大学内で環境アクションをしている学生個人・グループにオンラインでインタビューする本企画。第1弾は、芝浦工業大学の『SDGs学生委員会ー綾いとー』(以下綾いと)。彼らが昨年の12月に開催した『次世代SDGsフォーラム』(以下フォーラム)は、学内261名、学外69名と多くの参加者が集まる一大イベントとなりました。発足1年で大きなイベントを成功させることができた要因はなんだったのでしょうか?そして、立役者となった学生の皆さんの思いとは?今回は、綾いとのメンバーである阿部汐里さん、田口大樹さん、鶴見菜月さんの3名にお話を伺いました。


※写真提供:SDGs学生委員会ー綾いとー

阿部汐里さん(左):芝浦工業大学/システム理工学部/生命科学科/2年生。自然が好き。
田口大樹さん(真中):芝浦工業大学/システム理工学部/環境システム学科/3年生。サッカー観戦が好き。
鶴見菜月さん(右):芝浦工業大学/システム理工学部/環境システム学科/2年生。地元が好き。

『次世代SDGsフォーラム』のインパクト

次世代SDGsフォーラムの様子(2019年12月)※写真提供:SDGs学生委員会ー綾いとー

まずは、団体について教えてください。
阿部さん:現在、日本全体でSDGs*1への関心が高まっていますが、芝浦工業大学ではSDGsを知らない人・知っているが正しく理解していない人が多くいます。そこで、私たちは「一人でも多くの人にSDGsを他人事とせずに『問題意識』を持ってもらう」ことを目的に活動しています。「連携した活動を積極的に行う」「私達の変革を図る」「大学キャンパスを持続可能な環境にする」の3つを柱に、まず学生のSDGsへの関心や意識を高めるため、環境を整える活動を行います。

次に、学生がSDGsに関する意欲的な企画・実行ができる機会を提供します。最終的に、この自発的な学生の活動が学内から地域や企業、さらには海外を巻き込み徐々に芝浦工業大学のSDGsの輪を広げることを目標としています。

*1 SDGs:持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。(外務省 JAPAN SDGs Action Platform https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html)

ありがとうございます。SDGsを大学生主導で広める活動は今まであまり聞いたことがなかったので、初めてご連絡いただいたとき、とても驚きました。そして大規模なイベントとなった『次世代SDGsフォーラム』。グリーンピースもプラスチック分科会でお話をさせていただきました。イベント全体を通して、皆さんはどんなことが印象に残っていますか?
阿部さん:印象に残っているのは、パネルディスカッションです。さいたま市長や学長をはじめ、立命館大学の学生さん、慶應義塾大学の蟹江先生をお呼びして、次世代主体のSDGs達成に向けた取り組みについてディスカッションを行なったのですが、発足してから1年も経っていないのにここまでできるんだ、という驚きがありました。他にも、学内外の様々な団体が出展するコーナーがあったのですが、そこでは35の学生グループ、21の団体が参加しました。今までは横のつながりがあまり無かったので、今回のフォーラムはお互いの活動を知る良い機会にもなったのかなと思います。

田口さん:私は、大学内の学生団体がこどもたち向けに、SDGsと絡めながらアクセサリー作りやクイズなどを行なう「こども大学」という企画に携わりました。こどもたちは終了時間になってもまだ遊んでいたいというほど楽しんでくれて、とても印象的でした。こどもたちだけでなく、参加してくれた学生たちも楽しそうだったので良かったなと思います。

鶴見さん:私は交流型ワークショップが印象に残っています。そこでは、学生や先生だけでなく、様々な環境団体の方も混ざってディスカッションをし、普段お会いできない方々の意見を聞くことができました。学校の先生以外の大人の方の意見を聞く機会があまり無いので、学生にとっても良い機会だったと思います。

交流型ワークショップの様子 ※写真提供:SDGs学生委員会ー綾いとー

およそ1年で大きなイベントを開催できたワケ

団体発足からわずか1年弱で大規模なイベントを開催されましたが、その成功の秘訣は何だと思いますか?
阿部さん:フォーラムに関しては、当初はここまでの規模を想定していなくて、先輩たちが授業の実習で出会った外部の方とのつながりのおかげで、大きなイベントにすることができました。つながりがつながりを生んでどんどん大きくなっていった、という感じです。
ただ課題として、フォーラムの評価方法をきちんと定めておらず、学生の意識がどれくらい変わったのかを測ることができませんでした。実感としては、SDGsは普段の生活の様々なこととつながっているんだ、と気づくきかっけになったのではないかと思っています。

それぞれのきっかけ

「SDGs月間」活動中の様子(2019年12月)※写真提供:SDGs学生委員会ー綾いとー

– 先輩たちが作り上げた団体ということですが、その活動に参加しようと思ったきっかけは何だったのですか?
阿部さん:私はもともと環境に興味があり、大学に入ったら自分で何か活動できたらいいなと思っていました。こどもの頃から自然が好きで、虫取りでよく遊んでいました。新潟出身で、トキを保護する環境づくりという授業があり、その授業も環境について関心を持つきかっけになっていたと思います。あとは、「視野を広げる」ということも団体に参加した目的のひとつです。

田口さん:私は2年生の時に参加しました。それまで、部活やサークル、学生のプロジェクトなどには参加していなかったのですが、授業だけではもったいないと感じていました。学科の授業でSDGsに触れていたこともあって関心を持ち、団体の雰囲気も良さそうだなと感じ参加しました。実際に入ってみて、普段出会えない大人の方や他の大学の人にも会えて、色々な人とつながりが生まれ、話を聞けるのが面白いです。自分から人と積極的に関わることは少なかったのですが、綾いとではSDGsについても学べるし、人とたくさん会う機会が生まれ、人として成長できると思いました。

鶴見さん:私は大学に入る前に、将来の仕事を考えた時に少し環境に興味がありました。大学に入ってからSDGsを初めて知り、そこで綾いとの団体紹介を聞いて、こんな団体もあるんだと思って興味を持ちました。私の場合は小さい頃から環境に興味があったわけではないけど、将来を考えた時に身近な問題だなと思いました。例えばごみの問題だったり、環境の教育に関すること、都市環境が身近で考えやすいと思いました。

将来は、「好き」と環境をつなげたい

– 最後に、今考えている「これから」のことを、教えてください。
阿部さん:この活動以外にも、「石垣島をもっと元気にするプロジェクト」*2 で海を守る活動をしたことがあり、例えば日焼け止めなど、海に流れ出てしまう薬品に関心があります。生活内で取り入れられる環境アクションとしても、どんな洗剤を選ぶかなど薬品は関係しています。なので、まずは薬品について学べる研究室に進んでみたいなと思っています。

*2 石垣島をもっと元気にするプロジェクト:石垣島のサンゴ礁保全団体や小学校、行政関係者、石垣市観光協会、農業関係者と協力し、現地調査やサンゴ礁保全のためのイベントを開催。(芝浦工業大学 第14回2016年度採択プロジェクト https://www.shibaura-it.ac.jp/campus_life/project/past/2016.htm)

田口さん:元々サッカー観戦が好きで、それ以外に趣味やハマっていることがなかったのですが、綾いとに入ってからはサッカー一辺倒ではなくなりました。また大学に入ってから、環境活動をしているサッカーチームの存在を知りました。環境のイベントを開催すると参加する人が限られてしまうけど、スポーツ観戦に来る人は多様性があると思うので、そのポジティブな面を活かせられたら良いですね。

鶴見さん:具体的なことはまだ考えていませんが、大学の授業や綾いとでもSDGsについて学んでいるので、SDGsと関係のある仕事ができたらと思います。あとは地元が好きなので、地元に貢献できることがあればやってみたいです。元々都市環境に興味があったので、住みやすい街、緑が豊かで自慢できるような街作りができたらと思います。

– 阿部さん、田口さん、鶴見さん、ありがとうございました。
将来のことを聞いた時、まだ具体的に決まっているわけではないけど・・・と少し悩みながらも話してくれた綾いとの皆さん。「大好きな自然を守りたい。」「大好きなサッカーと環境活動を結び付けた仕事をしてみたい。」「大好きな地元を緑豊かで暮らしやすい街にしたい。」3人とも、自分の「好きなもの」と「環境」を結び付けて、将来のことを語ってくれました。

地域を巻き込んだフェスティバルの様子(2019年8月)
※写真提供:SDGs学生委員会ー綾いとー

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