境に関心があるかないかに関わらず、私たちの心にググッと入り込んできます。

サーキュラーエコノミー

(c) Chihiro Hashimoto / Greenpeace

こうした再生マテリアルを使ったブランドや、古生地を生かしたアップサイクルのブランドは、日本にもたくさんあることを紹介してくれました。

特にオススメとしてご紹介いただいたのは、一点もののヴィンテージの服を販売する「突撃洋服店」。今も、10年後も、どの時代にも馴染みながら、個性を主張してくれるヴィンテージの魅力を発信しているお店だそうです。

サーキュラーエコノミー

サーキュラーエコノミーっておもしろい!

お二人の話を聞いていると、楽しんでいるからこそ続けているし、好きだからこそ広めたいと思っているのが伝わってきます。谷さんと安居さんが身につけていたアップサイクルのスカートやリース式のジーンズのように、ストーリーがあって、環境に優しくて、何より自分が好きなものに包まれている。そんな生き方ってとても素敵ですよね。

サーキュラーエコノミーという言葉は確かにまだ広まってはいないかもしれないけれど、実はこうした取り組みは、世界中で、そして日本でも、広がっています。サーキュラーエコノミーが当たり前の未来が、本当に来るかもしれません!

最小単位は個人

この日のクロストークの前には、谷さん監修のもと、アップサイクルのワークショップも行いました!

サーキュラーエコノミー

(c) Chihiro Hashimoto / Greenpeace

谷さんがプラスチックやハギレを使ってデザインした「プラスチックモンスター」のエコバッグをさらにアレンジして、世界で一つだけの、オリジナルエコバッグを作りました。こうしたアップサイクルは、友達同士でもチャレンジできそうです。

サーキュラーエコノミー

(c) Chihiro Hashimoto / Greenpeace

安居さんは最後に「サーキュラーエコノミーの最小単位は個人だと思う」とおっしゃいました。

「サーキュラーエコノミーは、会社や自治体単位で取り組むものとイメージがあるかもしれませんが、僕はサーキュラーエコノミーは個人で始まると思います」

今日から始められる小さなサーキュラーエコノミーとして、例えば、こんなことができるかもしれません。

  • 量り売りを利用したり、エコバッグやマイボトルを持って、使い捨てゴミを減らす
  • 長く使えるようにデザインされたものを選ぶ
  • 野菜はピクルスにしたり、洋服は友達と交換したり、捨てる前に他の道を考える
  • 生ゴミは堆肥化する
  • 車より電車や自転車を選ぶ
  • 家の電気を自然エネルギーの電力会社に変える

未来を作るのは、私たちのアクションなんですね。よし!まずは私たちから、スタートしましょう!

安居昭博(やすい あきひろ)

1988年生まれ。オランダ在住サーキュラーエコノミー研究家。ウェブマガジンEarthackers(アース・ハッカーズ) 編集長。欧州のサステイナブルな情報を日本に発信している。

谷公美子(たに くみこ)

ロンドン在住。2008年よりRe-Cycle-Styleを立ち上げ、同代表。リサイクル可能な材料を使用して衣装づくりを行っている。映画やミュージックビデオの衣装提供など、幅広いジャンルのアーティストとコラボレーションしている。