グリーンピースは政府や企業からの援助をうけず、独立…

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グリーンリカバリー

外出自粛の間、私たちは、また明るい日常を取り戻すことを心待ちにしてきました。そして、世界各国の政府は、経済を回復させるための政策を次々と発表しています。

でも、本当に「元どおり」でいいのでしょうか?

私たちはコロナ危機によって、人と人とのつながりに感謝し、自宅での日々の暮らしを豊かにすることの大切さを再発見しました。

そして、大気汚染が改善したり、海や川がきれいになって野生動物が戻ってきたというニュースを目にして、自然の力強い回復力に驚きました。

こうした変化を一時的なものにせず、自然の回復力を高めながら、暮らしや社会を立て直していくには、どうすればいいのでしょうか?

日本を含む世界14カ国を対象に行われた世論調査によれば、世界の市民の71%が、気候変動はコロナ危機と同じくらい深刻な危機だと感じ、65%が、アフターコロナの景気回復で気候変動対策を優先させる政府の行動を支持すると言っています。*1

「グリーンリカバリー」 という言葉を聞いたことありますか?

コロナ危機で停滞した社会を、気候変動を抑え、生態系を守りながら立て直そうというのが、グリーンリカバリー の考え方です。

グリーンリカバリーの政策を発表している国の、参考にしたい事例をご紹介します。

*事例の写真はイメージです。

オーストリアのグリーンリカバリー

オーストリアの環境大臣は、ドイツの航空会社ルフトハンザの傘下にあるオーストリア航空への救済金を提供するにあたり、気候変動を抑制するための条件と引き換えにする方針を明らかにしました。

条件には短距離便の減少や、より二酸化炭素排出量の少ない燃料の使用などが検討されています。*2

コロナ対策で飛行機と人の影が消えたドイツ・ハンブルグの空港

フランスのグリーンリカバリー

フランス政府も、航空会社エールフランス-KLMへの融資に、短距離便の縮小と2024年までのCO2排出量の5割削減を求めています。

ブルーノ・ル・メール財務相は、国内線に代わる鉄道のルートができ次第、2時間半未満のフライトの大幅な縮小を行うと表明しました。さらにフランス政府は、より効率的な航空機への切り替えと、2025年までに燃料の2%を持続可能な資源から調達することを呼びかけています。*3

ポルトガルのグリーンリカバリー

ポルトガル政府は、新型コロナウイルスの影響で電気代の支払いが困難になっている国民や事業を援助するために、自家消費用の小規模電力プロジェクトの認可までのプロセスを短縮しました。通常よりも短期間で認可され、ソーラーパネルの所持者は、パンデミック中に電気を安く使うことができるようになりました。*4

カナダのグリーンリカバリー

カナダ政府は、大企業への支援策について、気候変動を抑えるための具体策の開示を条件にしました。

また、国の石油・ガス事業について、メタンを中心とする温室効果ガスの排出量を減らす姿勢を示しています。経済の復旧計画には、石油・ガス会社の温室効果ガス排出削減のために、7.5億カナダドル(およそ600億円)の経済支援の計画が記載されています。*5 (Launching the Emissions Reduction Fundのセクション)

カナダの石炭火力発電所へ向かう燃料輸送

スイスのグリーンリカバリー

スイス政府は、太陽光発電設備の助成金制度への増資を発表しました。*6

スイスの太陽光発電の助成金制度は2018年に開始され、多くの消費者が太陽光発電システムを導入する大きな後押しとなりました。

今回その助成金制度が増資され、投資の回収期間が短縮されます。太陽光発電の設置に関心を持つ消費者の不安を解消して、設置のインセンティブをつくることで、太陽光発電の成長を支援しています。

なお、スイスでは、水力発電、原子力発電に続いて、太陽光発電が3番目に主要な電源となっています。

国連とEU、世界の大都市も

国連事務総長もグリーンリカバリーを呼びかけています。

EU加盟国17カ国の大臣は、グリーンリカバリーに重点を置いた政策をうちだす方針です。*7

気候危機に取り組む大都市による国際ネットワークである「C40」も、コロナ危機からの復興は、「これまで通りのビジネスへ戻る」のではなく、公正で持続可能でなければと訴えています。*8

企業のグリーンリカバリー

「持続可能な回復」を求めているのは政府や自治体だけではありません。

国連環境計画とともに世界中の投資家グループが参加している「the Investor agenda」は、コロナ危機からの「持続可能な回復」を求める声明を発表しています。*9

また、世界中の155もの企業が「ネットゼロ・リカバリー」声明に署名しました。日本企業も前田建設工業、丸井グループ、高砂香料工業、YKKが参加しています。*10

アメリカでは、大小300社以上の企業が経済回復と同時に気候変動解決に取り組む必要性を、「Build Back Better – より良く立て直す」として、訴えています。*11

環境にも社会にも優しい再生を実現するのは私たちの声

気候変動を抑えながら経済や暮らしを豊かにしていくのは、もはや先進的なことではなく、当たり前のことなのかもしれません。

日本でも「グリーンリカバリー 」の流れをつくって、加速させていけるかは、私たちの声にかかっています。

最後に、グリーンピースも連名している、NGOの「Just Recovery」社会を公正に再生させる5原則をご紹介します。みなさんは、これから社会を再生させるために、何が必要だと思いますか?ぜひコメントで教えてください。

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いまこそ経済、人、自然の関係を考えなおすタイミング まず政府は #新型コロナウイルス 感染症の拡大から、いのちと暮らしを守ることを最優先すべきです。 しかし、それによって現在進行中の #気候危機 への取り組み後回しにするべきではありません。気候変動のために、地球上のすべての命が脅かされ、多くの専門家が指摘しているように、未知のウイルスの発生や蔓延のリスクをも高めるからです。 また、今までにない世界的な不況が予想されています。 そのため、政府の対策には、サステナブルな経済と社会への移行を進めることが求められます。気候危機・自然災害・気候関連の疾病の原因となる、石油や石炭といった化石エネルギーではなく、自然エネルギーへの支援を増やしていく必要があるのです。 そのような経済の「グリーン改革」は、新しい雇用を生み出して経済を安定させ、次の世代の暮らしをより良いものにすることができます! グリーンピースは今月3日、緊急経済対策が、中長期的な公衆衛生のリスク抑制と持続可能な社会・経済への投資となるよう提言書を政府に提出しています。 詳しくはプロフィールのリンク @greenpeacejp からご覧ください。 #気候変動 #地球温暖化 #環境 #エコ #エコロジー #サステナブル #自然 #エシカル #ポジティブ #コロナ対策 #環境に優しい

A post shared by Greenpeace Japan グリーンピース・ジャパン (@greenpeacejp) on Apr 29, 2020 at 10:09pm PDT

  1. 例外なくみんなの健康を最優先に
  2. 人々の暮らしを直接支える経済支援を
  3. 企業の役員ではなく労働者や地域を助けて
  4. 危機が起きても回復力のある社会づくりを
  5. 人々の権利を守り、境界を作らず、助け合おう

世界の事例を集めてくれたのは、グリーンピース・ジャパン気候変動インターンの未菜さんです。ありがとうございます!