<1>知らないうちに原発に投資していませんか?

記事 - 2012-10-18
原発から自然エネルギーへ移行するためには、原発への投資を、自然エネルギーへの投資に変えることが重要です。

<1>知らないうちに原発に投資していませんか?

1. あなたの預金や保険料が原発に!?

  • 日本では原発を持っている10の電力会社が、全部で54基の原発をもっています。
    その各社の株を銀行や保険会社など多くの企業が持っています。
    つまり、あなたの保険料や預金が原発をささえるためにも使われているのです。
  • 生命保険と原発
    この10社の株を一番多く持っているのが、日本生命です。

※福島第一原子力発電所で廃炉となった数を除けば50基

日本生命の他にも生命保険が電力会社の株をたくさんもっていることがわかります。

2. 預けているのはお金だけではない

普通、生命保険契約をするのは、病気やケガやもしものことがあったとき、自分や家族の命や暮らしを支えてほしいという思いから。
預金も、多くの人は将来の暮らしのためです。命や暮らしを脅かす原発に投資するのは、お金を預けた人のそもそもの意思とは逆。

保険料や預金は、お金を預けた人の意思を反映させ、より安心して暮らせる社会のために使われるべきです。
電力会社の大株主である日本生命には、電力会社に対しても大きい発言力があります。
原発ではなく自然エネルギーによる発電へと方向転換するよう、電力会社に言ってもらいましょう。

今、環境や人権など社会問題について、金融のもつ影響力が非常に大きいことから、社会的責任投資という考え方が注目されています。
これは、環境や社会、将来の世代を脅かすような事業には投資しないなど、投資家は投資が社会に与える影響に強い責任をもつことで、社会問題の解決や回避に貢献できるし、すべきだという考え方です。

あなたが、原発をやめてほしい、自然エネルギーをもっと増やしてほしいと思っていたら、あなたが預けたお金の運用もそういう意思を反映してほしいと思いませんか?

社会的責任投資では、銀行や保険会社に託されたのは「お金」や「運用」だけではないと考えます。
預かったお金を、よりよい未来のために運用する責任も同時に託されている、ということです。
お金の使い方への説明責任も大きくなってきます。

<詳しく知りたい方は>
ブログ「市民社会が築く『経済と環境』の新しい関係とは? 高崎経済大学教授の水口剛さんに聞く」

3.これまでのグリーンピースの活動

2012年10月: 世界銀行/IMF総会の関連 セミナー(10月13日)と、グリーンピース主催イベント(10月19日) 「原発の投資リスクと自然エネルギー市場の可能性」で講演を行いました。
詳しくは報告ブログをご覧ください >>

2012年の4月~: 日本生命へ、書簡や電話で働きかけを行ってきました。
詳しくは<2>日本生命と原発をご覧ください >>

2012年6月 「なんでやねん再稼働」
ツイッターや電話で日本生命に、2012年の株主総会で脱原発提案に賛成して下さるよう、みなさんと一緒に呼びかけました。

2012年6月12日: 経済セミナー「原発の投資リスクと自然エネルギーの可能性」を衆議院会館にて開催しました。
スピーカーはグリーンピース・インターナショナルのエネルギー投資シニアアドバイザーのギョルギー・ダロスと環境エネルギー研究所の松原直弘さんです。
福島原発事故が投資に及ぼした巨大な損失や、事故の予兆を金融アナリストが見過ごしてきたことを指摘し、自然エネルギーはもう十分競争力がありこれから急速に成長できる市場であることをお話ししました。
約100名(議員・秘書8名を含む)の方々にご参加いただきました。

2012年6月27日: 関西電力と東京電力の株式総会で、大飯原発再稼働のリスクを指摘すると同時に、原子力発電からの撤退と自然エネルギーの促進を求め、脱原発議案に賛同するよう株主に訴えました。

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