10月31日から11月12日まで、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が開催されます。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期されたこの国際会議は、2015年の「パリ協定」以降で最も重要な気候変動対話となります。
このブログでは、COPとは何か?そしてそれが日本に住む私たちに、どのような関係があるのか?を解説していきます。

今年8月、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は最新の報告書を発表しました。

世界の温室効果ガス濃度が、200万年ぶりの高水準に達していること、そして、世界平均の気温は産業革命前に比べ、すでに1.09℃上昇し、気温上昇を1.5℃にとどめるという国際的目標まであと0.41℃とし、さらに、1.5℃上昇の時期が3年前の報告書より10年前倒しになったことを明らかにしました。

地球規模で気温が上昇すると、海面が上昇し、干ばつや山火事、洪水などの異常気象が、今よりさらに多発するようになります。

気候が危機的状況にある中、COP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)では、世界のリーダーたちが集まり、温室効果ガスの新たな排出削減目標や戦略、「パリ協定」の達成に向けた行動などについて議論します。

COPとは?

COPは、Conference of the Partiesの略で、そのままでは締約国会議という意味です。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に参加する国が参加する、最も歴史があり、大きな気候変動会議です。1995年から毎年開催されており、約200人の世界のリーダーが集まり、気候変動の解決策や国際協力の仕組みについて議論しています。

当初2020年に予定されていたCOP26は、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により2021年10月31日~11月12日に延期されました。スコットランドのグラスゴーで開催されます。

「パリ協定」から6年

2015年に開催された第21回気候サミット(COP21)では、2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みとして「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」という目標達成に向けて取り組むことに合意した「パリ協定」が採択されました。

2015年、COP21でパリ協定に合意し、地球の平均気温の上昇を2℃まで、そしてできる限り1.5℃までに抑えることに合意。

IPCCは、温暖化を1.5℃に抑えるためには、2030年までに世界の温室効果ガス排出量を半減させ、2050年までに排出量の「ネットゼロ(実質ゼロ)」を達成することが必要と警告しています。 

紆余曲折はあったものの、「パリ協定」によって排出量ネットゼロに世界的に合意形成されました。各国政府はネットゼロ目標を法令に明記し、各部門を動員して「ネットゼロ達成に向けたロードマップ」を立ち上げ、経済的により進んだ加盟国は世界のエネルギー転換を支援するための発展途上国に対する資金提供を約束しています。

気候変動対策の”中間テスト”

パリ協定では、締約国は5年ごとに温室効果ガス削減の進捗状況を確認し、目標を更新することが求められています。 今回のCOP26は、いわばパリ協定後初めての中間テストです

しかし今のところ各国が提示している削減目標をすべて合わせても、1.5℃に抑えることはできないと試算されています。先週発表された最新の国連環境計画(UNEP)の年次報告書「排出ギャップ報告書」は、地球の気温が今世紀中に平均で2.7℃上昇することが見込まれると公表しました。

ロシアの石炭火力発電所(2020年6月)

COP26でのグリーンピースの活動内容は?

グリーンピースは、グローバルなネットワークを活用して、世界の市民の声を政策決定者に届け、このような気候変動対策を加速するよう働きかけていきます。

  • 化石燃料の脱却を加速し、石炭や石油、天然ガスなど燃焼時にCO2を大量に排出する化石燃料の新たなプロジェクトを即座にやめ、クリーンな自然エネルギーに置き換えること
  • 2030年までに世界の排出量を半減させるための、具体的な計画を提示すること
  • 確実な排出削減につながらない「カーボン・オフセット」を却下すること
  • 経済的に豊かな国から、年間1000億ドルの支援を確保し、途上国での気候変動への適応や、化石燃料から自然エネルギーへの移行を支援する。さらに、途上国ですでに起きている気候変動による損害を補償するため、それ以上の額を確保する。

さらに、自然の力で炭素を地中や海中に留めて置けるように、健全な森と海を守ること、そしてこうした気候変動対策を、労働者や市民の権利を侵害しない形で成し遂げることが必要です。

グリーンピースは独立した国際環境NGOです。私たちの活動のすべては、一人ひとりの個人の寄付のみに支えられています。より強く政策決定者に働きかけ気候変動対策を加速するためにも、寄付を通じて私たちの活動を応援してください。

あなたのご寄付は大きな力になります。

カーボン・オフセットとは

途上国などにおける自然エネルギーの導入や温室効果ガスの排出を削減・抑制するプロジェクトによる削減量や吸収量をクレジットとして認証し、購入することなどにより、自らが排出している温室効果ガスを相殺することです。温室効果ガス排出削減・吸収を一層促進する仕組みのように謳われますが、実際は企業が、植林したり既存の森を購入することで、カーボンクレジットを取得し、その分の炭素を排出し続けることができてしまいます。つまり、オフセットをしても、大気中に排出される炭素の量は変わらず、地球の気温は上昇し続けます。また、先進国国内の脱炭素社会へのシフトが遅れるなど確実な排出削減につながらないなどの問題点もあります。このように本質的な対策にはならず、逆に気候変動対策を遅らせることになります。

ボトムアップ:都市が気候変動対策に参加するために

パリ協定では、これまでの中央政府主導のトップダウン型の政策ではなく、地方自治体、企業、市民社会が一体となったボトムアップ型の気候変動対策が初めて盛り込まれました。

実際、地方自治体は気候変動対策の取り組みにおいて重要な役割を果たしています。特に人口密度の高い都市では、気候災害の最前線であるだけでなく、多大な温室効果ガスの排出源にもなっています。 

国連環境計画(UNEP)によると、エネルギー集約型の都市は世界の温室効果ガス排出量の70%以上を占めています。都市は衣・食・住や輸送、製造業などの分野で、炭素削減や気候変動への適応策を計画することが重要です。

2021年までに、世界の1900以上の地方自治体や組織が「気候緊急事態」を宣言し、二酸化炭素削減に対する地域のコンセンサスを高めています。 しかし、具体的な政策の立案とその実施こそが最も重要です。

東京都に気候変動対策を求めるFridays for Future Japanに多くの人が賛同し、何百人もの人々がマーチに参加した(2019年11月)

日本の都市は大丈夫?

グリーンピースによるシミュレーションは、このままのペースで温暖化が進めば、2030年には、全国で600万人以上の人々が、温暖化による海面上昇と台風などに伴う高潮の影響で、浸水や冠水の被害を受けることを示しています。

日本では、東京が2050年までの排出量「ネットゼロ」を宣言し、2021年10月現在、90の都道府県や都市が「気候緊急事態」を宣言しています。

私たち市民の声で、自分たちが住む街の気候変動対策を加速させることができます。この署名で、あなたが住んでいる都道府県の知事へ声を届けませんか?

あなたの一歩が、明日を変えます。

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