オーシャンズ6 3.11から立ち上がった虹の戦士たち 第5回 野副弘毅さん

記事 - 2013-08-29
3.11を機に立ち上がった虹の戦士たちにお話を伺いました。第5回目は、八王子市民放射能測定室「ハカルワカル広場」のボランティア野副弘毅さんです。虹の戦士になるのに、特別な資格は要りません。環境や、周りの人を思って行動する時、人は誰もみな虹の戦士です。みなさんも今日から、虹の戦士の仲間入りをしませんか?

オーシャンズ6 3.11から立ち上がった虹の戦士たち 第5回 野副弘毅さん

虹の戦士とは

「いまに、地球は病み、海は黒ずみ、川の水は毒となり、動物たち植物たちも姿を消しはじめるとき、まさにそのとき、人々を救うために世界中から虹の戦士が現れる」

北米先住民族に伝わる伝説です。
グリーンピースの船"虹の戦士号(Rainbow Warrior)"は、この伝説にちなんで名付けられました。

このシリーズでは、グリーンピースの海洋生態系を担当している花岡和佳男が聞き手となり、お話を伺った方を6名、「3.11から立ち上がった虹の戦士たち」として順にご紹介していきます。

やっぱり、家族を守りたい

-- グリーンピースの市民調査員としての活動、ありがとうございます。

初めてのボランティア活動で、グリーンピースの市民調査員として放射能調査に携わってきました。
そして市民調査員の交流会で花岡さんとお会いして話したこともきっかけに地元でも活動したくて、八王子市民放射能測定室「ハカルワカル広場」でボランティアをはじめました。

※市民調査員とは:グリーンピースがスーパーマーケットの食品放射能調査を行う際、全国各地の市民調査員の方が、担当エリアのスーパーマーケットで食品を購入して、グリーンピースに届けて下さっています。

-- 八王子市民放射能測定室「ハカルワカル広場」ではどのような活動を?

ここの測定室は、福島原発事故を受け子どもたちを内部・外部被ばくから守るために、市民の手で設立された測定室で、食品などの放射能測定を実施しています。
僕は2012年9月頃から始めて、今は仕事の合間を縫って週1回程度、お手伝いしています。

-- 最近の放射能検査の様子はいかがですか?

測れるのが1日5検体で当初は測りきれないくらい、たくさんの依頼がありましたが、昨年の12月を境に急に測定の依頼が減りました。
今日は高尾の方で獲れたキノコが持ち込まれたので、細かく切り刻んで調査します。
検査を続けることにより、汚染の傾向が把握できてきましたね。
今は食品の測定は減りましたが、土壌の測定は継続的に計っています。

-- 福島原発事故が起きる前から、このような活動に興味はあったのですか?

原発には興味が無かったというか、小学生の頃見たテレビのコマーシャルで原発は良いものだと思ってしまいました。
あと40年で石油がなくなり、その代替エネルギーが必要だとすりこまれていましたね。

-- 子どもの頃の影響は大きいですよね

そうですね。
でも福島原発事故が起きて、正直怖かったです。映画などで見ていた、メルトダウンが実際に起きたりして。

政府やニュース、新聞は、「大丈夫だ」という情報ばかり流していたけど、大丈夫じゃないだろうと思いましたし、原発の怖さを知ったからには知らん顔できないなと思いました。

-- みなさん原発事故をきっかけに、政治に対する不信が出てきたといいますよね

そうですね。
間違えた情報や、ウソをすり込まれたのが情けなくて、日本ってそんな国じゃないはずだと思ったんです。
それでツイッターなどいろんな情報を集めましたが、その中で行き当たったのがグリーンピースの情報で、信頼できると思いました。

-- なぜグリーンピースの情報が信頼できると思ったんでしょうか?

福島原発事故直後、グリーンピースが日本政府に福島沖の海洋調査の申し出をしたのに断られたという報道を見て、今までグリーンピースの調査を断ったのがインドネシア政府と日本だけだというのも知り、それまで持っていた悪い印象がなくなり、グリーンピースのイメージが変わりました。

-- 逆に原発事故以前のグリーンピースのイメージはどうだったんですか?

そうですね。それまではクジラとか・・・(笑)。
でも、グリーンピースのウェブサイトを見ていても、情報がたくさん載っているし、信頼できるなと思いました。

-- その後、市民調査委員に登録もして下さったんですね?

そうですね。当時はお米の調査を手伝いました。
産地の記録のためにお店で写真を撮ったりしましたね。やはり測る事は大事だと思いました。

-- 最近のグリーンピースなどの調査では千葉の魚からもほとんど検出されないので、風評払拭のためにはやはり測定が大切ですよね。

政府が提示している基準は安全と言える値ではないので、測定値を知ってそれを食べるかどうかの判断は、僕たち消費者一人ひとりがする必要がありますよね。
あと、やはり直接声を企業に届けることも必要ですね。
よく行くお店や食品メーカーに、お客様の声として要望をよく出していました。

ビールなど、口に入る物はすべて問い合わせましたね。
大体の会社は誠実に答えてくれて、原材料の産地など、ホームページに載っていない情報も教えてくれましたし。

-- グリーンピースでも消費者の声を届ける活動を続けていますが、本当に大切ですよね。

聞けば教えてくれるし、1つ質問のひな形を作れば、どの会社にも活用できるので、ずっと使っていました。
でもその中でもイトーヨーカドーは、対応が冷たかったですね。

ホームページにトレーサビリティーについても出していますが、全部は公開していなくて、「なぜ全部公開しないの」かと聞いても返事が返ってこないし、無視されましたね。

-- 知られたくない情報は隠そうという企業の体質なんでしょうかね。

そうなんでんしょうかね。
あと、回転寿司も、回答が返ってこないですね。

でも、もっとたくさんの方が声を上げれば変わると思います。
みんなで言えばやらざるを得なくなり、変わると思います。

なので、グリーンピースの消費者の声を届ける活動も、もっと続けていくべきだと思います。

-- 原発事故をきっかけに、変わったんですね。

今はグリーンピースには全幅の信頼を置いていますが、それだけではいけないと思うんです。
逆に監視する立場で、いろんな意見を聞けるようにならないと思います。
あと、報道でも、信頼できる部分とそうでない部分を見分けていかないといけないと思っています。

安全だという意見も、全部が間違っていると思わず、信頼できる部分もあるので、全否定しないようにしないとと思っています。
原発事故以降、何とかしようと思う方もいれば、もういいと思ってしまう方もいますよね。

-- 何が野副さんをここまで活動に駆り立てたんでしょうか?

やっぱり、家族を守りたいと思って。
測定所の後は、消防団にも入りました。年齢的に最初は断られたんですけれど、がんばって入れてもらいました。
地元のつきあいはあんまり無かったんですけれど、それでもやってみようと。
いざというときに、消防団が守ってくれるんだなと思うと、すばらしいと思いました。

-- 今後の活動の予定は?

これからもグリーンピースと一緒にやっていって行きたいと思いますし、地元の活動もがんばって行きたいですね。
グリーンピースがつながっている他の地域の方たちとも、つながって行けたらと思います。

忙しくてなかなかグリーンピースの活動に参加できないときもありますが、他のボランティアの方ともつながれたらと思っています。
これからもよろしくお願いします。

2013年8月29日

あなたも虹の戦士になりませんか?

虹の戦士になるのに、特別な資格は要りません。
環境や、周りの人を思って行動する時、人は誰もみな虹の戦士です。
みなさんも今日から、虹の戦士の仲間入りをしませんか?

埼玉在住 2児のパパ
ボスジム ジャパン代表

「家族の身は自分が守る --
それが本能」

 

国際環境NGOサーフライダー・ファウンデーション・ジャパン 事務局長

「未来は自分たちでつくる。それを気づかせてくれた2年でした。」

 

水産加工・流通業「スズ市水産」 
専務取締役

「自分のためではなく、
家族を守りたい」

 

飲食セーフティーネットワーク 代表
イタリア料理店「エリオ・ロカンダ・イタリアーナ」レセプション

「放射能汚染されていない安心な外食を目指して」

 

八王子市民放射能測定室「ハカルワカル広場」ボランティア

「やっぱり家族を守りたい」
 

 

「首都圏反原発連合」 
スタッフ

「普通の人が声をあげることが大切」
 

 
 

photo: © GREENPEACE

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