#原発 #有害物質

放射能汚染水を海洋放出しないで

東京電力福島第一原発事故から8年たっても増え続ける…

参加する

国際放射線防護委員会(ICRP)が、東京電力福島第一原発事故を踏まえての勧告案(英語)へのパブリックコメントをおこなっています。

ICRP勧告は、日本を含む、各国の放射線防護の政策に反映されるものです。

今回の勧告案に対して、原発事故を経験した日本からもパブコメを出しましょう。(すぐ出したい方は 出してみよう!へ)

日本の市民からの要請で、主要部分が翻訳され、(下記のお知らせ参照)日本語でのコメントも受け付けることとなっています。(なんでも、声をあげることが大事ですね!)

要請を受けて、翻訳された主要部分はこちらです。

(日本の市民団体で残りの部分の仮訳もつくっています)

ICRPでも、当事者の声をぜひ聞きたいと言っているそうなので、ぜひ、短くてもパブコメを出しましょう。

以下、わたしが最も問題だと思う点についてお話します。

 

勧告案の問題点

ICRP WEBSITE

1.呼びかけが英語

まず、何より、東電福島原発事故をうけての勧告案なのに、パブリックコメントの呼びかけが日本語になっていないというのが問題だと思います。

・全文が日本語にはなっていない(いま日本のNGOで翻訳を進めています)
・WEBサイトからの提出が日本語で受け付けられるかどうかよくわからない
・日本語になっていないうちに締め切りを設定すべきでない
・日本で公聴会を開催すべき

<9月5日追記>9月4日、以下の告知がでていますが、ICRPのホームページからはよくわかりません。

ICRP告知

2.原発事故被害者を守るものになっていない

もうひとつの点は、この勧告案が原発事故被害者を守るものになっていない点です。

「放射線によるリスクは線量が増えれば増えるほど増加する」をもっとはっきり 

ICRPは、これまでも、放射線によるリスクは線量が増えれば増えるほど増加するとする「しきい値なし直線モデル」(LNTモデル)を採用しています。それは国際基準の基礎をなす知見となってきました。

今回の勧告案でも、この考え方が前提となっていて、以下のように記されています。

発生確率が線量とともに増加し、重症度が線量に依存しないがんおよび遺伝性の影響は、放射線防護のためにしきい値を持たないと仮定される。

しかし、東電福島原発事故後、日本政府は「100ミリシーベルトまでは健康影響はありません」とコミュニケーションしています。

よって、「しきい値なし直線モデル」を採用すべきことを、もっとはっきり書くべきだと思います。

原発事故が起きた地域の被ばくは年間10ミリ以下…は高すぎる

いくつかの報道にもあるように、今回の勧告案のポイントは、「原発事故が起きた地域で生活する住民の被ばくをどの程度までに抑えるべきか」についてです。

日本では、年間20ミリシーベルト以上被ばくする地域について避難、年間20ミリシーベルト以下になると予測される地域について解除となっています。しかし、解除の後は、「長期的に年間1ミリシーベルトをめざす」という期限のない努力目標のようなものがあるだけです。

勧告案では「原発事故が起きた地域で生活する住民の被ばくをどの程度までに抑えるべきか」について、「1〜20ミリシーベルトのバンドの範囲内またはそれ以下から選ぶべきである」として、さらに「そのレベルは年10ミリシーベルトを越える必要は一般的にはないであろう」としています。その上で、「年1ミリシーベルト程度のレベルになるように徐々に低減することである」としています。

日本の現状では、年間20ミリシーベルトで解除、長期的に年間1ミリシーベルトをめざす、となっていますが、そこに中間的な目標を設定することを求めているように読み取れます。

一見、良いことのように見えますが、そうでしょうか?

今、日本ではすでに事故発生から8年も経過しているにも関わらず、この年間10ミリという値が設定されてしまえば、10ミリシーベル以下であればよいと考えてしまう結果、年間1ミリシーベルトへ下げるための対策がおろそかになってしまうのではないかと心配になります。

・生涯被ばく線量の考慮を

被ばくした線量はどこかの時点でリセットされてなくなることはありません。
すでに原発事故発生時に大量の初期被ばくを受けている住民が現状で年10ミリシーベルトを受けてもよいことになれば、生涯に浴びる線量は非常に高くなります。
そもそも、日本では、生涯にこれまでしか浴びてはならない、という「生涯被ばく線量」が設定されていないという問題があります。

たとえば、チェルノブイリ法は「86 年生まれの子ども達に生涯 70 ミリシーベルトを超える被ばくをさせない」という考えに基づいているそうです。

まず、生涯被ばく線量が設定されていれば、平均寿命を考慮して、帰還しても生涯被ばく線量を超えるか超えないかで避難指示の解除について少しは合理的な判断ができるようになるのではないでしょうか。

避難指示の解除や解除後の放射線防護について住民参画を

もうひとつ重要な点は、住民参画です。勧告案では「人々が生活に関する情報提供をもとに自身で決定できるような実際的な放射線防護文化を育成する目的で、当局、専門家およびステークホルダーが共に活動を行い、被災地域の経験と情報を共有する」とあります。

ステークホルダーは、「住民」も含まれるものと解釈してよいと思います(ただし、これもさまざまに解釈できるので、「住民」としっかり書き込むべきだと思います)。これも一見良いことのように聞こえますが、住民に提供される「情報」が偏ったものでないか?専門家もしかりです。当局の都合のよい専門家や住民組織が選ばれ、共に活動をおこなっても、実際の被ばく軽減につながる放射線防護文化は育成されないでしょう。

この他にもさまざまな問題点があり、NGOなどが指摘しています。また、ICRPの委員には日本人もいて、そのうちの一人、甲斐倫明氏が、8月4日に開かれたイベント「福島ダイアログ」でICRP勧告案について資料を発表しています。

録画映像

8月22日には、阿部知子衆議院議員事務所による規制庁の担当者を呼んでのヒアリングが行われました。
録画映像やそのときの資料はOurPlanetTV(アワープラネットTV)のこちらのサイトにあります。

その他のNGOの映像・資料

ICRPにコメント提出しました~年1mSvの堅持を。人々の被ばくを避けて暮らす権利の保障を FoE Japan

ICRP「大規模原子力事故後の放射線防護」勧告草案に意見を出そう!(9/20まで)  FoE Japan

FFTV 徹底解説!ICRP(国際放射線防護委員会)勧告案にパブコメを!ゲスト/瀬川嘉之さん FFTV

20190823 UPLAN ICRP新勧告(案)のパブコメ募集に関する記者会見 〜福島原発事故の教訓を反映した勧告を〜UPLAN

 

出してみよう!

では、実際に出してみましょう。

1.コメントを用意する。

たとえば、

・ 全文を日本語にしてください
・ 日本語のうけつけサイトを作ってください
・ 日本の各地で公聴会を開いてください
・ 締切を年末まで延長してください

など、受け付け方に関するもの

・ 年間1ミリシーベルトを目指す場合の、時間枠を設定するように勧告してください
・ 生涯被ばく線量を設定するように勧告してください
・ ステークホルダーを定義し、住民も含まれることを明らかにしてください

などの中身に関わるもの

また、ご自分の被害の経験を伝える文章でもよいと思います。

特に字数制限はないようですが、たくさんのコメントが世界中から届くので、きちんと読んでもらうためには、簡潔にまとめたほうがよいでしょう。

案にはすべての行に数字がふってありますので、特定の場所に対するコメントは、対応する行の数字を示すとわかりやすくなると思います。

<以下9月5日修正>

締切は、ICRPのホームページでは9月20日となっていますが、原子力市民委員会などからの締切延長の要請を受けて、10月25日までとなっています。

準備できたら、こちらのサイトにいき、緑の「submission」ボタンを押します

すると以下の画面になりますので、名前やメールアドレス、電話番号、組織(なければ I am replying as individualを選び、 oraganizaion もindividualと記入します)、そして本文をはりつけて、 【Submission】ボタンを押せば完了です。

原文は92ページあって、http://www.icrp.org/docs/TG93%20Draft%20Report%20for%20Public%20Consultation%202019-06-17.pdf 本文(約60ページ)、チェルノブイリについて書かれた附属書Aと東電福島原発事故について書れた付属書B(それぞれ10ページ程度)と用語集などに分かれています。やっぱり全文を日本語にしてほしいですね!なので、「全文を日本にしてください」という意見を出すことが重要です。

私たち、一人ひとり当事者が意見を出して、しっかり放射線防護ができる勧告をつくりましょう!

……………………

【勉強会のご案内】

福島県での1回の開催をのぞきすべて東京になっていますが、どうか全国各地で開かれますように..。上記のFFTVなどの動画のパブリックビューイングなどでもいいと思います。

9月2日(月)14:00~ アカデミー向丘 学習室にて
意見募集中のICRP勧告改訂ドラフト「大規模原子力事故における人と環境の放射線防護」ICRP委員を迎えての学習会
主催:市民科学研究室

9月9日(月)18:30〜 中野ゼロ視聴覚ホール
ICRP新勧告案に関する公開研究会
主催:原子力資料情報室

9月10日(火)19:00~ 市民科学研究室にて
低線量被曝研究会主催・市民科学講座Dコースシリーズ(全7回)
第1回「ICRP勧告にパブコメを書いてみる~原子力事故対応に関する草案を読み解いて」
主催:市民科学研究室

9月11日(水)18:30~郡山市民交流プラザ第2会議室
セミナー:何が問題? 放射線防護の国際勧告改定案
主催:ひだんれん、フクシマ・アクション・プロジェクト、国際環境NGO FoE Japan