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原発事故被害者の人権に関する国連人権理勧告受け入れを求める署名を提出<署名継続中こちらから>

こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。

2017年11月に、国連人権理事会作業部会で、日本に対する217もの勧告が各国から出されたのをご存知ですか?

勧告のテーマは、死刑廃止、女性差別、移住労働者の権利、児童の権利など多岐に渡っています。

その中今回、4カ国から東電福島原発事故被害者の権利に関する勧告がでています。

避難指示区域外からの避難者の住宅や経済的支援や当時子どもだった人への健康モニタリング(オーストリア)や、帰る、帰らないという意思決定への参画(ポルトガル)、被ばく限度を年1ミリシーベルト以下に戻すこと(ドイツ)、原発事故被災者と原爆被ばく者への医療サービスへのアクセスの保証(メキシコ)... と、いのちを守るために大切なことが勧告されています(注1)。

 

福島のお母さんといっしょに署名提出

これらの勧告の受け入れを求める署名の第一次集約分3,090筆を、福島のお母さんといっしょに、外務省に提出してきました。(署名継続中です!)

いのちを守る勧告を出してもらうために、国連本部のあるジュネーブまで行って、各国の代表団の前で、英語で(!)スピーチをしたお母さん、園田さんです。

厳重なセキュリティチェックを受けて外務省の建物に入り、お部屋に案内されると、そこには、外務省だけでなく、これらの勧告を受け入れるかどうかを検討する文部科学省、環境省、復興庁の担当者もいました。

ずらっとならぶお役人たちに、園田さんは、ジュネーブでスピーチをしたとき、各国の代表団のみなさんが熱心に耳を傾けてくれたこと、個別に会って話しをしたときも、細かな質問をしてくれたり、避難解除の基準が年20ミリシーベルトであることを話した時に、びっくりされたことなどを伝えました。

 

日本政府が聞いてくれなかった声を国際社会が聞いてくれた

自身のスピーチの中でとりあげた課題が、勧告となったことで、「日本政府が聞いてくれなかった声を国際社会が聞いてくれた」と思ったそうです。

そして、とくに避難指示区域外からの避難者が最後の命綱である住宅支援を打ち切られて困窮していることなどを訴え、「日本は、弱者をまもる国であってほしい」と勧告の受け入れを求めました。

これに対し、復興庁の方が「最後の一人まで支援していく」(復興大臣の会見発言)と言うので、私は思わず「まず、山形で家賃の支払いと立ち退きを迫られ、訴えられている8人を救ってください!」と声をあげてしまいました*。お返事はいただけませんでしたが...。

環境省は、除染を頑張っていることを強調しつつ(何度も放射線調査をしているグリーンピースは、「除染」が「移染」にすぎないことを知っています)、「困っていることがあればおっしゃってください」と園田さんに声がけしていました。

「お話しは関係部署にしっかり伝達します」と言ってくれた外務省の人権人道課の田村さんには、「勧告を日本政府が受け入れるように外務省は尽力を」とお願いしました。国際社会の声を、原発事故被害者に対する政策を担当する省庁に伝えるのも、外務省の大事な役割だと思います。

 

 ぜひ、この署名を広めてください

署名は国連人権理事会が始まる2月23日に向けてまだまだ継続します。1月22日から始まった国会でも勧告受け入れについて議論してもらおうと、国会議員へも積極的にはたらきかけています。

ぜひ、こちらの署名にご協力をお願いします!

 

すでに署名された方へ。

ぜひ、まわりの方にこの署名のことを広めてください。

紙の署名用紙もあります>>こちら (白黒コピーしてお使いください)

こちらからご請求もできます。

 

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注1 勧告(外務省HPより)

6.215. 福島の高放射線地域からの自主避難者に対して、住宅、金銭その他 の生活援助や被災者、特に事故当時子供だった人への定期的な健康モニタリ ングなどの支援提供を継続すること。(オーストリア)

6.216. 男性及び女性の両方に対して再定住に関する意思決定プロセスへの 完全かつ平等な参加を確保するために、福島第一原発事故の全ての被災者に 国内避難民に関する指導原則を適用すること。(ポルトガル)

6.217. 特に許容放射線量を年間 1 ミリシーベルト以下に戻し、避難者及び 住民への支援を継続することによって、福島地域に住んでいる人々、特に妊 婦及び児童の最高水準の心身の健康に対する権利を尊重すること。(ドイツ)

6.218. 福島原発事故の被災者及び何世代もの核兵器被害者に対して、医療 サービスへのアクセスを保証すること。(メキシコ)

 


 

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