気候危機をとめるために「ゼロカーボンシティ」を宣言する自治体が、毎週のように増えています。「ゼロカーボンシティ」とは?自分が住んでいる/働いている自治体で、気候危機対策を進めるために、私たちにできることはなんでしょうか?

最新ゼロカーボンシティUPDATE:2020年10月16日

祝! 世田谷区「ゼロカーボンシティ」宣言

10月16日、世田谷区が「ゼロカーボンシティ」を宣言しました。世田谷区気候非常事態宣言の中で2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロをめざすと表明したのです。

いままでに、日本でおよそ160もの自治体がゼロカーボンシティ宣言をしています。

ゼロカーボンシティとは?

「ゼロカーボンシティ」というのは、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする、と目指す自治体のことです。

例えば、自治体はその地区から排出される二酸化炭素をなくすために、こんなことができます。

・まず、庁舎の電気を自然エネルギーに変える

・公共施設や域内事業所の省エネと自然エネルギー導入を推進

・家庭の省エネをサポート

・地域の自然エネルギー事業を推進

徹底した省エネ策と自然エネルギーの導入策がカギですが、それを実現するのは、住民参画です。これらは、地域経済の活性化にもつながります。

いま、気候危機への対策によってコロナ禍からの復興をめざすグリーンリカバリーが注目を浴びていますが、地域経済の立て直しにも、気候危機回避策は有効です。省エネや再生可能エネルギーへの公的支援という意味だけでなく、その地域で化石燃料を買っているお金が、地域の事業にまわることになります。

なぜいま「ゼロカーボンシティ」?

なぜ、多くの自治体が「ゼロカーボンシティ」を宣言しているのでしょうか?

それは、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにしなければ、今年も多くの人々の命を奪った猛暑、集中豪雨、大型台風などの異常気象が、さらに激甚化してしまうからです。また、温暖化による海面上昇で、陸地が減ってしまい、住まいを奪われる人も増えるでしょう。このほかにも、伝染病が増える、食べものも作れなくなるなど地球温暖化の影響は深刻です。

豪雨で冠水した佐賀県大町町の住宅地。近くの鉄工所から大量の油が流出した(2019年8月30日) © (c)MASAYA NODA/Greenpeace

国連IPCC報告書は、暮らせる地球であるためには、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5度未満に抑えなければならない、そのために、世界のCO2排出量を2010年比で、2030年までに半減させ、2050年までには実質ゼロにしなければならないとしています。

こうした目標の達成に向け、「2050年に温室効果ガス又は二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることをめざす旨を首長自らが又は地方自治体として表明した自治体」を「ゼロカーボンシティ」として、国が国内外に発信しています。

環境省ホームページより


22もの都道府県が「ゼロカーボンシティ宣言」をしていますが、さらにその中の市区町村等が「ゼロカーボンシティ」に取り組む必要があります。

たとえば、東京都は宣言していますが、東京都の市区町村で宣言しているのは、葛飾区、多摩市、そして10月16日に宣言をした世田谷区だけです。

いくら東京都ががんばっても、東京都の中の62市区町村が、がんばらないと東京都の二酸化炭素排出実質ゼロは実現しません。

あなたのまちをゼロカーボンシティに

そこで、グリーンピース・ジャパンでは、自治体ぜんぶをゼロカーボンシティにしていくキャンペーンを9月から開始しました。

あなたも参加してみませんか?ぜひ、ご自分の自治体について取り組んでみてください。

こんなことから始めてみよう

・ 自分の自治体が「ゼロカーボンシティ」宣言をしているかどうか、調べる

ゼロカーボンシティ一覧はこちら 表明した地方公共団体の取組一覧はこちら

・ 宣言をしていなければ、自治体の長(市区町村長)に、「ゼロカーボンシティ宣言をしよう」と呼びかける。市区町村長や行政に意見を送るWEBフォームを活用したり、手紙を書いたり、電話をしたりしてみませんか。

・宣言をしている自治体であれば、「環境基本計画」や「温暖化対策基本計画」などを読んで意見を送ってみる

ぜひ、できることから、はじめてみませんか。 

グリーンピース・ジャパンが事務局となり、「ゼロエミッション東京を実現する会」フェイスブックグループを運営しています。東京のゼロエミッションに取り組んでいる、または取り組みたいという方を募集しています。

12月20日14時〜 「ゼロエミッション東京シンポジウム」(オンライン)を開催します。ぜひ、ご参加ください。詳細と申込み