こんにちは、事務局長の佐藤潤一です。

グリーンピースの調査船「虹の戦士号」(オランダ船籍、555トン)による
福島第一原子力発電所周辺における海洋調査ですが、日本政府から許可が下りました。


ただ、許可内容が調査海域を領海外(沖合約22キロより外)に限定するなど不十分なため
「虹の戦士号」を東京湾沖に停泊させ許可の再考を求めていくつもりです。


グリーンピースは、「虹の戦士号」の船籍国であるオランダ政府を通じて、
福島第一原子力発電所周辺の海域で、海洋の放射能汚染を調査するための調査計画を
日本政府に提出し許可を求めていました(注1)。

この調査では、海水、底質、海棲生物(魚、海藻、貝類を含む)のサンプリングを広範囲に行い(注2)、
放射能汚染の測定と核種分析を行うことを計画しています。


今回、日本政府が調査許可を発行してくださったことは評価したいと思います。

ただこの許可では、放射能汚染の全体像を把握するための調査を行うためには十分ではありません。

グリーンピースのような国際環境NGOが調査を行い事実を伝えることで、
汚染がない水産物などへの国際的な風評被害も避けられます。

海洋汚染が国際的な関心事であるこの非常時に、領海外だけなどと政治的な制限を付けるのではなく、
より汚染が心配される領海内を含め、国際的な協力のもとで真に科学的な調査を行うことが必要だと思います。

グリーンピースは、この調査を通じて漁師が東京電力に対し補償を求めるときに
必要なデータも集めていくつもりです。


注1)日本政府に提出した調査計画書(pdfファイル)
注2)グリーンピースの計画する調査海域地図(pdfファイル)
注3)外務省からオランダ政府への許可書(pdfファイル)
農林水産省からグリーンピースへの許可書(pdfファイル)