#食と農業

お肉を減らして心も体も健康に

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こんにちは、チームプランツメンバーの田中進です。

チームプランツとは、グリーンピース・ジャパンのボランティアを中心に、お肉や乳製品を大量生産する「工業型畜産」の問題を解決するために結成したチームです。世界的に広がるライフスタイルである、レスミート(お肉を減らすこと)を日本で盛り上げていくことを目指し活動してます。

 

工業型畜産って、知ってる?

ところで、皆様の中には、工業型畜産という言葉を初めて聞く人も多いのではないでしょうか?

これら工業型畜産で作られる安いお肉・乳製品には、いくつかの特徴があるので挙げてみます。

1. 利益効率化を追求し、動物の過密飼い

2. 単一穀物を中心とした高カロリーの餌

3. 病気にならないよう抗生物質などの薬を利用

4. ブロイラーなど、動物の品種改変

これらはいずれも、以前から私たちの健康や動物福祉の観点から問題提起されていた工業型畜産の特徴ですが、いま気候変動と関係して注目されています。

それはなぜでしょうか?

 

今、気候変動の視点から注目が集まる

なぜならば、私たちがお肉と乳製品のために殺している家畜の数は、工業型畜産のために世界の人口の11倍ほどになっていて、2018年には760億頭もの家畜が地球にいるからです*1。

今や、工業型畜産から排出されるCO2やメタンガスの温暖化インパクトは全体の14%にあたり*2、地球上全ての交通手段(車、トラック、飛行機、船舶、列車)から排出される量に匹敵します*3。

ものすごく増えた家畜たちが出すおならや排泄物が温室効果ガスの原因になっています。また、家畜に与える飼料を育てるために森林伐採などを進めたことも、さらに気候変動に拍車をかけてしまいました。

そしてこのまま肉と乳製品の増加が続けば、2050年までに気温上昇を1.5度以内に抑えるという世界の目標は難しくなります。

なんと2050年までに、畜産と関連農業の温室効果ガスは、全世界の温室効果ガスのうち52%を超えると予測されています*4。 私たちは早急にお肉と乳製品の削減に手を打つ必要があります。

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グリーンピースは、お肉と乳製品の消費を、2013年時点の消費量の50%まで削減することをビジョンとして掲げています。

 

お肉を減らす分、何を食べたら良いの?

特に肉食の多い欧米諸国・先進国が率先して実現する必要があります。では、何を食べれば良いのでしょうか?

メディアで昆虫食や培養肉などが注目を集めており、様々な選択肢があると思いますが、私たちの提案は「野菜や豆、果物などの植物性食品」です。

2050年に、平均気温の上昇を1.5度までに抑えるシナリオのもと、走っている温暖化バスをイメージしてみてください。許容できる温室効果ガスは、20席分しかありません。

もし、このままお肉と乳製品の増加が続くのであれば、下の図のように20席のうち11席も畜産を含む農業で占められてしまいます。残りの9席を、温室効果ガスを出す他の産業(エネルギー、工業、交通など)が取り合わなければならず、温暖化バスは、東京の朝のラッシュのようになってしまうでしょう….。

しかし、私たちが野菜中心の食事に切り替えて、2050年までに肉や乳製品の消費を半分にしたなら、温暖化バスの20席のうち、農業が使うのは4席分だけになります。他の産業からの排出分に余裕を持たせることができ、明るい未来が見えてきます。

 

具体的に、2050年に半減ってどのくらい?

肉と乳製品の量を具体的に半分にするとはどれくらいなのでしょうか?
半減した年間個人消費量は、肉は16kg、乳製品は33kgです。

週にすると、肉製品約300g、乳製品約630gです*5。
お肉だと焼肉約15枚分、牛乳なら1瓶200gとしたら、3本というイメージです。

肉消費量の多い欧米の場合、この量にするためにはほぼ9割削減で、まさに食の革命です。

 

健康にも良いことがあるんです。

最後に工業型畜産の健康面との関係です。
2015年、世界保健機構(WHO)は、ソーセージやベーコンなどの加工肉は発がん性のリスクがあり、赤身肉もそのおそれがあることを指摘しました*6。

これを受けて、肉食が盛んな国であるベルギーのオランダ語圏の政府*7や、カナダ政府*8が推奨するフードピラミッドでは、加工肉や赤身肉が食品群から外れ、なるべく取らないほうが良いものに分類されました。

カナダのフードガイドでは、植物性のタンパク質を奨励しています。肉食を減らすのは健康に良い、という世界的な流れが出来つつあるのがわかりますね。

また、果物、野菜、豆、全粒穀物、ナッツ類の摂取は、心臓病、糖尿病、卒中、がんの発生率の低下と関連するとの調査結果も発表されています*9。肉を減らして野菜を多く食べることは、環境面だけでなく健康面からみても良いのです。

私たち日本人も、お肉や乳製品を食べる時は、工業型畜産のものではなく、なるべくエコロジカルで健康なオーガニック製品をいただくように心がけたいですね! 皆様も、お肉と乳製品の消費を半分にして、地球にも自分にも優しいヘルシーな生活を過ごしませんか。

チームプランツのインスタグラムでは、野菜中心のレストランの食べ歩き情報を発信しています。
今後、実際に野菜中心の料理を作ったり、食べたりするイベントも企画しています!良かったらチェックしてくださいね。 @teamplantsjapan で検索か、下記のネームタグをスキャンするとフォローできます。

 

グリーンピースチームプランツ田中進

*1 Allievi, F., Vinnari, M. & Luukkanen, J. 2015.
*2 FAO document 2013, Gerber et al 2013, 15pp
*3 IPCC. Weber, D. Zhou, J. Zou, and T. Zwickel, 2014
*4 IPCC 2014: Smith, P., et al. 2014. / Rogelj et al 2016.
*5 Greenpeace livestock vision towards 2050
*6 IARC. 2015
*7 The food triangle for the Flemish population.
*8 Canada’s Food Guide *9 GLOPAN, 2016.