こんにちは。海洋生態系問題担当の花岡和佳男です。

海の環境問題と言えば、福島原発事故以降、日本では海や魚への放射能汚染が問題になっていますが、世界に目を向けると現在進行形の海の環境問題がたくさんありまあす。

管理が届いていない場所での違法な漁業や、国際間で決まった量以上の魚を獲る過剰漁業などが各地で横行しており、一言でいえば魚が獲られすぎていているのです。

残念ながら、このように獲られた魚は、世界の主要刺身市場である日本にも流通されてしまっています。

魚介類を購入する私たち消費者は、自分たちが口にする魚に関する十分な情報を得ることができないまま、知らないうちに、漁業、魚食、そして生物多様性を脅かす大規模な過剰漁業や違法漁業を手助けしている状態にあるのです。

そこで、グリーンピースの船「虹の戦士号」は、特に漁業管理体制の確立が遅れているインド洋において、モザンビーク水産省との合同調査を行い、モザンビーク海域を監視し、商業価値の高いマグロやサメを捕る外国漁船の調査を進めていました。

Indian Ocean Tour leg 1

 

この海域では、収益の大きい刺身やフカヒレ貿易用に、ビンナガマグロやサメが大量に獲られています。ビンナガマグロは海域において過剰に捕られ、サメは絶滅の危機に瀕している種も多くいます。

そして本日、2週間に及ぶ第一次パトロール期間が終了しました。

モザンビーク沖で実施された合同監視では、合計4隻の調査を行いました。3隻が日本、1隻がスペイン船でした。

どこの海域でも日本漁船は多いです。しかし、もちろんすべてが違法漁業とは限りません。規制を守る漁業をまもるためにも、このような調査が不可欠となってくるのです。

今回調査に入った日本船籍は全部で3隻。その中の日本かつお・まぐろ漁業協同組合に所属する第27福積丸(Fukusekimaru No27)は、調査への協力を拒否し、モザンビーク政府の捜査官が船内で見つけたフカヒレの重量を計測することを許可しませんでした。

 


これは許可条件に違反するため、モザンビーク政府は法的手続きをとることを検討しています。

★ スライドショー:調査の様子

 

 

このような違法・過剰漁業の取り締りや、管理の徹底により、私たち消費者が、知らない間に環境破壊の手助けをしていたということが防げます。

 

さらに、いまグリーンピースでは、刺身が大量に売られている大手スーパーや回転寿司店などの魚介類の調達方針を聞いて、幅広く公開していく活動「ママうみ実行委員会」を消費者と共に続けています。

各社の調達方針を確認する際には、放射能調査以外にも、産地表示とともに、乱獲や過剰漁業で獲られた魚を取り扱っていないかも、同時に聞いてみて下さい。 世界中の海を同時に守っていきましょう。

 

ママうみ実行委員会のメンバーになって 、一緒に海の環境を守りませんか? 

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このインド洋での活動は、今後も続きますので、その都度このブログで報告します!