東電福島第一原発
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#原発 #有害物質 放射能汚染水を海洋放出しないで

東京電力福島第一原発事故から8年たっても増え続ける…

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東京電力福島第1原発の放射能汚染水に関して、国連の専門家が、3月11日に声明を発表しました(注1)。汚染水は環境と人権にとって重大なリスクをもたらすため、太平洋に放出するのは受け入れられる解決策ではなく、また意思決定プロセスへの住民関与が十分でないと指摘しています。国際社会は、100万トンを超える放射能汚染水の行方を注視しています。

汚染水の海洋放出は人権侵害

今回声明を発表したのは、国連の有害物質に対する人権に関する特別報告者、身体的および精神的健康に対する権利に関する特別報告者など5人。汚染水を太平洋に放出することは、子どもたちの将来的な健康リスクを高めるなど、人権侵害にあたると警告しています。

コントロールに失敗した放射能汚染水 

放射能汚染水とは、事故をおこした原子炉を冷やすために入れた水、原子炉建屋に流れ込む雨水、山側から海側へと流れている地下水が、溶けた燃料に触れたり、すでに溜まっている放射能汚染水と混ざったりして、発生してしまいます。これまでに100万トン以上が発生しています。これを放射能除去装置で、この装置では取り除けないトリチウム以外の放射性物質を取り除くことになっていましたが、2018年9月、除去装置を通した水のうち、84%が基準を満たしていなことが明らかになりました。

汚染水が引き起こす人権侵害

今回の声明は、汚染水を太平洋に流すことは人権侵害だとしています。放射能については、どんなに少ない線量の放射線でも危険と仮定して「合理的に可能な限り被ばくを低減する対策をとる(ALARAの原則)」ことが国際的にも採用されています。放射能には、これ以下であれば安全である、というしきい値がないからです。

将来の世代の人権侵害

国連の特別報告者は、海洋放出は、将来の世代への人権侵害になる可能性があると警告しています。100万トン以上の放射能汚染水を海に流せば、将来の世代が影響を受けるかもしれないからです。

特別報告者が指摘する住民参加の欠落

また、意思決定プロセスへの住民参加がないことも、深刻な問題だと特別報告者は指摘しています。処分方法を巡っては、国の有識者会議で検討され、住民参加がないままに、大気や海洋などへの環境への放出が選択肢としてまとめられました。それらの選択肢の是非を問うため開かれた公聴会では、環境放出への反対が大多数を占め、陸上保管を含め国の小委員会で検討することになりましたが、2020年2月に出された報告書は結局、海洋放出か水蒸気による大気放出が現実的、と結論づけました。その後、コロナ禍で一般傍聴ができないなどの制約のあるなか「ご意見を伺う場」が開催されました。その場でも、経産省が「関係団体」とした業界団体や自治体の意見を聞くのみでした。

第46回国連人権理事会で放映されたスピーチ映像 

国連人権理事会で東電福島原発事故被害者の女性がスピーチ「何も終わっていない」

国連特別報告者の声明発表に先立つ3月10日、第46回国連人権理事会の場で、東電福島第一原発事故の被害者の片岡輝美さんのビデオ演説が放映されました。「これ以上海を汚すな市民会議」で活動している片岡輝美さんは、「東電福島原発事故が発生してから10年になります。しかし、終わったことなどなにもありません」と訴え、放射能汚染水を海洋に放出しないよう、国際社会の協力を求めました(注2)。

海洋放出に代わる方法はある

溜まり続ける放射能汚染水の処理は、海洋放出しない方法もあります。水漏れしない、地震にも強い堅牢なタンクに移し替えて、長期保管し、その間に、除去装置でとれない放射性物質や、除去するはずだったけれど除去できなかった放射性物質を取り除く技術を開発・適用すべきです。そうした代替案について、真剣に検討すべきです。

私たちにいまできること

政府は2020年秋にも、太平洋への汚染水の放出を決定すると報道されていました。しかし、福島の漁師グループなど地元の方々をはじめ、全国から、そして世界からも太平洋への放出に反対する声があがり、2021年3月現在、政府はまだ決定を発表できずにいます。私たちの声が、確実に届いています。

海洋放出ではなく、より安全で、福島の地元の方々の暮らしも、海の生態系も、未来の世代も守る解決策を求めて、ぜひ、経済産業大臣と東京電力に、放射能汚染水放出をしないことを求める署名にご参加ください。

注1)原文はこちら  グリーンピース・ジャパンによる仮訳はこちら
今回連名で声明を発表した国連特別報告者は以下の通り:
マルコス・A・オリャナ氏、有害物質に対する人権に関する特別報告者
マイケル・ファクフリ氏、食料に対する人権に関する特別報告者
セシリア・ヒメネス・ダマリー氏:国内避難民の人権に関する特別報告者
トゥラレン・モフォケン氏、身体的および精神的健康に対する権利に関する特別報告者
ペドロ・アロホ・アグド氏、安全な飲料水と衛生に対する人権に関する特別報告者
注2) 第46回国連人権理事会 片岡輝美さんのスピーチは、こちらのUN WEB TVからご覧になれます。【00:18 チャプター 12International Association of Democratic Lawyers (IADL), Ms. Terumi Kataoka
スピーチ原稿(日本語)はこちら