私たちの誰もが、街を歩いていて、おそらく1日一度は、使い捨てマスクが道端に落ちているのを見かけているのではないでしょうか。

新型コロナウイルスによる混乱が続き、手指を消毒し、外出時にマスクを身につけることが定着しました。特にマスクをつけることは、「利他の心」で、相手を感染させないように思いやるマナーの一つにもなっています。

使い捨てマスクの多くは、プラスチックでできています。実は、使い捨てマスクや使い捨て手袋の廃棄が、新たな問題をもたらしています。

環境科学と技術分野の研究によると、新型コロナウイルス流行期間中に世界中で毎月およそ1290億枚の使い捨てマスクと650億枚の使い捨て手袋が利用されているといいます。使い捨てごみが増えることで環境汚染を世界規模で拡大させるだけでなく、正しく廃棄されなかったマスクや手袋が、ウイルス蔓延の媒介となり、危険をもたらす可能性も明らかになりました。*1

使い捨てマスクの焼却が大気汚染も

国連も、使い捨てマスクや使い捨て手袋などの、個人防護具(PPE:Personal Protective Equipment) の過剰な廃棄物に対処するために、各地域で焼却炉を増設することを提起しました。*2

こうした焼却炉などは、世界的に見ても特に経済的に困窮するコミュニティに偏っていることが多く、社会的に不利な立場に立たされているコミュニティが環境汚染の影響を受けやすいことも事実です。すでに高い割合となっているコロナによる発症率と死亡率*3をさらに悪化させる危険があります。

リユースマスクで感染拡大を防げる

医療の現場などで最前線に立っているエッセンシャルワーカー以外は、繰り返し使えるリユースマスクも、しっかりした作りのもので、定期的に洗っていれば、ウイルスの拡大を防げることは、衛生の専門家も確認しています。米国エール大学の医療環境持続可能性部門のプログラム長を務めるジョディ・シャーマン博士はこう語ります。

「一般市民は再利用可能なマスクを定期的に洗浄しながら使うべきです。個人の安全のために買い物に使い捨て手袋を使用することは不必要であり、地球環境にとっても有害となります。手指消毒剤または石鹸や水はどちらも安全で効果的です」

一般の私たちがリユースマスクを使うことは、使い捨てマスクや医療用マスクが必要なエッセンシャルワーカーに、マスクが行き渡ることにも役立ちます。

リユースで健康と地球環境を守る

地球環境が健康でなければ、私たちの健康を守ることはできません。

使い捨てプラスチックは大気と水そして土壌を汚染しており、私たち健康も影響を受けています。使い捨てプラスチックをやめることは、健康を守ることにもつながっています。

20カ国、130人以上の保健衛生専門家が、繰り返し使うマイバッグや容器も、きれいに洗浄されていれば安全に使用できることを保証する提言に署名しました。

詳しく読む:コロナ禍で使い捨てプラの方が安全はウソ:衛生専門家119人がリユースに太鼓判

私たちはいま、地球規模で、試練を受けています。もし世界中の人たちが使い捨てマスクを毎日選び続けたら、私たちは新しい危機に直面します。世界では使い捨てプラスチックの問題はすでに深刻です。

清潔に保たれたリユースマスクやマイバッグ、マイ容器をできるだけ使って、使い捨てプラスチックごみを減らし、私たちの健康と、地球の健康を守って、新型コロナウイルスの試練を乗り切りましょう。

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