大学内で環境アクションをしている学生個人・グループにオンラインでインタビューする本企画。第6弾は、グリーンピース・ジャパンの大学生ボランティアチーム『プラフリー大学』(以下チーム)。昨年の10月にチーム初となるイベント「プラフリー喫茶」を創価大学で開催。現在は、オンライン座談会をライブ配信する企画を進めています。今回はこの企画を引っ張っている、横山千夏さん、戸井幸乃さんの2名に、お話を伺いました。

左:横山千夏さん:大東文化大学/環境創造学部/環境創造学科/4年生
右:戸井幸乃さん:上智大学/外国語学部/イスパニア語学科/3年生

学生が気軽に参加できる場をつくりたい

チームが主催したイベント「プラフリー喫茶」の様子(2019年10月)

ーまずは、チームについて教えてください。

横山さん:わたしたちは、「学生が環境問題を身近に感じ、共有し行動することによって、学生が安心して暮らせる社会を学生自身がつくっていく」ということをビジョンに掲げ、活動しているチームです。昨年の2月にチームが発足したのですが、このビジョンを決めたのは今年の2月です。発足当初は10人弱の大学生メンバーが参加していました。当時も、このチームで何をしたいか、何ができるのか、何度も議論を重ねました。そしてまずは、環境問題に対するハードルを下げるために、気軽に参加できるイベントを大学内で開催してみよう、という流れになりました。このイベントが「プラフリー喫茶」です。

ー私(スタッフ儀同)も、イベント開催にいたるまでを側で見守ってきました。当日はこれまでの積み重ねが発揮された1日で、とても感慨深いものがありました。改めて、「プラフリー喫茶」について教えてください。

横山さん:はい。このイベントは、マイボトルやマイカップを持参した方にドリンクを提供し、みんなで美味しい飲み物を飲みながら気軽にお話ししよう!というものです。提供したお茶は、ティーパックだとプラスチック製の場合もあるので*1 、茶葉を選びました。ほかにも、会場となった創価大学の地元・八王子産のレモンでレモン水を作ったり、わたしたちのお気に入りのマイボトルや、ステンレスストローなどプラフリーグッズを展示しました。そして、なぜプラフリー喫茶を開催したのか、ということをまとめ、こちらも展示しました。

*1 参考:
BBC NEWS, 『プラスチック製ティーバッグ、100億超のマイクロプラスチックが紅茶の中に カナダの研究チーム』, https://www.bbc.com/japanese/49848528
「プラフリー喫茶」で提供した茶葉とレモン水
展示したパネル

みんなで好きなお茶を飲みながら、プラスチックに関わらず、自分の関心ごとや環境のことなど、色々なテーマでグループごとにお話ししました。プラフリー大学チームのメンバーは所属している大学はバラバラなのですが、今回創価大学の学生さんとお話しでき、新しい視点や考え方に触れることができて、とても有意義な時間となりました。

チームメンバーと参加者がお気に入りのマイボトルを持って。素敵な笑顔!

ーありがとうございます。このイベントの次の企画が、「オンライン座談会」ということですね。

横山さん:はい。チームメンバーが、今の社会を見て思うことを、ゆるく、でもちょっと真面目にZoomで語り合います。普段のチームミーティングのような、ありのままのチームの姿をライブ配信で見せることで、「この活動に参加してみたい」と思う大学生を募ることが目的です。

大学にいながらも、部活やサークルに入らず、「何かしたい。けど何をしたいんだろう…」と悩んでいる学生に、大学という枠を超えて、しかも環境問題解決のために活動できる場所がある、と知ってもらいたいなと思います。初回は5月29日(金)の20時から20時30分です。グリーンピース・ジャパンのYouTubeチャンネルからライブ配信をしますので、ぜひみなさんに視聴していただけたら嬉しいです!

みんな、何かの「きっかけ」から「行動」している

ー次は、それぞれ個人のお話を聞かせてください。このチームや、そもそもグリーンピースのボランティアに参加しようと思ったきっかけは何だったのですか?

戸井さん:もともとプラスチックの問題に関心があり、この問題に対して自分で何かアクションできないかと探している中で、グリーンピースが出てきました。ちょうど昨年くらいから、レジ袋の廃止や有料化など、プラスチックのニュースが増えて話題になっていたかと思います。なぜ日本では過剰包装が流通しているのか、こんなにたくさん自動販売機があるのか。海の生態系にも影響を及ぼしている事実があるにも関わらず、人々の行動や社会的システムが変わっていかないことに疑問を持ち、自分で調べるようになりました。

実は、その前にも高校生くらいの時にTED Talks*2 を見て、インドネシアに暮らす二人の姉妹がプラスチックの問題を解決しようと『Bye-Bye-Plastic Bags』*3 を立ち上げた話を知りました。それにものすごく感動したのを覚えています。子どもや若者でも、社会に変化をもたらすために行動を起こせるんだ、と勇気付けられました。

*2 TED Talks:TED(テド、英: Technology Entertainment Design、アメリカ合衆国のニューヨーク市に本部がある非営利団体)がネットを通じて行なっている動画の無料配信プロジェクト。
*3 Bye-Bye-Plastic Bags:インドネシアのバリ島でグリーンスクールに通っていた、イザベル、マラティ姉妹が2013年に立ち上げたNGO団体。日本でも、彼女らから影響を受けてBye-Bye-Plastic Bags Tokyoが立ち上がっており、本インタビューシリーズでは彼らにも話を伺っている。リンクはこちら。団体のインスタグラム:https://www.instagram.com/bbpbtokyo/

横山さん:私はもともと海洋汚染に関心があり、そこからプラスチックの問題を知りました。調べていてグリーンピースを知り、ボランティアに登録し、説明会でこのチームのことを聞き、参加しようと思いました。初めてボランティアに参加したビーチクリーンのイベントの際に、スタッフの儀同さんからインターンのお話を聞いて興味を持ち、応募しました。現在はインターンとしても活動していて、ボランティアさんたちの窓口となるようなお仕事を担当しています。

海洋汚染を知ったきっかけは、小学校6年生の時に起きた東日本大震災と原発事故です。原発事故によって放出された放射能で引き起こされた、海洋・大気・土壌の汚染が及ぼした大きな影響を身近で経験しました。命に対する危険性を感じましたし、故郷全体が汚染されたことは、とても大きなショックでした。

そこから、環境問題は今までの生活を一変させてしまう大きな影響力があることを実感し、一刻も早く解決しなければならない問題だと考えています。特に、これが人間活動によって引き起こされているんだ、ということに対して強い問題意識を持っています。原発事故も事前に津波がくることを想定して、ちゃんと対策を講じていれば事故は起きなかったと思います。だからこそ、人間が解決するために行動しなければならないと思っています。

「プラフリー喫茶」終了後、参加した学生たちに想いを黒板に書いてもらいました。

一人ひとりが当たり前に地球のことを考えて行動できる社会へ

ー今考えている「これから」のことを、教えてください。

戸井さん:8月から留学予定なのですが、新型コロナウイルスの影響もあり、まだ詳しくは決まっていない状態です。行こうと思っているのは、南米のコロンビアです。コロンビアは、標高およそ2,600メートルの所に首都ボゴタがあるのですが、その街の作りが面白いんです。経済格差や貧困の問題もあって、治安の悪いイメージが多いかもしれませんが、私はそういう面よりも、その国の良いところをもっと見たいなと思っています。

首都から離れたスラム街があるところにもロープウェイが走っていて、標高が高いけど、これが走っているからみんなが移動できます。これがサステナブルなまちづくりに貢献していると感じて、関心を持っています。他にも、コロンビアは生物多様性があり自然がとっても豊かです。もしかしたら行くことは難しいかもしれないですが、もっとこの地域のことを知りたいと思っています。

横山さん:今まさに就活真っ最中です。私は、主要事業として環境問題解決のために活動している企業に魅力を感じます。未来の環境のことをしっかり考えている企業への志望度が高いですね。このような企業で、自分の強みを活かすことができたらと思っています。

戸井さん:就活のことはまだあまり考えられていないのですが、透明性がある企業がいいなと思います。消費者に対し、生産から私たちの手元に届くまでのプロセスを伝えてくれるような、生産者と消費者を繋げることを大事にしている企業に、興味があります。他には、地方で地域の自然や資源を生かして起業している人たちのプロジェクトを見ていて、面白そうだなと思いました。

ー最後に、これからどんな社会になっていって欲しいと思いますか?お二人の想いを聞かせてください。

横山さん:一人ひとりが当たり前に地球のことを考えて行動できるようになっていくことが大事だなと思います。一人ひとりの意識や行動が変われば、世界も変わっていくと思います。そういう社会になって欲しいです。

戸井さん:環境問題は人間が起こしている問題なので、問題を辿っていけば、自分や誰かに必ず繋がりますよね。だから、どんな人にとっても身近に考えられる話だと思います。自分ごとにするためには、みんなどこかで自然と触れ合った記憶があるんじゃないかと思っていて。例えば動物が好きな人は、子どもの頃に昆虫を飼っていたとか。自然と自分が繋がっている記憶があると思うんです。

私もそうでした。そうすると、自然を壊したくないとか、そういう価値観を持つようになると思います。都心に住んでいて、緑がない中で過ごすと、そのような自然との繋がりを感じなくなってしまって、それが多分、価値観にも影響するんだと思います。多くの人が自然との繋がりを感じられれば、社会も変わっていくのではないかと思います。

ーありがとうございました。お話していて、お二人の「社会を変えたい」という強い気持ちを、改めて感じました。二人のように、環境問題に関心を持ち、個人や団体で活動をしている大学生も増えてきています。頼もしいと感じるとともに、これから学生になっていく次の世代が安心して暮らせる社会を、私たちが作っていかなければと強く感じます。

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