電気自動車（EV）、ハイブリット車、ガソリン車、結局どれが一番エコ？

CO2排出が少ない車はどれ？

結論からはじめましょう。この記事では、生産から廃棄までのCO2排出量で比較していきます。

イギリスの団体、Transport and Environmentの報告書によれば、CO2排出量が少ない車ランキングはこちらです*。

1. 電気自動車（EV)
2. プラグインハイブリッド車（コンセントから直接バッテリーに充電できるハイブリッド車）
3. ハイブリッド車
4. ディーゼル車
5. ガソリン車

電気自動車（EV)はなぜCO2が少ない？

車から出るCO2は、主に1) 生産段階で出るCO2 と、2) 走行中に出るCO2があります。

Transport and Environmentの報告書にある、このグラフで見てもわかるように、電気自動車は、他の車と比べて、圧倒的に、生産から廃棄までに出るCO2排出量が少ない車です。

電気自動車は、バッテリーやパワートレイン（エンジンで作られた回転力を駆動輪へ伝える装置類）があるため、生産がより複雑で、生産段階でのCO2は他の車よりも多くなりますが、使用中はCO2排出がゼロになるためです。

ボルボ、ジェネラル・モーターズ、 ジャガーなどの国際的な企業や、日本ではホンダも、CO2排出ゼロを実現するため、ガソリン車を廃止し、電気自動車に移行することを発表しています。

また、ノルウェーは2025年までに、スウェーデン、デンマーク、オランダは2030年までに、イギリスは2035年までに、自動車新車販売でガソリン車をゼロにする目標を立てています。

ハイブリッド車は本当にエコ？

同じグラフで注目したいのは、ハイブリッド車から出るCO2です。

一般的にハイブリッド車は、環境に良いというイメージがありますが、実際には、ガソリン車よりも少しCO2排出が少ない程度でしかありません。

部分的に電気を使うため、同じ距離を走るための化石燃料は、ガソリン車よりも少なくてすみますが、総合的なCO2の排出量で見ると、少ししか変わりません。

さらに、生産がガソリン車よりも少し複雑なため、生産段階で出るCO2は、ガソリン車よりも多くなります。

「合成燃料」と呼ばれる、発電所や工場から回収したCO2と水素を合成して作られる液体燃料は、自動車の燃料としても利用可能でハイブリッド車でも使われます。しかしそれを使った場合でも、通常の日本の家庭のコンセント（石炭や石油、天然ガスを使って作られた電気）から充電した電気自動車よりも、排出されるCO2は多くなります。

ハイブリッド車は、ガソリン車よりも”ベター”ではあるけれど、解決策にはなっていないのです。

1回の充電で東京から名古屋まで行ける

電気自動車については、「充電スポットが足りない」、「長距離の運転が心配」などの心配の声が上がることがありますが、平均的な電気自動車は、1回の充電で、320km走行することができます*。東京から名古屋ほどの距離です！

そして、電気自動車なら、ガソリンスタンドに行ってガソリンを買うのではなく、家で充電することができます。

家の屋根に太陽光パネルが設置されていれば、自家製の自然エネルギー電気で東京から名古屋まで行けることになります！

さらに、経済的にもいいことがあります。

イギリスとヨーロッパでは、ガソリン車から完全に電気自動車に移行することによって、雇用が増え、個人生活者の貯金も増えると予測されています*。

誰もが安全に快適に、環境に優しく移動できる社会へ

この写真を見たことはありますか？

都市部で、200人の人が、車で移動した場合、徒歩で移動した場合、自転車で移動した場合、バスで移動した場合を、街の風景がどう変わるかをわかりやすく示した画像です。

人々が自転車や徒歩、公共交通機関で移動することができたら、街はこんなに広く、安全になります。その上で、車が必要な人は電気自動車を使えるようになれば、環境への負荷を下げて、みんなが快適に移動できるようになります。

住む場所を問わず、車を減らしても快適に暮らせる街づくりを政府や企業と一緒に、実現していきましょう。

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